ホンダターボV8勢、不運のトラブルに見舞われ50勝目ならず
ダリオ・フランキッティの13位が最高位となる

ホンダ勢最高位となった13位のフランキッティ
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CART FedExチャンピオンシップ第9戦は、アメリカ五大湖のひとつエリー湖畔に面したクリーブランドのローカル飛行場、“バーク・レイクフロント・エアポート”の滑走路を使用した仮設ロードコースで、行なわれた。
予選7月1日(土)
好天に恵まれた公式予選2日目、ジル・ド・フェランが最終予選終了2分前に57秒524のタイムをマークして予選2位、今季4度目のフロントローを確保。以下ダリオ・フランキッティが57秒677で8位、エリオ・カストロ・ネベスが57.772秒で10位。ポール・トレイシーは最終予選セッションでプライマリーカーにトラブルが発生。Tカーに乗り換えたためにそれまでのタイムが無効となり、残り少ない時間で58.534秒をマークして17位。中野信治は58秒975で21位に終る。
決勝7月2日(日)
快晴となったクリーブランドで、午後1時6分、グリーンフラッグが振られて100周のレースがスタート。ところがスタート直後のターン1でB.ハータのマシンがC.ダ・マッタのマシンに接触。これが引き金となり合計10台を巻き込むアクシデントでレースはいきなりフルコースコーションとなる。
このアクシデントで後続から衝突されたエリオ・カストロ・ネベスがリタイア。中野信治も巻き添えとなってマシンにダメージを負い、ピットインして修復後コースに復帰するが2周遅れになってしまう。また予選8番手からスタートしたダリオ・フランキッティも13位まで下がり、ホンダ勢にとってはスタートから波乱のレースとなった。
6周目、グリーンフラッグでレース再開。ジル・ド・フェランがM.グージェルミンをパスして2位に上がり、トップのR.モレノに1秒前後と迫る。しかしスタート時から抱えていたブレーキの不調が周回を重ねるごとに悪化し、54周目にM.アンドレッティに2位の座を明け渡すと、その後は徐々に後退。それでも懸命にポイントを獲得すべく走行を続けたジル・ド・フェランだったが、87周目にM.グージェルミンと接触。マシンを修復すべくピットインしたが成す術無く戦線離脱、14位のフィニッシュとなった。
一方、予選17番手からスタートしたポール・トレイシーはスタート時の混乱を巧みに切りぬけ、ターン2で一気に5位までジャンプアップ。しかし41周目にトランスミッショントラブルのため突然ターン2でスローダウン、無念のリタイアとなる。ホンダ・ドライバーが不運なトラブルで次々と戦線を離れて行く中、スタート時の混乱から徐々にポジションを上げてきたダリオ・フランキッティは59周目に5位へとポジションアップ。82周目にターン5でM.アンドレッティのインを突いて見事パス、3位に上がる。
ホンダ50勝目を念頭にライバルを追うダリオ・フランキッティだったが、91周目にチームメイトのポール・トレイシー同様トランスミッション・トラブルが発生。94周目、チェッカーまで残り6周のところで痛恨のリタイア、13位でレースを終えた。スタート時のアクシデントに巻き込まれ、遅れをとった中野信治は周回遅れを取り戻すべく、トップグループと遜色の無いタイムで辛抱強く周回を重ねたが、82周目にやはりトランスミッショントラブルでストップ、15位でレースを終えた。
次々と襲い掛かる不運なトラブルに見舞われたホンダV8エンジン勢にとっては不本意な結果となった第9戦だったが、次回7月16日にトロントのストリートコースで開催される第10戦は98、99年と連勝を収めている相性の良いサーキット。今回の雪辱を晴らし、ホンダV8エンジンの記念すべき50勝目達成を期待したい。
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レースに復帰し、15位でフィニッシュした中野
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予選2位のド・フェランは14位でフィニッシュ
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D.フランキッティ(13位)
スタート後の混乱には参ったよ。後ろから追突されてどうしようもなかった。それでもチームの2ストップ作戦がうまくいき、終盤はトップグループでレースが出来た。表彰台を目指すことも十分可能だっただけに、トランスミッションのトラブルは実に残念だ。この試練を乗り越え、今後同じ問題が起きないようにしたいね。
中野 信治(15位)
最初のスタートで後ろから誰かが衝突し、オフィシャルが来て再スタートするまでにかなりの時間を使ってしまいました。パンクしていたタイヤでなんとかピットに戻ったんですけど、すでに2周遅れになったのは辛かったですね。昨日の夜の変更でマシンも良くなり、レースの途中はトップグループと同じぐらいのペースで走れました。ホント残念です。
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