新型NSX、初陣を2位で飾る
もてぎで驚異的コースレコードを樹立

角形のヘッドライト及び楕円形のラジエターインテーク
|
快晴のツインリンクもてぎには、2000年度GT選手権の開幕を待ち望んだレースファンが早朝から詰めかけ、大盛況となった。
2000年シーズンに向け、ホンダ陣営は戦線を拡大、5台体制を築いた。チームの顔ぶれは、鈴木亜久里/土屋圭市組、中子修/道上龍組、脇阪寿一/金石勝智組、伊藤大輔/ドミニク・シュワガー組、飯田章/服部尚貴組。このうち中子/道上組と脇阪/金石組は完成したばかりの新型2000年モデルのNSXを用いる。
新技術を盛り込んだ新設計トランスミッションが搭載された2000年モデルは、事前テストから驚異的な速さを見せた。だが、意欲的な設計がなされたために熟成も難しく、今回のレースでも「速さと耐久性」の両立が大きな課題となった。

鈴木亜久里・土屋圭市組も始動
|
公式予選では、予想通り2000年モデルに乗る脇阪/金石組が2位を1秒5弱も引き離すコースレコードを叩き出しポールポジションを奪取。2位、3位にも道上/中子組と飯田/服部組が続いてライバルを圧倒する結果となった。「予想していたタイムが出ただけです」と語った脇阪の言葉は記者会見の大きな話題となった。
決勝レースでも脇阪の突進は続き、2位のエリック・コマス/影山正美組を10秒以上も引き離して金石に交代した。ところがこの直後、心配されていたトランスミッショントラブルが発生。脇阪/金石組は首位のままレースを終えることになってしまった。
一方、中子/道上組はタイヤ選択を外してストレートスピードが伸びなくなり苦しい戦いとなりながらも、コマス/影山組のGTRに食らいつき、さらに二人揃ってNSXデビュー戦だった伊藤/シュワガー組はレースを戦いながらマシンに慣れてペースアップ、中子/道上組の後ろにつけた。結局レースはコンボ順でフィニッシュを迎え、NSX勢は優勝こそ逃したものの2チームが表彰台に上る戦果を残した。
また、注目の鈴木/土屋組は、レース終盤にガス欠症状を起こしながら完走、公式予選と同じ7位でチェッカーを受けた。なお、飯田/服部組はマシントラブルにより徐々に順位を下げ、レース後半リタイアを喫した。
|
|
脇阪/金石組のピットワーク、この後しばらく首位を守る
|
2位でフィニッシュする中子を道上が迎える
|
道上 龍(2位/Castrol 無限 NSX)
ソフトタイヤを選択したらバランスが悪くなって直線で伸びなくなってしまった。とにかくミッションを壊さないように、気を遣ってのレースだっただけに2位でフィニッシュできて本当に嬉しい。
中子 修(2位/Castrol 無限 NSX)
まずは新型NSXを完走させることだけを考え、特に首位を無理に追いかけることをしなかった。耐久性さえつけば、ものすごく速いクルマになるよ。
|