D.フランキッティ、17番グリッドから2位、今シーズン初表彰台を獲得!
復帰戦となった中野信治は好バトルを展開するも14位に終わる

今シーズン初の表彰台となったフランキッティ
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今年で3回目を迎えたツインリンクもてぎでの開催だが、昨年まで第2戦として行われていたのが今年は第5戦となり、5月に開催されることになった。プラクティスの木曜日、予選の金曜日は気温も20度を超え、まずまずのコンディションに。しかし決勝が予定されていた土曜日は残念ながら雨に見舞われ、翌14日日曜日に順延されて行われた。
金曜日の予選には1万5000人もの観客がツインリンクもてぎに集結。気温22度、ややホームストレートに逆風が吹いていたが、まずまずのコンディションのなか始まった。
ホンダ勢の1番目としてポール・トレイシーがコースイン。しかし今一つスピードが伸びず、26秒982。そして注目の中野信治。スムーズな走りで26秒732をマーク。その時点でトップに立った。続くダリオ・フランキッティは26秒910、エリオ・カストロ・ネベスも26秒832で中野信治に届かなかった。ホンダ勢の最後としてジル・ド・フェランがタイムアタック。26秒512と中野信治を上回ったが、トップタイムには届かず、結局、5番グリッドを獲得した。この他のホンダ勢は、中野信治11位、エリオ・カストロ・ネベス14位、ダリオ・フランキッティ17位、ポール・トレイシー20位となった。

3年目となったツインリンクもてぎでの開催
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順延された日曜日は薄日もさし込み、気温22.8度とまずまずの天気となった。5万2000人の観客が見守る中、午前11時39分、グリーンフラッグが振られ、201周の決勝がスタート。ところがトップが2周目に入ったとき、ターン4でO.セルビアがクラッシュ。今日、1回目のフルコースコーションとなる。
5位スタートのジル・ド・フェランはトランスミッションに不具合が発生し、思うようにペースが上がらない。
33周目、コース上に落下物が発見されて2回目のフルコースコーション。ここで上位陣は1回目のピットストップだ。中野信治はピットアウトにやや手間取り18位まで後退。予選20位と出遅れていたポール・トレイシーは15位まで順位を上げることに成功する。
39周目に再スタート。このあたりからポール・トレイシー、ダリオ・フランキッティのペースが上がり、75周目にはポール・トレイシー12位、ダリオ・フランキッティ14位となる。
80周目、他のマシンがターン4でウォールにヒットし、3回目のフルコースコーション。2回目のピットストップのタイミングと重なり、全車、ピットになだれ込む。ポール・トレイシーとダリオ・フランキッティは素早いピット作業で10位、11位でコースに復帰。さらにダリオ・フランキッティは86周目の再スタートで好ダッシュを決め、前をいくポール・トレイシー、9位を走っていたジル・ド・フェランをかわし、8位までポジションアップだ。中野信治は、燃料を満タンにしたときのハンドリングが今一つ良くなく、17位ながら周回遅れになっている。

クールグリーンは連続表彰台
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127周目、コースはグリーン状態だったもののジル・ド・フェランが上位陣では最初に3回目のピットストップ。この後、他のマシンも続々とピットに入り、順位が落ち着いた136周目には、ダリオ・フランキッティは4位まで順位を上げる。この他のホンダ勢は、ポール・トレイシー8位、ジル・ド・フェラン11位、エリオ・カストロ・ネベス15位、中野信治16位となっている。
ダリオ・フランキッティはこの後も追撃の手を緩めず、139周目には3位を走っていたR.モレノをパスし、ついに表彰台圏内を確保する。
170周目、ジル・ド・フェランが4回目のピットストップ。この後、他の上位陣も最後のピットストップかと思われた172周、ターン2でスピンするマシンが出て4回目のフルコースコーション。ジル・ド・フェランはツキがなく、周回遅れになってしまう。
最後のピットストップを終えた上位陣は179周目に再スタート。ダリオ・フランキッティは素晴らしいダッシュを見せ、2位に上がり、トップを行くM.アンドレッティに迫るが、192周目に5回目のフルコースコーション。レースは残り4周のスプリントレースとなり、観衆が総立ちになって見守る中、198周目に最後のグリーンフラッグ。ダリオ・フランキッティは一瞬出遅れるも2位を堅持、今シーズン初めての表彰台を獲得し、チームとホンダに今シーズン4連続の表彰台をもたらした。
この他のホンダ勢は、ポール・トレイシー6位、ジル・ド・フェラン9位、エリオ・カストロ・ネベス13位、復帰戦となった日本期待の中野信治は14位でレースを終えた。
次戦は5月27日、順延された第2戦がペンシルバニア州ナザレスの1マイルオーバル、ナザレス・スピードウェイで決勝のみが行われる。エリオ・カストロ・ネベス、ポール・トレイシー、ジル・ド・フェランが予選で3、4、5位につけているだけに注目したい。
D.フランキッティ(2位)
予選では苦戦したけれど、レースカーの調子がいいことはわかっていた。今日は特にニュータイヤのときや再スタートで抜群だった。今日のホンダエンジンは本当に素晴らしかった。レース中ずっと見事なパワーを発揮してくれた。ホンダの地元である日本で優勝できなかったのは残念だけど、今年初めての表彰台に上がれたのはうれしいね。この勢いを維持してこれからのシーズンを戦っていこうと思う。

怪我から復帰した中野信治
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中野 信治(14位)
フルタンク状態でのセッティングを試す時間がなく、ほとんどぶっつけ本番だったこともあって、ターン1〜2ではオーバーステア、ターン3〜4ではアンダーステアという苦しい状態でした。また後半、自分のミスで走行ラインを外してしまって、タイヤのグリップを取り戻すのに時間がかかり、遅れてしまいました。久しぶりのレースでしたが、体は問題なかったし、感覚も完全に戻ったので、これからはガンガンいけると思います
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朝香充弘HPD副社長
研究所の人たちが一生懸命作ってくれたエンジンで、2位表彰台を獲得してくれたダリオ・フランキッティにありがとうと言いたい。エンジンのパフォーマンスに不足はなく、5台全部が完走してくれました。500kmのような長いレースでは、これが大切なことだと思っています。目標はあくまでマニファクチャラーズ・チャンピオンなので、この後のレースもがんばっていきたいと思います。
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