12台がリタイヤのサバイバルレース、ビルヌーブが7位完走!

粘りの走りで7位のビルヌーブ
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今年は6月上旬に行なわれた、伝統のモナコGP。コート・ダジュールは連日晴れ渡り、時には気温が30℃を越える真夏の雰囲気の中、レースウィークが始まった。
シーズン当初から、ハイダウンフォースのコースでは苦戦してきたBARホンダ。ウィングを最大限立てて対処するものの、ホンダパワーがなかなか効率良く駆動輪に伝わってくれない。しかも予選でビルヌーブのマシンにエンジントラブルが出たこともあって、ビルヌーブ17番手、ゾンタ20番手と、今シーズン最悪のグリッドとなってしまう。
決勝当日も快晴。スタート直後の多重クラッシュで再スタートとなるなど、最初から波乱の展開。ほとんど抜くポイントのないコースのせいもあって、序盤のビルヌーブ、ゾンタは15,16番手を走行する。その後、先行するマシンがメカトラブルや運転ミスで次々と脱落。最終的にビルヌーブは7番手まで上がり、久々のポイント獲得こそならなかったものの、3戦ぶりの完走を果たした。ゾンタは10位走行中の49周目、1コーナーでクラッシュしてレースを終えた。完走はわずか10台だった。
優勝は、モナコ初勝利となるデビッド・クルサード(マクラーレン・メルセデス)。2番4番グリッドからスタートしたヤルノ・トゥルーリとハインツ・ハラルド・フレンツェンのジョーダン・無限ホンダ勢は、ともにチェッカーを受けられなかった(フレンツェンは10位完走扱い)。
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ピット、マシン横のビルヌーブ
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コーナーを攻めるゾンタ
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J.ビルヌーブ(7位)
こういう混乱した状況のレースだと、入賞も最下位もありえた。7位完走は悪くない。でも、あれだけ努力した末にポイントを取れなかったことには、欲求不満を感じるね。タイヤさえもてば、ピットイン無しでもっと長く周回することも可能だった。それにしても過酷なレースだったよ。
R.ゾンタ(リタイヤ)
かなりハードに攻めつづけて、1コーナーのサント・デボートで凹凸に乗った途端、マシンコントロールを失って、バリヤに突っ込んでしまった。結果は出せなかったけど、レース自体は満足してる。初めてのモナコGPで、本当にたくさんのことを学んだからね。この次は、もっと早くからマシンを仕上げる自信がついたよ。
保坂武文 本田技術研究所 マネージング・ディレクター
ジャックはまったくのノーミスで、マシンの性能を極限まで使い切って走りました。まさにあれが、現在のうちのマシンの限界です。今回の結果で、われわれに足りないものが何なのか十分に認識することができました。このモナコGPは、今後マシンを劇的に良くしていくためのターニングポイントになるだろうと、私は思っています。
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