HONDA The Power of Dreams
HONDA The Power of Dreams
第13戦 ハンガリーGP
HRDテクニカル・ディレクター
西澤一俊のひとりごと
8月20日(月)
「ドイツGPで表彰台を獲得した勢いに乗って、ぜひハンガリーでも上位入賞を果たしたい」。前回そう言っていたんですが、結果は期待とは裏腹なものに終わってしまいました。2台がリタイヤ、そして完走した残り2台もトップから2周遅れでは、言うべき言葉もありません。予選5番手で今度こそと思っていたトゥルーリが、またも失速。初日のフリー走行ではレース用のセッティングを重点的に試していたし、日曜日のウォームアップもいいペースだっただけに、期待していたんですが。
どうして予選の速さが、レースで再現できないのか。どうもタイヤとの相性に、大きな原因があるようです。今回も、スタートして数周はいいペースなのに、その後まもなくグリップがなくなってしまう。そのためピットインのタイミングも、予定より早くしなければならなかった。2セット目も同様でした。チームもあらゆる対策を立てているんですが、ここまで芳しい結果が出ていません。今回、かなり改良されたシャシーを投入しましたが、この問題の解決にはなりませんでした。
アレジは、慣れないマシンで走ったにしては、まあまあ妥当な結果だったと思います。自動スタートシステムに習熟していないために、手動でスタートした。それもあって順位を落としましたが、あとで抜き返してくれました。
パニスは、電気系のトラブルから大きくミスファイヤが出て、止まりそうになりながらピットに入ってきました。その後解決策が見つかったようだったので、もう一度出たんですが、結局リタイヤしてしまいました。レース序盤から「挙動がおかしい」と訴えていたので、シャシー側にもなにか問題があったようです。ウォームアップで調子が良かったので、本人もこの結果にはかなりガッカリしているようです。
ビルヌーブは、あのハンドリングからすると、精一杯の結果だったと言えるでしょう。このサーキットは結局のところ、空力よりも足回りの優劣がモノを言いますからね。BARの苦手な部分が、モロに出てしまった。
次のスパに向けて、両チームはイタリア・ムジェロでテストを行ないます。あそこはハンドリングサーキットなので、特にBARは徹底的に足回りの調整をするつもりです。選手権は両方とも決まってしまいましたが、われわれとしては、少なくともコンストラクターズ選手権で4位は獲得したい。最終戦のスズカまで、全力で努力します。