本田技研工業(株)は、スポット溶接の電極部を切削加工し溶接性を回復させるチップドレッサ、HY-21、PY-21、EY-21の3機種を開発し、主に自動車製造、家電、住宅設備機器等をはじめとするスポット溶接機ユーザーに向け、10月25日より、汎用本部国内営業部から発売する。
この3機種は、社内の溶接現場からの要望により開発した製品で、職人芸を要求されたヤスリ掛けなどの難作業から解放されるとともに、既存のチップドレッサの悩みを解消し、簡単な操作でチップのドレス作業が行え、さらにドレス品質を向上させたものとしている。その結果、スポット溶接の品質が向上するとともに、省力化、コストダウンにも貢献できる。
定置・マルチスポット兼用
定置スポット専用
ロボット・ポータブルスポット兼用
3機種とも電空比例弁と多機能コントローラを使用したプログラム加圧によりドレッサの電極への適正加圧ができ、新品同様の電極仕上がりとカッタの長時間使用を可能とした。(コントローラによる3チャネル加圧切替に付帯機能付)
また、フレキシブル性に富んだオープンガイド機造の採用で、傾斜角付電極やオフセット電極への対応を可能とした。
スポット溶接は、2枚以上の重ね合わせた鋼板を電極で挟み、高加圧力を加えながら大電流を流し溶融圧接する接合法で、自動化が容易で生産性が高いことから、自動車をはじめ数多くの産業で幅広く使用されている。
しかし、高加圧力と大電流で痛めつけられる銅合金製の電極はスポット溶接の泣き所で、防錆用の亜鉛メッキ鋼板が広く用いられるようになった今日では、亜鉛と銅の合金化によって引き起こされる電極の耐久性低下という新たな問題を生じており、ますます電極管理が困難となっている。
チップドレッサは、熱練を要する難作業で、安全面でも問題のあったヤスリ掛け作業に代わって、損耗拡大した電極を所定の頻度で切削再加工し、溶接性を回復させるための電極再生ツールで、昨今の溶接事情から高性能チップドレッサを待ち望む声が高まっていた。
2,000台/年間
10件
本体 | 空圧制御器コントローラ | 充電ユニット | |
HY-21 | 43,000 | 170,000 | - |
PY-21 | 213,000 | 180,000 | 24,000 |
EY-21 | 540,000 | - |
※取付金具・工事費含まず、カッタ、カッタホルダー別売
ドレッサ本体
機種 | 動力 | 入力電源 | 適用電極 | 無負荷回転数 | 重量(kg) |
HY-21 | - | - | 12-16φ | - | 0.55 |
PY-21 | DCマグネットモーター | Ni-Cd電池 | 12-16φ | 140RPM | 3.20 |
EY-21 | 整流子モーター | AC200/220 | 12-16φ | 240RPM | 5.00 |