波乱のレース、ハプニングの連続
改良型エンジン投入するも、入賞に届かず

前にビルヌーブ、後ろにゾンタ
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第4戦イギリスGPに続く、今季2回目の改良型エンジンを投入したBARホンダ。超高速のエンジンサーキットだけに、好成績への期待が高まる。しかしこの週末は不順な天候が続き、予選も雨模様の中、ジャック・ビルヌーブ9番手、リカルド・ゾンタ12番手のグリッドが精一杯だった。
決勝も、途中からの雨が予想された。ドライ路面の時点では、二人はほぼグリッド位置のポジションで周回を続ける。中盤24周目、コース内に不審な男が闖入。さらに30周目にはコース上にマシンが立ち往生したりで、ペースカーが2度導入される。そして開始後ほぼ1時間後、雨が降り始める。ただし降っているのはピット周辺だけ。この時点で7番手だった、ビルヌーブ。しかしすぐ後ろを走っていたゾンタに追突されて、痛恨のスピン。大きく順位を落としてしまう。その後は我慢の走りに徹し、結局8位でチェッカーを受ける。
一方のゾンタは、あえてドライタイヤで走行を続ける作戦を取り、一時は4位まで浮上する。しかし終盤38周目、スピンしてリタイヤを喫する。
ジョーダン・無限ホンダは、ヤルノ・トゥルーリが9位完走。ハインツ・ハラルド・フレンツェンは、3位を走っていた40周目にトラブルでリタイヤを喫した。
優勝は、フェラーリのルーベンス・バリケッロ。デビュー以来124戦目の優勝は、F1史上最も遅い記録だった。
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コースインするビルヌーブ
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雨が降り始めたグリッドでのビルヌーブ
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J.ビルヌーブ(8位)
クルマは非常に運転しやすかったけど、レース前半はなかなか順位を上げることができなかった。最高速重視のセットアップにしなかったからね。作戦自体は間違ってなかった。でもチームメイトと絡んだりしたために、ポイント獲得は逸してしまった。
R.ゾンタ(リタイヤ)
あんな事故が起きてなかったら、二人とも入賞していたと思う。ジャックにはすまない気持ちでいっぱいだ。1コーナーで彼を抜こうとして、向こうのリヤに引っかかってスピンさせてしまった。その後10秒ペナルティを告げられて、精神集中が途切れたんだと思う。ブレーキをロックさせて、コースアウトしてしまった。
保坂武文 本田技術研究所 マネージング・ディレクター
非常に悔しいレースでした。あれだけ準備して投入した改良型エンジンが、たとえフルタンクだったとはいえ、期待した通りの速さを見せてくれなかったことがひとつ。そして雨の中、チームメイト同士で絡んでしまったのがもうひとつ。天気をほぼ正確に予測し、ピット作業も完璧だっただけに、そのへんのモタモタが、本当に残念です。心機一転、やり直します。
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