HONDA The Power of Dreams
HONDA The Power of Dreams
第9戦 ヨーロッパGP レビュー
6月26日(火) レポート:柴田久仁夫
カナダGPに続いて、Honda勢は今回もノーポイントに終わってしまいました。リタイヤした3人は、メカニカルトラブル。ただ一人完走したジャック・ビルヌーブも、タイヤのグリップがまったくなく、入賞圏内には届かなかった。
2戦連続ノーポイントもさることながら、カナダではほのかに見えていた「速さ」復活の兆しが、ここでは影を潜めてしまった。それがちょっと気になるところです。ヨーロッパGPでは、ウィリアムズに加えて、ジャガーの2台も揃ってHondaの前でチェッカーを受けている。長く低迷していたジャガーですが、モナコGPあたりから復調が感じられてきています。ワークスエンジン同士の戦いは、これからいっそう熾烈さを増していくでしょう。
優勝争いに目を転じると、今回はシューマッハ兄弟のバトルがすべてだったと言っていいでしょう。フェラーリを追い回すウィリアムズ。ペース的には、ウィリアムズのほうがずっと速かった。トップを走るのがミハエルでなかったら、ラルフが抜いていた可能性も十分考えられました。結果的にペナルティを受けて4位に後退しましたが、BMW・ウィリアムズはあっという間に安定した速さを手に入れつつある。ニュルブルグリングであれだけ速かったということは、後半戦のGPの多くで、それが再現されるかもしれません。
一方、最終的にデビッド・クルサードが3位に入ったとはいえ、マクラーレン・メルセデスの影はまったく薄かった。予選で2台が3列目。レースでも、上の脱落を待つしかなかった。今回のマクラーレン・メルセデスは、実力でウィリアムズに完敗してしまいました。予想よりはるかに早く、フェラーリ、ウィリアムズの2強時代が訪れようとしているのかもしれません。