序盤の遅れで入賞を逸するが、トップに迫るハイペースを披露

トップチームに迫る走りを見せたビルヌーブ
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モナコと並んで、BARホンダが苦手とする低速コースである、ハンガロリンク。予選ではジャック・ビルヌーブ16番手、リカルド・ゾンタ18番手のグリッドしか獲得できず、チーム内には重苦しい雰囲気が立ち込めた。
しかし当日朝に試したセッティングによって、劇的にハンドリングが向上。レース中のジャックは終始ハイペースで周回し、トップチームに迫る6番手の最速タイムさえ叩き出した。しかしスタート直後にアロウズのペドロ・デ・ラ・ロサと絡んで、フロントウィングを破損。修理のためにピットインして、最下位に落ちてしまう。結局これが最後までたたって、12位まで追い上げたところでチェッカーとなった。チームメイトのリカルド・ゾンタは、14位完走だった。
優勝は、スタートでトップに立ち、そのまま走り切ったミカ・ハッキネン。これでハッキネンは、チャンピオン争いでも首位の座に着いた。
ジョーダン・無限ホンダは、ハインツ・ハラルド・フレンツェンが6位に入って貴重な1ポイントを獲得。ヤルノ・トゥルーリは1回ストップの賭けに出たものの、わずかに入賞圏内に及ばず7位だった。
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高温対策用に、穴の開いたカウル
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満員の観客席
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J.ビルヌーブ(12位)
今回もスタートがあまりよくなくて、デ・ラ・ロサと並んでシケインの入り口に突っ込んで行ったんだ。二人ともギリギリまでブレーキングを遅らせて、その直後に彼のリヤに追突してしまった。ウィングを直して出ていってからは、前が空いていたこともあって、素晴らしいペースで周回できた。かなりのクルマを抜いていったけど、でも序盤であれだけ遅れてしまうとね。レースではクルマの挙動がよかっただけに、この結果はほんとに残念だ。
R.ゾンタ(14位)
今日はずっと、マシンと格闘し続けたよ。最初のピットイン前は、立ち上がりでのアンダーステアがひどくて、次からはコーナー進入でのオーバーに悩まされた。タイヤの空気圧を変えたりもしたけど、あまり大きな変化はなかったね。だんだんステアリングが重くなって、終盤はほんとにキツかった。
保坂武文 本田技術研究所 マネージング・ディレクター
今日のジャックは見違えるように速く、トップチームのドライバーたちにも引けを取りませんでした。この解決策がもう1日早く見つかっていればと、残念でなりません。繰り返し言っているように、ここやモナコはBARホンダのマシンには合っていない。しかしここでのデータを、今後のマシン作りに生かして、絶対にこんなことは繰り返さないつもりです。
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