亜久里/圭市組、2000年モデルに乗り初優勝
真夏の富士を制し、NSX3連勝を遂げる!

ウォームアップ走行で鈴木から土屋へドライバー交代の練習
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全日本GT選手権シリーズ第4戦が、夏真っ盛りの富士スピードウェイに5万人を超す大観衆を集めて開催された。ホンダ陣営はこのレースに向け、新たに2台のNSX2000年モデルを投入。これで出走する5台のNSXすべてが2000年型へ切り替わることとなった。
土曜日に行われた公式予選では、鈴木亜久里/土屋圭市組の8号車が5位、飯田章/服部尚貴組の100号車が6位、伊藤大輔/ドミニク・シュワガー組の64号車が9位、中子修/道上龍組の16号車が12位、脇阪寿一/金石勝智組の18号車が15位となった。長い直線のある富士スピードウェイは、自然吸気エンジンを用いるNSXにとって、決して得意なコースではない。しかも16号車は60kg、18号車は90kgものウェイトハンディを課せられている。NSX勢にとっては苦戦が予想された。

喜ぶ、伊与木エンジニアとクルー
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決勝日は、朝早くから夏の太陽が照りつけ、午後2時のスタートの頃には路面温度は55度を超えるという過酷なコンディションになった。スタートではスターティンググリッド上位につけたスープラ勢が飛び出し、NSXは鈴木の乗る8号車が5位、飯田の乗る100号車が6位、シュワガーの乗る64号車が7位につけた。その後、NSX勢は順調に順位を上げ、レースの折り返し点近くで3位にまで進出した。
そのときコース上でアクシデントが発生し、セーフティカーがコースイン。このタイミングを逃さず8号車は即座にピットイン、ローリングが続いている間にコースへ復帰して、一気に首位へ躍り出た。マシンを引き継いだ土屋は力走で背後から攻め寄るライバルを徐々に引き離し、最終的に4秒779引き離して首位のままチェッカーを受けた。鈴木/土屋組はこれが初優勝。今季NSXにとっては第2戦から連勝で3回目の優勝であった。
朝のウォームアップでトラブルが発生、周囲を慌てさせた100号車は、レース終盤で4位にまで進出したものの、その後オーバーランして順位を落とし7位、序盤8号車を追いかけていた64号車はスピンで順位を落とし9位、今回タイムが伸びなかった16号車はマイペースを守って10位で完走を果たした。序盤の遅れを取り戻し6位からさらに上位を狙った18号車は、やはりオーバーランで遅れ、フィニッシュ直前にスピンアウトしてレースを終えている。
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喜びを爆発させながら土屋を迎える鈴木亜久里
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ゴール直後、座り込んだ土屋が祝福を受ける
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鈴木亜久里(優勝/ARTA NSX)
ぼくと圭ちゃんが組んで、2000年モデルをもらったらもう言い訳はできないな、と思った。予選から良い流れだったので、もしここで勝てなかったらもう今年は勝てないかもしれないと覚悟してレースをした。
土屋 圭市(優勝/ARTA NSX)
勝てるクルマでレースするのは本当に楽しい。今日はお客さんも楽しんでくれたんじゃないかな。
8号車 伊与木 エンジニア
時間がなくて基本セッティングで走らせただけ。今回はドライバーの頑張りで勝てた。次回以降はいろいろ考えてきますよ。
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