エリオ・カストロ・ネベスがうれしい初優勝獲得
ホンダV8ターボ、ストリートコースで16連勝を達成

チームペンスキーにとって101勝目の優勝となった
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第3戦のロングビーチに続き、第7戦は今年2度目となるストリートコースでのレース。舞台となるのはミシガン州デトロイトのダウンタウン近郊、ベル・アイル・パークで、公園内に仮設されたコースは約3.76km。レースは84周、約316kmに渡って行われる。
予選6月17日(土)
金曜日と土曜日の2回にわたって行われた予選で、昨年のデトロイトの覇者、ダリオ・フランキッティが73秒056のトップタイムをマークするも、その直後J.モントーヤがまったくの同タイムで並び、結局両者の2番目のタイムでわずかに上回ったモントーヤがポールポジション。フランキッティは2位となった。グリッド2列目、3位と4位はペンスキーのエリオ・カストロ・ネベスとジル・ド・フェランが並び、ホンダ勢が2、3、4位と上位に進出。現在ポイントリーダーのポール・トレイシーと、今回がCARTにおける初めてのストリートコースとなる中野信治はマシンのセットアップに悩み、19位と22位のグリッドを得る。

4位でフィニッシュしたフランキッティ
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決勝6月18日(日)
朝から降っていた雨も上がり、昼前には路面も完全にドライとなったベル・アイル・パーク。厚い雲が覆う中、午後1時10分にグリーンフラッグが振られ、84周のレースがスタートした。スタートダッシュで予選2位のダリオ・フランキッティが猛然とトップのJ.モントーヤにチャージをかける。以下3位にエリオ・カストロ・ネベス、4位ジル・ド・フェランと続き、ホンダV8ターボエンジン勢は、序盤で2位から4位を占める。
25周前後からグリーン状態で各マシンが次々とピットインする中、素早いピットワークを見せたエリオ・カストロ・ネベスがダリオ・フランキッティの前でコースに復帰。その後レースも中盤に差し掛かろうとしていた32周目のターン8で、A.フェルナンデスが単独スピンし、マシンをコース上にストール。ここでこの日最初のフルコース・コーションとなる。
35周目でグリーンフラッグとなったものの、3位を走行していたダリオ・フランキッティにブレーキダクトのトラブルが発生して後退。フランキッティは我慢の走行を続けていたが、57周目にピットインして修復。
その後各マシンも2度目のピットが終り、トップのJ.モントーヤと約2秒程の間隔でカストロ・ネベスが追う。しかし61周目、レースをリードしていたモントーヤが突如CVジョイントのトラブルでピットインし、そのまま戦線から離脱。2番手に付けていたエリオ・カストロ・ネベスが難なくトップに立った。
リーダーとなったエリオ・カストロ・ネベスは、後半大きなトラブルに見まわれることも無く、快調にトップをキープ。2位パピスの追撃をものともせず、最終的にその差を4.767秒とし、独走でチェッカーを受けて優勝。今年からホンダエンジンユーザーとなったエリオ・カストロ・ネベスはCARTシリーズ参戦3年目にして悲願の初勝利を獲得した。
また、トラブルを抱えながらも最後までレースを諦めなかったフランキッティは4位入賞。61周目にスピンしたC.フィッティパルディと接触し、大幅に順位を落としたド・フェランもその後しぶとく走り、9位でチェッカーを受けてポイントを獲得した。

初の市街地でのレースとなった中野
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中野信治は前半の28周目にコース上でスピン、ウイングにダメージを負いピットインを余儀なくされ、5周遅れの21位となってしまう。しかしその後も戦線を離れることなくレースを続行、最終的に15位までポジションを上げてレースを完走した。
予選19位からスタートしたポール・トレイシーは、一時6位までポジションを上げたが、58周目のピットインの際、隣のピットから出ようとしたジル・ド・フェランのマシンとニアミス。ピットにうまく入ることができず、マシンの右フロントがクルーと接触。幸いクルーは軽傷で済んだが、トレイシーはこれがもとで失格となってしまい、20位でレースを終えたが依然ポイントリーダーの座を守っている。
デトロイト3連勝を達成したホンダは、ストリートコースで1998年から16連勝をマーク。今シーズンの7戦中、3勝目を獲得した。
次戦は1週間後、6月25日にオレゴン州ポートランドの“ポートランド・インターナショナル・レースウェイ”で開催される第8戦“Budweiser/G.I.Joe
200”。今までの7戦で毎回ウイナーが変わる激戦となっている今シーズン、初のロードコースとなる第8戦で、また新しいウイナーが登場するかもしれない。

初優勝となったカストロ・ネベス
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H.カストロ・ネベス(優勝)
チームはほんとうに素晴らしい車を用意してくれたし、ホンダエンジンも最高だった。ほとんど完璧なレースだったが、あえていうとすれば、序盤から燃費をセーブするために押さえて走らなければならなかったことぐらいかな。2回目のピットの後にスパートをかけるつもりでいたんだけど、結局、目の前には誰もいなくなったというわけさ。今日は、僕の夢がやっとかなった日だよ。ほんとうに素晴らしい気分だ。
中野 信治(15位)
今日は決して楽なレースではなかったですね。この週末マシンがずうっとナーバスで、原因がつかめないままレースになってしまったというかんじです。僕にとって今回がCARTで初めてのストリートコースであり、多くのことを学ぶことができました。次はマシンの調子を早く取り戻し、初めてのロードコースとなるポートランドに備えたいと思います。
朝香充弘HPD副社長
エリオは初日からずうっと調子が良かったので、いけるな、と思っていました。この前のジルの優勝といい、今年からわれわれと一緒になったペンスキーが2台とも優勝してくれたのは本当にうれしいですね。また、ダリオも調子を上げてきたので、今後に期待できます。これからロードコースやストリートコースが続くので、この勢いを維持していきたいですね。
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