1日目、2日目共にランプキン圧勝!ワールドチャンピオンに輝く!!
コロメ両日共に2位、藤波は2日目で3位に

好天の中、汗をにじませスタートして行くランプキン
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タイトル獲得速報
第1日目
毎年趣向をこらした会場が選ばれるフランス大会。今回の会場は、アルプス山脈から近く、景観も素晴らしい。美しい村に用意された、美しい世界選手権会場だった。村の中央に流れている川に沿って全セクションが設定されたが、ひとつひとつが長いロックセクションでクリーンを出すのはとても難しい。散在する岩の表面は、ツルツルとグリップが悪く、難度が高い。かといって危険度は高くなく、見栄えもあり好感の持てるセクションだ。
難しいセクションにライダー達は1ラップ目から多くの減点をとっていた。しかし今回もランプキン(モンテッサ−ホンダ)は圧倒的なテクニックと集中力を発揮していた。ランプキンは1ラップ目をたったの11点で消化。それに続くのは20点のコロメ(モンテッサ−ホンダ)だ。そして最年長ライダーのビルバオ(モンテッサ−ホンダ)が22点で3番手に。そして4番手にはアダム・ラガ(ガスガス)と日本の田中太一(ベータ)が27点で並んでいた。ジュニアカップで活躍する若手のふたりが、そろってこのポジションにいるのは驚異的なことだ。
日本期待の藤波貴久は30点で7番手。前戦の日本大会で2日間共2位になった勢いをフランスには持込めなかった。不甲斐ない走りと不本意な採点もあり精神的に乱れてしまう。
続く2ラップ目。ランプキンは他者に大差をつける18点で終了、合計29点でゴールした。圧倒的な強さだ。そして2ラップ目を23点で回ったコロメが合計43点で2位。若手のラガは、2ラップ目を22点でまとめて第3位。初めての表彰台獲得だ。藤波は2ラップ目も思うように点数を詰められず、今季最悪のポジションである8位となった。
日本勢は黒山健一(ベータ)が7位。1ラップ目で4番手にいた田中太一は、2ラップ目にポジションを落とすが、しかし11位となってポイントを獲得している。
第2日目
今シーズンの世界選手権は、イタリアとアンドラの2戦を残している。しかし、ランプキンは早々と自身4回目のワールドチャンピオン、そしてモンテッサHRCに移籍後初のワールドタイトルを決定した。昨年、圧勝を続けたシーズンでも、ランプキンのチャンピオン決定は最終戦の土曜日だったことを考えると、今年のランプキンがいかに他を圧倒していたかがわかる。

チャンピオンを決めたランプキン(中)と藤波(左)
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ランプキンのタイトル決定は、ランプキンに挑むべき最大のライバル、藤波貴久の不調によって決定的となったともといえる。土曜日、8位となった藤波は、ランキングポイントでランプキンに75点差をつけられてしまった。そして日曜日、当然のように優勝したランプキンに対して藤波は3位。さらに5点差を追加され80点差に。これは、残る4試合で藤波が全部優勝して、さらにランプキンが4試合ともノーポイントだったとしても結果は同点。同点なら、14勝をあげたランプキンが上位につける規則により、ランプキンのタイトルが決定したわけだ。
日曜日の朝、主催者は3つのセクションを変更した。7、8、13セクションだ。どれも土曜日よりも簡単に設定しなおされたものだが、特に、トップライダーでも5点が連発となった7セクションの変更は大きかった。藤波は、土曜日にここで合わせて10点の不本意な失点を喫したのだ。
沢の中にある滑りやすい石、ここを土曜日には狭いラインで抜けなければいけなかった。オブザーバーは、ここで多くのライダーに5点を与えなければいけなかったのだが、日曜日にはそれがなかった。ライダーだけでなく、オブザーバーも判断のむずかしい採点が減って、仕事がだいぶ楽になったといえる。
どのライダーも、簡単になったセクションに攻略の可能性を見いだしていた。しかしもっとも大きな可能性をもっていたのは、やはりドギー・ランプキンだった。1ラップ目が終わったとき、ドギーの減点は8点。2位はカベスタニーとコロメの15点で、すでにランプキンのダブルスコアに近い。さらにこれに1点差でフレイシャ(ガスガス)、減点19で5位につけているのが、藤波とビルバオ(モンテッサHRC)だった。
2ラップ目、ようやく本領を発揮したのが藤波だった。その減点、わずかに4点。大幅に減点を減らしてポジションをアップしたが、ランプキンの2ラップ目の減点も、同じく4点だった。ランプキンの勝利はゆるがず。さらにコロメも6点で2ラップ目を終えたため、藤波のポジションアップは3位までということになった。コロメは、フランス大会で2日とも2位入賞だ。
ランプキンが2000年ワールドチャンピオンを決めた今、シリーズポイントの興味は2位争いとなった。2位藤波と3位コロメの点差は、いまやたったの1点だ。ワールドチャンピオンを目標とする藤波が2年連続のランキング2位を死守するのか、あるいはふたたびコロメが2位の座に返りつくのか。藤波にとっての残る2戦は、コロメを抑えながら、21世紀に向けて世界タイトルへの青写真をより具体的にしなければならない、むずかしい大会となってきた。
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2日目、3位になった藤波貴久
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難易度の高い方が得意なコロメ
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第1日目
D.ランプキン(1位)
2ラップ目に多少のミスをした程度で走りきることができた。自分にとって納得できる競技展開だと思う。入り口から出口まで集中し続けるのは難しく、セクションの出来も良かった。
藤波 貴久(8位)
今回のオブザーバーの採点には納得がいかなかった。第1セクションでほんのちょっとしたホッピングで5点とされ、最悪の状態で競技をスタート。その後の第7セクションでも同じように納得のいかない5点の判定。今日は最悪でした。
M.コロメ(2位)
セクション難易度が高く、世界選手権に出場する選手のレベルに合っていてよい設定だった。自分にとっては、ミスもなく納得の行く結果を出すことができた。
第2日目
D.ランプキン(1位)
こういうセクションはとても好きだ。たくさんの障害がセクションに用意されている。決して大きな難所がひとつ用意されているというわけじゃない。でも全体の難易度は、とても高い。こういう大会で優勝できてチャンピオンを決められたのは、とてもうれしい。
藤波 貴久(3位)
最後になって、ようやく乗れてきた。2ラップ目になってから、やっと集中できるようになってきたんだ。この2日間で、コロメに対してのアドバンテージをだいぶ失った。コロメは、ランキングポイントで僕のすぐ後ろに来ているからね。
M.コロメ(2位)
今日の走りには満足している。2ラップ目にはちょっとばかりプレッシャーを感じたけどね。というのは、藤波が自分のポジションをキープしようと、猛チャージをしているように見えたから。藤波の動向はともかく、今日の2位はハッピーだった。
タイトル獲得速報
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