第16戦 アメリカGP

HRDテクニカル・ディレクター
西澤一俊のひとりごと 10月1日(月)



(ヤルノ・トゥルーリの失格発表以前のコメントをもとに、作成されたものです)

 ヤルノがようやく、レースでも速さを発揮してくれた。それが今回の、最大の収穫ですね。今までだと、予選の速さがまったく結果につながってくれなかった。具体的には、レース走行中にタイヤのグリップがなくなって、ペースがガクンと落ちてしまう。それが今回は大丈夫だった。1セット目のタイヤは、それでも走りにくそうでペースがなかなか伸びませんでした。「あー、またか」といやな感じだったんですが、いつものようにズルズルと後退していかずに踏ん張ってくれた。そして2セット目のタイヤは、まったくタレの問題が出ずに、終始かなりいい感じで攻めてました。ジョーダンは、セッティングの幅の狭いクルマではある。その上にヤルノ自身のドライビングのクセも加わって、レースでは苦戦してきた。でも初日から黙々とレースセッティングに専念する努力が、ようやく実りましたね。

 アレジはトゥルーリとは逆に、2セット目のタイヤでハンドリングが悪化した。そのため前を行くハイドフェルドに、追いつくことができませんでした。スタートは手動式を選択して、ホイールスピンさせ過ぎてしまった。あの出遅れも痛かったですね。200戦目ということで、本人はかなり気合いが入ってたんですけどね。
 一方のBARは、とにかくクルマが決まらなかった。特にジャックは、あまりにも遅すぎました。レースもそうでしたが、予選でオリビエより1秒以上遅いとは・・。ここのサーキットでは、できれば柔らか目の足回りにした方がグリップも効く。でもジャックは固めが好きで、それに固執しすぎたのかもしれない。

 次は泣いても笑っても最終戦。しかもわれわれの地元GPです。来年につながる結果を絶対に出さなければ、と思っています。