NSX、第3戦を制圧
1−2フィニッシュで2連勝

真新しい2000年モデルとなり優勝を飾ったMobil 1 NSX
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前回のレースで優勝を飾ったホンダNSX陣営は、勢いに乗って初夏の東北、スポーツランドSUGOへ乗り込んだ。公式予選では、前回優勝の脇阪寿一/金石勝智組が90kgに及ぶウェイトハンディを課せられながら3戦連続のポールポジションを獲得。以下今回新たに3台目の2000年モデルを得た伊藤大輔/ドミニク・シュワガー組が2位、中子修/道上龍組が5位、飯田章/服部尚貴組が9位と続き、前回のレースでマシンを全損し今回から昨年高橋国光/飯田章組が使っていた99モデルに乗り換えた鈴木亜久里/土屋圭市組は13位につけた。

夏ならでは、ドリンクボトルをセットする
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スタートでは脇阪が飛び出し、それをシュワガーが追いかけ、さらに道上が順位を上げて中盤までにNSXの1−2−3体制ができあがった。脇阪は90kgのウェイトハンディに苦しみながらハンディのないシュワガーを押さえ込み首位を守ったまま38周を走りきってピットイン。脇阪からマシンを引き継いだ金石もまたウェイトハンディに苦しみながら首位を守り続けた。ところがレースも終盤にさしかかった65周目、金石は3コーナーでついに堪えきれずコントロールを失ってコースオフ。無事レースに復帰できたものの、伊藤に首位を譲り渡した。
すでにこの頃には、ウェイトハンディがかける負担でタイヤ消耗が進んでおり、復帰後も金石のペースは上がらない。金石は中子に2位を譲り、4位のスープラの追い上げにさらされながらNSXの1−2−3体制を守ろうと走り続けた。しかし残り1周となったところでついに限界を超えて再びスピン。惜しくも4位へ後退してしまった。
だが伊藤と中子はその後も危なげなくレースを走りきり、1−2フィニッシュを飾ることとなった。金石は4位、飯田/服部組は10位、スピンで遅れた鈴木/土屋組は15位で完走した。NSXはこれで今季2勝目を挙げ、念願のシリーズチャンピオン獲得へ向けて大きな前進を果たした。
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レースが終わり、クルーと勝利を喜び合う中嶋監督
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クールスーツ用配管は夏のレースの必需品
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伊藤 大輔(優勝/Mobil 1 NSX)
木曜日にクルマが組み上がって金曜日に富士でころがすだけのシェイクダウンをしただけでこの週末を迎えた。走ってみたらオーバー気味で、そうなるかと思ったが、セッションをおうごとに調子が上がった。決勝では落ち着いて走れば、18号車に追いつくだろうと思っていたが、周回遅れとの巡り合わせが悪く、なかなか間隔が縮まらなかった。でもあきらめずにプッシュしていたら、先に相手がミスしてくれた。ただ、相手は90kgも重い状態で走っていたんだから、それを考えるとまだまだやらなければいけないことはありますね。今回の優勝でうちも次のレースでは重くなるから、18号車を目標に頑張ります。チャンピオン争いでも大きな勝利だと喜んでいます。
D.シュワガー(優勝/Mobil 1 NSX)
ほとんどぶっつけ本番でニューカーを走らせたことを考えるととてもハッピーだ。スタートしてから伊藤と交代するまで、90kgも重い18号車には追いつくことができなかった。相手がホンダ車でなければ勝負をかけたかもしれない場面があるにはあったけれども、そこではリスクを冒さなかった。90kg重いクルマに追いつかないことにはがっかりしたけれど、こっちは初めてのロングディスタンステストのようなものだったんだからしかたがない。今回は完走してデータもいっぱい集まったから、次のレースでもきっと表彰台に上がるよ。
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