HONDA The Power of Dreams
HONDA The Power of Dreams
第15戦 イタリアGP
HRDテクニカル・ディレクター
西澤一俊のひとりごと
9月17日(月)
ジャックの6位入賞は、予選の15番手というグリッドから考えると、貴重な1ポイントでした。最後は、薄氷のゴールでしたしね。というのも燃料の給油装置に不具合が生じて、ピットインでの給油の際、少なからぬ量が逆流してしまったんです。それで最後は、ミクスチャーを超リーンにしたのはもちろん、ドライバーにも極力燃費運転に徹してもらいました。それでなんとか、6位でチェッカーを受けることができた。あのトラブルがなければ、5位のペドロ・デ・ラ・ロサを追い上げるペースだったんですが。
ジャックは、午前中のウォームアップでようやく最適なレースセッティングを見つけることができて、それが快走につながりました。もう何回も言いましたが、やはりBARの場合、予選で上に行けないのがつらい。せっかくレースではあれだけの速さを発揮できるんですからね。
一方オリビエは、レースカーのハンドリングがまったく決まらず、本番はTカーで出走しました。挙動はずいぶん良くなったものの、ジャックほどのペースでは走れず、結局9位に終わりました。
ジョーダンは、トゥルーリがまた残念な結果になってしまいました。今回のヤルノは、1回ストップ作戦を選択していました。もしあの事故がなかったらどうなっていたかは、もちろん誰にもわかりません。いつものように予選での速さは再現できずに、失速していたかもしれない。でも予選5番手で、かなりリタイヤも多かったですから、入賞の可能性はあった。どちらにしても、あれはほとんどもらい事故と言っていいものでしたから、かわいそうでしたね。
アレジは4人の中ではただ一人、2回ストップ作戦を選択しました。1セット目のペースはかなり速く、彼らしい思いきりのいいオーバーテイクを見せてくれた。しかし2セット目のタイヤでブリスターが出て、予定よりずっと早く、2度目のピットインをせざるをえなかった。あれで入賞の望みがなくなってしまいました。
アメリカGPがどうなるかは、まだ流動的です。でもわれわれはもちろん、予定通り開催されることを予想して、今週はシルバーストンでテストも行なうし、インディアナポリスに向けての機材の輸送も早めに行ないます。残りはあと2戦。来年につながるいい結果を、必ず出したいですね。