第8戦 カナダGP

HRDテクニカル・ディレクター
西澤一俊のひとりごと 6月11日(月)





 今回は、ほんとになんて言ったらいいのか。残念とか悔しいとかの言葉では片付けられないような、やりきれない気持ちです。
 ジャックのリタイヤは、駆動系。ヤルノとオリビエは、ブレーキでした。ヤルノはひょっとすると、タイヤもあるのかもしれません。オリビエは走っているうちにブレーキペダルがどんどん奥へ行ってしまい、スカスカになってしまった。ピットインしてエア抜きをしたんですが、結局ダメでした。ピンチヒッターのリカルド・ゾンタは、よく頑張った。彼にもブレーキトラブルが出ていて、終盤は必死だったようです。せめて彼だけでも、入賞してほしかったんですが・・。Hondaにとっては、今シーズン初の、ノーポイントのレースとなってしまいました。

 今回われわれは、かなりパワーアップしたエンジンを持ってきました。二ケタ以上パワーが上がって、ドライバーも体感できるほどです。ドライバビリティも犠牲になってないし、3日間を通じて、信頼性もまったく問題なかった。Hondaとしては、いうことのない週末でした。それだけに残念というほかないですね。予選にしても、トゥルーリが2列目、オリビエが3列目と、今シーズン最高のグリッドを獲得していた。BARに関しては、エンジンが寄与した部分もありますが、マシンのバランスが全般に良くなってる。それだけにレースは大いに期待しました。それが表彰台どころか、ポイントも獲得できなかった。まあ予選の速さが、今回の収穫だったというべきでしょうか。