2018年11月07日(水)

鈴鹿サーキットレーシングスクールの新体制を発表
~佐藤琢磨がPrincipalに就任~

鈴鹿サーキットレーシングスクールの新体制を発表

11月7日(水)、東京・港区のHondaウエルカムプラザ青山にて、株式会社モビリティランドとHondaによる合同記者会見が行われ、鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)の体制について発表がありました。

この会見で、SRSの卒業生である佐藤琢磨氏がSRS-Kart、SRS-FormulaのPrincipalに就任し、長年にわたりSRSで講師として若手ドライバーの教育にあたってきた中野信治氏がVice Principalを務めることが発表されました。世界のレースを熟知する両氏の知見も得て、世界で通用する選手の育成をさらに強化してまいります。

コメント

佐藤琢磨氏
佐藤琢磨氏「私のSRS卒業時の校長でもあった中島悟さんから大役を引き継ぐことになり、感慨深く思うとともに、責任の重さを実感しています。私にとってSRSはレースキャリアの第一歩であり、挑戦したことで未来を切り拓くことができました。そこになにか恩返しをできないかと考えていたところで、今回のプリンシパル就任となりました。トップドライバーに必要なのは、求心力です。それには人間力を高め、自分が戦うための環境を作り出さなければなりません。私の尊敬する中野さんとともに、現役ドライバー2人で、世界と戦ってきた経験を伝えていきたいと思います。SRSが世界のトップアカデミーにも匹敵する存在となることを目指して、何ができるか楽しみに思うとともに、これまでの取り組みをしっかりと引き継いでいく責任を感じています」

山本雅史|Hondaモータースポーツ部長
山本雅史モータースポーツ部長「SRSは、先日スーパーフォーミュラでチャンピオンとなった山本尚貴選手ら、数多くのすばらしいドライバーを輩出してきました。世界で通用する選手をさらに生み出していくべく、山下社長とも話し合い、SRSの体制をアップデートすることになりました。現役ドライバーで、世界最高峰での経験を持つ佐藤選手と中野選手が、若手へ多くのことを伝えてくれるはずです」

山下 晋|(株)モビリティランド社長
山下晋モビリティランド社長「SRSは25周年を迎え、500人以上の卒業生を送り出し、トップレベルで戦うドライバーが育ってきました。しかし、モータースポーツの世界では、近年さまざまな変化が起きており、18~19歳の若いドライバーがトップレベルで戦うことも多くなっています。そこで、我々のSRSにも、まだまだやれることがあるのではないかと考えました。ハイレベルなレースへの参戦を見据えたプログラムを用意するとともに、佐藤選手、中野選手というすばらしいドライバーを講師に迎え、新たな時代に対応できるSRSに進化していきたいと思います」


<プロフィール>


●佐藤琢磨 氏

1977年生まれ。東京都出身。少年時代に鈴鹿サーキットでF1世界選手権を観戦し、F1ドライバーになる夢を抱くと、大学に進学してから鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を受講。その後、1999年にはヨーロッパへと渡り、英国F3選手権でのチャンピオン獲得を経て、2002年にF1デビュー。04年のアメリカGPで日本人ドライバーとして歴代最高タイとなる、3位表彰台登壇を果たしました。
その後、2010年からは北米のインディカー・シリーズに参戦。2013年にロングビーチで初優勝を飾り、2017年には世界三大レースの一つであるインディ500を日本人として初制覇しました。今季も第16戦ポートランドでキャリア通算3勝目を挙げ、世界のトップレベルで活躍しています。

●中野信治 氏

1971年生まれ。大阪府出身。11歳よりレーシングカートを始め、16歳のときにインターナショナルカートGPで史上最年少かつ日本人として初優勝を挙げました。その後、全日本F3選手権や、ヨーロッパのフォーミュラ・ボクソールで経験を積み、全日本F3000選手権(後にフォーミュラ・ニッポン)へステップアップ。そして、1997年にF1デビューを果たします。
2000年からは米国に活躍の舞台を移し、インディ500にも参戦。さらに、2005年にはル・マン24時間レース参戦を果たし、F1モナコGP、インディ500と合わせて、日本人として初めて世界三大レースに出走という偉業を達成しています。後進の育成も手掛けつつ、現役ドライバーとしても活躍し、今季のスーパー耐久シリーズでは、ST-TCRクラスでチャンピオンを獲得しています。


<SRSについて>


(株)モビリティランドが運営するレーシングスクール。「モータースポーツで世界に通用する選手を育成する」ことを目的として、1992年に二輪の「鈴鹿サーキットレーシングスクール ジュニア」を設立。1993年に「鈴鹿サーキットレーシングスクール カート」、1995年には「鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラ」を開校し、トップライダー、トップドライバーを講師に迎え運営しています。これまで佐藤琢磨氏をはじめ、数多くの卒業生が国内外の二輪・四輪それぞれのカテゴリーで活躍しています。2015年からは、新たなプログラムである「鈴鹿サーキットレーシングスクール フォーミュラチャレンジ」を開講しました。2018年は、その第1期生がスカラシップを獲得し、ステップアップカテゴリーであるFIA-F4選手権に参戦しています。
また、二輪においては、MotoGPなどの世界選手権で通用する選手を輩出するため、2016年度に鈴鹿サーキットレーシングスクール ジュニアの育成制度とカリキュラム・使用車両をリニューアルし、名称を「SRS-Moto」へ変更しました。SRS-Motoでも、スカラシップ制度(奨学制度)を導入しており、昨年から本スクールが運営するレーシングチーム「TEAM SRS-Moto」でMFJ全日本ロードレース選手権に参戦しています。

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