ジル・ド・フェランが優勝を飾り、今シーズン初の2勝目ドライバーに
ホンダターボV8、2連勝でマニュファクチャラーズランキングトップ!

3回のピットストップ作戦が成功したジル・ド・フェラン
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CART FedEx チャンピオンシップ第8戦は、“ローズフェスティバル”真っ盛りのオレゴン州ポートランドの“ポートランド・インターナショナルレースウェイ”で開催された。
予選6月17日(土)
天候に恵まれた公式予選2日目、エリオ・カストロ・ネベスが最終予選終了5分前に57秒738のコースレコードを叩き出し、今季初、自己通算2度目のポールポジションを確保。これはホンダエンジンにとって今シーズン3度目、通算43回目のポールポジション。予選2位はチームメイトのジル・ド・フェランで57秒820。以下、ダリオ・フランキッティが58秒059で4位、ポール・トレイシーが59秒472で17位、中野信治は60秒014で21位という結果になった。

ポートランドは今年初の常設ロードコース
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決勝6月18日(日)
快晴となったポートランドで、午後2時10分にグリーンフラッグが振られ112周のレースがスタート。ポールポジションのエリオ・カストロ・ネベスがホールショットを決めトップでターン1に突入。その直後、4番手のダリオ・フランキッティがK.ブレックに追突される格好でスピン、大きく順位を落としてしまう。これでレースは1周目からフルコースコーションとなる。
4周目、グリーンフラッグでレース再開。エリオ・カストロ・ネベスが再スタートをうまく決めてトップを維持、そのまま2位以下を引き離しにかかる。
エリオ・カストロ・ネベスは36周目のピットインをはさみ、レース中盤近くまでは2位のジル・ド・フェランに4秒以上の差を付け快調にレースをリード。しかし後半に入り徐々にその差は詰まっていき、60周目には1位と2位の差は1秒以下まで接近する。そして71周目、2度目のピットストップを9.3秒と素早く終えたジル・ド・フェランが75周目にトップへと踊り出た。
その後89周目にも9.6秒のピットストップで3ストップ作戦を敢行。一方、2ストップ作戦を狙ったエリオ・カストロ・ネベスは期待していたイエローコーションにならず、途中で断念し3度目のピットストップを行ったが万事休す。4位で戦列に復帰したエリオ・カストロ・ネベスだったが、チェッカーを目前にガス欠、7位フィニッシュとなった。

ピットストップも無難にこなす中野
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2ストップで背後に迫るR.モレノの追撃を冷静に抑えたジル・ド・フェランは、残り2周の裏ストレートで周回遅れをうまくかわし、R.モレノとの差を広げ最終ラップへ。最後は2位に2秒625の差をつけて見事優勝、今季2勝目を挙げた最初のドライバーとなった。
これでホンダエンジンは、ここポートランド戦では3連勝。また、前回の第7戦に続く2連勝で今季4勝目となり、マニュファクチャラーズポイントでもトップに浮上した。
予選で4番手を確保しながらも、スタート直後のアクシデントに巻き込まれ、最下位からの再スタートを余儀なくされたダリオ・フランキッティは、それでもレースを諦めず健闘、最終的に9位に入賞し、チャンピオンシップポイント4ポイントを獲得した。
一方、予選21番手からスタートした中野信治は、スタートの混乱をうまく抜け、徐々にポジションアップ。最終的に11位入賞し、開幕戦以来のチャンピオンシップポイントを獲得。加えて予選順位から最もポジションを上げたドライバーに贈られる“バドワイザー・ハードチャージャーアワード”の栄誉も受賞した。
また予選17位からのスタートとなったポール・トレイシーは、71周目を走行中に左リアのサスペンションが破損、ピットインで修復を試みたが断念。そのまま戦線離脱を余儀なくされ、18位でレースを終えた。
次戦は7月1日にオハイオ州クリーブランドの“バーク・レイクフロントエアポート”の仮設ロードコースで開催される、第9戦“Marconi
Grand Prix of Cleveland”。昨年、ホンダエンジンがポールtoウィンを決めたコースだけに、記念すべきホンダエンジン50勝目が多いに期待できる。

ポートランド2連勝したド・フェラン
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G.ド・フェラン(優勝)
ピットストップを重ねるごとにマシンの調子はよくなり、思い切ってマシンをドライブすることが出来た。後半はロジャー(R.ペンスキー)から全開で行くようにと無線で指示が入り、そのままチェッカーを目指したよ。今回の優勝は、チームがシーズンオフから着々と準備を重ねてきた結果得られた勝利だね。ペンスキーの2連勝が達成できてほんとうにうれしい。
中野 信治(11位)
昨日の予選で問題だったタイヤの内圧がレース時も低くなっていて、最初はあまり思ったように走ることができませんでした。3セット目のタイヤでやっと思ったとおりのハンドリングになり、最後は他のドライバーとまったく同じペースで走れましたね。F1でもこれだけ長いレースはなかったので、いい経験になりました。
朝香充弘HPD副社長
ジル(ド・フェラン)の今回の優勝と、エリオ(カストロ・ネベス)のポールポジションも含めて、チームペンスキーが予定どおりトップクラスの実力を発揮してくれるようになりました。今回のレースで、うちの車はスピードもよく出ていたし、燃費が一番良かったのも解ってもらえたと思います。中野も本来の調子を取り戻しつつあるので、次も期待できそうです。
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