P.トレイシーがコースレコードを記録してポールポジション
D.フランキッティが500マイルレースで初の3位表彰台獲得

3位となったダリオ・フランキッティ
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2000 FedExチャンピオンシップ11戦は、ミシガン州ブルックリンのスーパースピードウェイ、ミシガン・スピードウェイにて開催された。
予選7月22日(土)
予選は各マシンが1台ずつタイムアタックに挑むシングルカークオリファイ形式で行われ、ポール・トレイシーが96年にJ.バッサーがホンダエンジンで記録したコースレコードを破る30.039秒のタイムを記録、トレイシーにとっては97年のミルウォーキー以来、ホンダで初めてのポールポジション獲得となった。以下ダリオ・フランキッティが30.878秒で4位、ジル・ド・フェランが30.904秒で5位、エリオ・カストロ・ネベスが31.201秒で13位、そして中野信治は31.885秒で19位からのスタートとなった。

大勢の観客の中、レースがスタートした
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決勝7月23日(日)
快晴となった決勝は午後1時50分にグリーンフラッグ。5万5千人の観衆に見守られながら、今シーズン初めての500マイルレースがスタートした。オープニングラップから激しく順位が入れ替わる展開となった序盤、エリオ・カストロ・ネベスが22周目にトップに浮上。その後A.アンドレッティ、J.モントーヤ、K.ブラックらとサイド・バイ・サイドのバトルを周回ごとに繰り広げ、一瞬たりとも目が離せない状況が続く。
レースも中盤に入りかけた98周目、K.ブラックがバックストレートでC.フィッティパルディと接触し、激しくコンクリートウォールにクラッシュするアクシデントが発生。ここでジル・ド・フェランは飛び散った破片を指に当ててしまい、骨折してしまうがレースを続行。だがその後138周目にM.ジョルダインJRと接触してしまい、サスペンションにダメージを負って140周目にリタイヤとなってしまう。
終盤に近づきエリオ・カストロ・ネベスはまたもトップ争いを展開、背後には一時ポジションを落としたポール・トレイシーも2位まで挽回して、ホンダエンジンのワン・ツー体制が形成された。その後、エリオ・カストロ・ネベスは2位以下に9秒以上ものラップリードを奪う圧倒的な速さを見せ、このまま独走かと思われた。ところが222周目のイエローコーションでピットに入り、タイヤ交換をしたのが裏目に出、若干のアンダーステア傾向に陥ってしまう。これでトップグループのペースで走ることが難しくなってしまったカストロ・ネベスは5番手でゴール、チャンピオンシップポイント11点を獲得した。

ポールポジションを獲得したトレイシー
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また、210周目までトップグループをキープしていたポール・トレイシーも、カストロ・ネベスの翌周にピットイン。だがカストロ・ネベス同様ペースを上げることが出来ず、結局7位に入賞して7ポイントを獲得。総合ポイントでランキング3位にアップした。
一方、背後からレースの様子を伺い、チャンスをじっくりと待ち続けていたダリオ・フランキッティは、レース終盤の232周目、2位までポジションアップしたものの、最後は3位でゴール。フランキッティにとって500マイルレースにおける最高の順位を獲得した。
今回が初めての500マイルレースとなる中野信治は予選19番手からスタートし、着実に周回を重ねていくが、104周目に駆動系のトラブルが発生し残念ながらリタイヤに終わった。
次回第12戦は2回目の開催を迎える、ターゲット・グランプリ。舞台となるシカゴ・モータースピードウェイは、昨年ホンダが優勝しているサーキットであり、50勝目達成に期待したい。

3位表彰台のフランキッティ
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D.フランキッティ(3位)
今日はとてもエキサイティングなレースだったよ。特に残り10周ぐらいからは本当に興奮したね。残念ながらファンとマイケルに追いつくことはできなかったけど、楽しいレースをすることができてよかった。それにしても今日のレースは本当に激しかったね。
中野 信治(リタイヤ)
レースをスタートしたときはマシンのセッティングが合ってないようで、ピットストップした時にダウンフォースをもっと得られるようにセッティングを変えました。これでかなり良くなり、さあこれからという時にリアアクスルが壊れてしまったのは残念です。もっとスーパースピードウェイを走り込んでみたかったですね。
朝香充弘HPD副社長
あれほどまでに好調だったホンダチームが勝てなかったのは大変残念ですが、予選で見せた大幅にパワーアップしたエンジンを、後半の武器として十分に戦っていける自信があります。これからどんどん盛り返していきたいと思っています。
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