ジル・ド・フェランがシカゴのショートオーバルで3位表彰台
ドライバーズランキングでも3位をキープ

今シーズン3度目の表彰台となったジル・ド・フェラン
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2000 FedExチャンピオンシップ第12戦は、イリノイ州シカゴ近郊のオーバルコース、シカゴ・モータースピードウェイにて開催された。
予選7月29日(土)
予選は各マシンが1台ずつタイムアタックに挑むシングルカークオリファイ形式で行われ、ホンダターボV8エンジン搭載車4台を含む予選上位17位までが、これまでのコースレコードを破るタイムを記録。ホンダ勢はエリオ・カストロ・ネベスが22.183秒のタイムで2番手フロントローを確保。以下ポール・トレイシーが22.394秒で7位、ジル・ド・フェランが22.437秒で10位、ダリオ・フランキッティが22.468秒で11位、そして中野信治は23.159秒で22位からのスタートとなった。

スタート前に花火が打ち上げられた
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決勝7月30日(日)
心配されていた雨が降ることも無く、予定どおり午後3時5分にグリーンフラッグ。オープニングラップはエリオ・カストロ・ネベスが2位のポジションをキープ、トップのJ.モントーヤを追う。ところが34周目を走行中のエリオ・カストロ・ネベスのマシンにトラブルが発生。マシン後部で火災が発生したため、エリオ・カストロ・ネベスは直ちにコースサイドにマシンを止め自力で脱出、そのまま無念のリタイアとなり21位でレースを終えた。
74周目、それまで好調に周回を重ねていたダリオ・フランキッティの左リアタイヤと、ポール・トレイシーの右フロントが接触。2台ともコントロールを失いコンクリートウォールに激突してリアウイングを破損してしまう。ダリオ・フランキッティはその場でリタイア(20位)し、ポール・トレイシーはなんとかピットへ戻り戦列復帰を試みるが断念、19位でレースを終えた。
一方、日曜日朝のウォームアップでトップタイムを出しているジル・ド・フェランは、予選10位からのスタートながら、一周目を8位でコントロールラインに戻ってくる。そして118周目には7位、149周目には5位と着実に順位を上げ、フルコースコーション下の178周目には表彰圏内の3位までポジションアップ。

メカニカルトラブルで13位となった中野
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合計3回のピットストップも難なくこなしたジル・ド・フェランは、他のホンダ勢にとっては厳しい展開となった今回のレースで、終盤になってもペースを落とすことなく2位のM.アンドレッティを追撃、最終ラップにはその差を1秒以内まで縮める。ゴール目前で、前を行くM.アンドレッティにわずかに及ばず3位でチェッカーを受け、今季3度目の表彰台を獲得。ドライバーズ・ランキングでも3位の座をキープしている。
また、予選22番手からスタートしながらも、フルコースコーションでのピットインをうまく使い、一時は9位までポジションを上げた中野信治だったが、レース後半の167周目にギアボックスのトラブルが発生。ピットインで修復を試み、その後いったん戦列に復帰するも172周目に再度ピットイン。チームスタッフの懸命な作業も空しくそのままリタイア、惜しくもポイント圏内まであと1歩の13位でレースを終えた。終わってみればレースに出走した24台のうち、完走は10台というサバイバルレースとなった第12戦。ジル・ド・フェランが3位表彰台を獲得したものの、記念すべきホンダエンジンの50勝目は次戦までお預けとなった。
次回、第13戦が開催されるミド‐オハイオは、ホンダエンジンが過去3勝を挙げている相性の良いサーキットである。ホンダ勢の活躍に期待したい。

ド・フェランが3位を獲得した
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G.ド・フェラン(3位)
今回のレースウィークはあまり出だしが良くなかっただけに、今日の結果は上々と言えると思う。マシンのバランスも少しづつ良くなっていき、今朝のウォームアップでは夕べ打ち合わせた内容のセットアップを試したんだ。そしたらそれがうまくいって決勝では良い結果を残すことが出来た。とても嬉しいよ。
中野 信治(13位)
決勝用のマシンのバランスは決して悪くは無かったですね。再スタートでタイヤが温まっていない状態では、とてもナーバスなハンドリングも周回を重ねるたびに良くなっていきました。トップ10も狙える位置にいただけにギアボックスのトラブルは残念。ぜひ次回のミド‐オハイオでこの雪辱を晴らしたいと思います。
朝香充弘HPD副社長
3人がリタイアに終ったのは残念ですが、ジル(ド・フェラン)がとても力強い走りを見せてくれました。次からはうちのドライバー達が得意とするロードコースが続きます。エンジンもとてもパワーアップしてますので、ぜひ期待してください。
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