ホンダターボV8、今シーズンの初優勝を1、2フィニッシュで獲得!
ポール・トレイシーが予選17位から追い上げて見事に優勝

優勝したポール・トレイシー
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CART FedExチャンピオンシップシリーズ第3戦は、雪で中止になったナザレスから一転、初夏の陽気を漂わせる西海岸のカリフォルニア州ロングビーチで開催された。今年最初のストリートコースでの予選を制したのは、ジル・ド・フェラン。
土曜日の予選最終日、ジル・ド・フェランはセッション終了のわずか3分前に1分7秒494のタイムを叩き出し、開幕戦のホームステッド以来今季2度目のポールポジション獲得となった。これでホンダターボV8勢のポールポジション獲得は通算で42回目である。
以下ホンダターボV8勢はケガで休場中の中野信治の代役としてエントリーしているブライアン・ハータが1分8秒012で5位、ジル・ド・フェランのチームメイトのエリオ・カストロ・ネベスが1分8秒416で9位。Team
KOOL Greenは、シャシーセッティングに苦しんだポール・トレイシーが1分8秒839で17位。予選走行中のアクシデントのため、思うようにタイムアタックを出来なかったダリオ・フランキッティが1分9秒009で19位に留まった。
快晴に恵まれた日曜日の決勝、“ジェントルマン、スタート・ユア・エンジンズ”を合図に各マシン、いっせいにエンジン始動。3周のウォームアップ走行の後、グリーンフラッグが降られ、82周の決勝レースがスタートした。ポールポジションのジル・ド・フェランがホールショットを決め、第1ターンにトップで飛び込むと、快調にリードを広げる。
10周目にC.ダマッタとA.フェルナンデスがスピン、コース上にストールしたため、この日最初のフルコースコーションが出される。予選17位からスタートしたポール・トレイシーは、このチャンスを逃さず、すかさずピットインを行い、迅速なピット作業を経てコースへ復帰。その際、ピットレーンでM.アンドレッティと接触するが大事にはいたらずレースを続行。

毎年多くの観客で賑わうロングビーチ
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14位までポジションを上げたダリオ・フランキッティが23周目、ターン4でM.ジョルダインJr.と接触。右前輪にダメージを追ったためにピットインしたが、そのまま戦線離脱を余儀なくされてしまう。
レースも中盤を迎えようとしていた31周目、スタートからトップをキープしていたジル・ド・フェランがピットストップを行い、18位でコースへ復帰。その後各マシンが続々とピットストップを行う中、最初のフルコースコーション中にピット作業を済ませていたポール・トレイシーは徐々に順位を上げ、35周目には2位までポジションを上げてきた。
53周目、T.カナーンとK.ブラックが接触、4度目のフルコースコーションが出される。ここで上位陣はピットへ。58周目にグリーンフラッグが出され、レースが再開した時点での順位は、1位黒澤琢弥、2位R.モレノ、そして3位ポール・トレイシーと続く。
翌59周目、ポール・トレイシーはターン5でR.モレノをパス。61周目にはフロントストレートで黒澤を捕らえ、ターン1の進入でパスし、ついにトップへと踊り出る。また3位までポジションを上げてきたエリオ・カストロ・ネベスもターン9で黒澤をパスし2位へ浮上、これでホンダV8勢はワン・ツー体制となった。
レース終盤、3位のJ.バッサーが2位のエリオ・カストロ・ネベスに猛チャージをかけるが、エリオ・カストロ・ネベスはこれをうまく交わし2位をキープ。結局ポール・トレイシーが、トップの座を守り抜き、ホンダV8エンジンに今季初優勝、通算46勝目をプレゼントした。
ポールポジションからスタートしたジル・ド・フェランは69周目の再スタート時に最終コーナーでスピン、9位に順位を落としてしまう。しかしその後7位まで順位を上げ、そのままフィニッシュ。スタートから30周をトップで走行したことで、最多リードラップを獲得した。また予選5位からスタートしたブライアン・ハータは、46周目、6位を走行中にターン6でオーバーラン、一時12位まで後退したが、最終的に5位でフィニッシュ。今回リタイアに終ったダリオ・フランキッティは23位となった。
次回、第4戦は4月30日、舞台を南半球へ移し、ブラジル、リオデジャネイロの“エマーソン・フィッティパルディ・スピードウェイ”の台形オーバルコースで開催される。
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第3戦はホンダのワンツーフィニッシュで終えた
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2位となったエリオ・カストロ・ネベス
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P.トレイシー(優勝)
今回の勝利はとても大きな意味を持つ。新しいシャシーとなってから、チームはセッティングに苦しみ、なかなか思うような結果が出せなかった。チームメイトのダリオ(フランキッティ)も同様、予選でも色々なセットアップを試したがダメで、レースはとにかく完走してポイントを取ることを目標にした。しかしチームは最後まで諦めず、最大限の努力をした結果、こうして優勝することができたよ。偉大なるチームワークの勝利だね。
朝香充弘HPD副社長
今シーズンの初優勝を、しかもワンツーで獲得できて、とてもうれしいですね。今回は燃費の良さを生かした作戦を立てたんですが、ピットインのタイミングも含めて2台ともうまくいきました。特にペンスキーのエリオ(カストロ・ネベス)は最後ずうっとリーンで走ってましたが、しっかり後ろを押さえてゴールしてくれました。この勢いを持続して、これからも戦っていきたいと思います。
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