エリオ・カストロ・ネベス優勝!
チーム・ペンスキーのワンツーで
ホンダがCART、通算50勝を達成!

今シーズン2勝目となったエリオ・カストロ・ネベス
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2000 FedExチャンピオンシップ第13戦は、オハイオ州レキシントンのロードコース、ミド−オハイオ・スポーツ・カー・コースにて開催された。
予選8月12日(土)
今年2度目となるパーマネント(常設)ロードコースとなる第13戦、ダリオ・フランキッティが昨年記録したコースレコード(65.347秒)を破るべく、激しいタイムアタックが繰り広げられた。第1回目のプラクティスからワンツーを獲得していたチーム・ペンスキーのジル・ド・フェランが、その午後に行われた最初の予選で、偶然にもダリオ・フランキッティのコースレコードとまったくの同タイムを記録して暫定のポールポジション。翌土曜日に行われた最終予選では誰もこのタイムを上回ることなく、ジル・ド・フェランがそのままポールポジションを獲得。2位はチームメイトのカストロ・ネベスが入り、今年2度目となるペンスキーのワンツー達成。3位はダリオ・フランキッティが入ってホンダ・ターボV8のワンツースリーが実現した。この他のホンダ勢はポール・トレイシーが14位、中野信治が20位のポジションからスタートする。

ペンスキーの2台によるフロントローからのスタート
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決勝8月13日(日)
快晴となったミド−オハイオ・スポーツカーコースで、午後2時に全車が一斉にコースイン。夏休み中と言うこともあり、大勢の観客が見守る中で第13戦がスタートした。
ポールポジションから飛び出したジル・ド・フェランとエリオ・カストロ・ネベスの2台のチーム・ペンスキーに、チーム・グリーンのダリオ・フランキッティが続く。序盤からホンダ・ターボV8が快調にワンツースリーを形成し、どんどんと後続を引き離す。しかし、ダリオ・フランキッティに突然シフトケーブルのトラブルが発生し、19周目に緊急ピットイン。ダリオ・フランキッティはここで大きく順位を落としてしまった。
20周目に入り、ペンスキーの2台は3位に17秒以上の差を広げ、29周目にまずジル・ド・フェランが先にピットへ。代わってトップに立ったエリオ・カストロ・ネベスがその1周後にピットへと入り、先にピットアウトしたジル・ド・フェランよりも前でコースに復帰。決勝前のウォームアップでもトップだったエリオ・カストロ・ネベスは、その後ジル・ド・フェランとの差を広げ、45周目には15.625秒ものリードを築く。
まったく危なげない走りでトップを快走する2台のホンダ・レイナードは、そのあとの2度目のピットストップも無難にこなし、他を寄せ付けない力強い走りを披露。終盤のイエローコーション後も同様に後続を引き離し、エリオ・カストロ・ネベス、ジル・ド・フェランの順で1994年以来となるペンスキーのワンツーでチェッカード・フラッグ。

リタイア、19位でレースを終えた中野
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エリオ・カストロ・ネベスにとってデトロイトに次ぐCART2勝目となったが、ホンダにとって今回の優勝は1995年にニューハンプシャー州で達成された初優勝から数えて、記念すべきCART参戦50勝目となった。なお、この初優勝時のドライバーはブラジル出身のアンドレ・リベイロだったが、偶然にも同じブラジル出身のエリオ・カストロ・ネベスがホンダの50勝目ウイナーとなる。アメリカン・ホンダの工場や研究所があるオハイオ州は、ホンダの地元とも言える場所であり、大勢の関係者が見守る中でのうれしい50勝目達成だ。
他のホンダ勢は、チームグリーンのポール・トレイシーが予選16位から追い上げ、一時7位まで追い上げるものの後続に追突されてリタイア。3位を走りながらシフトケーブルのトラブルに見舞われてしまったチームメイトのダリオ・フランキッティも、他車との接触によりリタイアを余儀なくされてしまう。日本期待の中野信治は予選20位からスタートし、14位までポジションをアップしながら、60周目に痛恨のスピン。オフィシャルに牽引されてコースに復帰しようとしたが、その牽引用のロープがタイヤに絡まってしまったために再スタートできず。無念のリタイアとなってしまった。
次戦は8月20日にウィスコンシン州エルクハートレイクの“ロード・アメリカ”で開催される第14戦“Motorola
220”。今回と同じロードコースで、ホンダ・ターボV8エンジンの2連覇に期待したい。

ペンスキーのワンツーでレースを終えた
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H.カストロ・ネベス(優勝)
ホンダは今年のマールボロ・チーム・ペンスキーの成功に、なくてはならない存在であり、この僕がホンダに50勝目をもたらすことができて、とても誇りに思っている。また、今日は朝から体調が悪かったが、CARTドクターのおかげでなんとか最後まで走りきることができた。次もわれわれが得意なロードコースであり、この勢いを持続していきたいね。
中野 信治(リタイア)
1回目のピットストップで燃料が十分に入らなかったため、2回のピットインの予定を、途中で3回に変更しなければなりませんでした。この作戦に変更し、さあこれからだと言う時にスピンしてしまったのですが、コースに復帰できなかったのは残念でしょうがありません。次は以前テストを行ったロードアメリカであり、今度こそがんばりたいと思います。
朝香充弘HPD副社長
みんなに期待されていた50勝目を、工場や研究所があるこのオハイオで獲れたと言うのはほんとうにうれしいことです。日本の研究所をはじめ、多くの人々の努力のおかげで、わずか6年で50勝が達成できました。また、もっとうれしいのは、今日ペンスキーがパーフェクトなレース運びで、これがホンダの強さだと言うことを十分にアピールできたということですね。
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