NSX、完勝!
2000年型NSX、ポールトゥウインで初優勝を飾る

ポールトゥウインの優勝を出迎える
|
ゴールデンウィークまっただ中、快晴に恵まれ絶好のレース日和となった富士スピードウェイには関東近県からファンがつめかけた。今回も、前夜から入場を待つ自家用車が入場ゲート前を埋め尽くす盛況である。開幕戦、2000年モデルに乗る中子修/道上龍組を2位に送り込み、順調な開幕を迎えたホンダ陣営は、前回のレースで一部不具合の生じた最新型トランスミッションに大幅な改良を加え戦線に投入した。その他の体制は開幕戦から変更はない。

PP会見中の脇阪(左)と金石(右)
|
公式予選では、改良された2000年モデルに乗る脇阪寿一/金石勝智組が快調で、1回目セッション、2回目セッションともベストタイムを記録、2戦連続でポールポジションを奪取した。このタイムはGTクラスのコースレコードに100分の5秒届かなかっただけの好記録である。以下、6位に中子修/道上龍組、7位に飯田章/服部尚貴組、12位に伊藤大輔/ドミニク・シュワガー組、14位に鈴木亜久里/土屋圭市組が続いた。
決勝レースでは、スタートを務める脇阪がポールポジションから飛び出し、そのまま2位以下をじりじりと引き離す展開となった。ドライバー交代のピットストップで一時的に中子/道上組に見かけ上の首位を譲ったが、全チームがピットストップを終えてみると難なく首位を奪回。マシンを引き継いだ金石は再び2位の片山右京/ミハエル・クルム組のGTRを引き離していく。そしてそのままフィニッシュ。レース中のベストタイムまでを記録しての完璧なポールトゥウインでNSXにとって今季初めての総合優勝を飾ることとなった。
7位にはそつなくレースをまとめた伊藤/シュワガー組が入賞。今回はウェイトハンディを減らすため5、6位に抑えてポイントだけを稼ごうという作戦に出た中子/道上組は、序盤第2集団に取り込まれてペースが上がらず8位に終わった。飯田/服部組はスタート直後の接触でマシンを破損、修復で大きく遅れたものの総合25位で完走した。なお鈴木/土屋組は他車に押し出されてコースオフしリタイアに終わっている。
|
|
ドライバー交代を待つ金石とピットクルー
|
8位フィニッシュの道上(左)と優勝の脇阪(右)
|
脇阪 寿一(優勝/TAKATA 童夢 NSX)
クルマは完調だった。金曜の時点で満タンテストをして、いい感じだったから自信もあった。ただ前回のレースは突然トラブルが出て途中で終わっちゃっているから、今回はとにかくつまらないミスでレースを落としたくなかった。それでレース中はコースをよく見て、何か落ちていたら避けよう、タイヤカスは拾わないようにしようと、そればっかり気にして走っていた。勝てて嬉しいです。ほんと、久しぶりにこんなに嬉しい思いをしました。ここまでメカニックと一緒に努力してきましたから、それが報われたという感じです。
金石 勝智(優勝/TAKATA 童夢 NSX)
クルマを引き継いでからは、自分でペースを落として走った。でも毎ラップのようにピットからペースを落とせ、と指示が来るので『いったい自分は何秒で走ればいいのかいな』と思ったほどです。いたって普通に走って27秒台が出ちゃう。落とせと言われて29秒台で走る方が難しかった。こんなんで優勝しちゃっていいのかな、オレ寿一と一緒に表彰台に上っちゃってもいいのかな、と妙な気持ちがしました。これで次のレースではウェイトハンディがかかりますけど、2000年モデルはあまり影響がない感じがするので、これからのシーズンが楽しみです。
|