ランプキン圧勝
2日目にはダブルスコア以上をマークする

王者ランプキン(中)と藤波(左)が立つ土曜日の表彰台
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第1日目
観戦料無料というチェコ大会は、4つのセクションがスタート近くに設営され、ほかのふたつのグループがそれぞれスタートから2キロと4キロ離れたところに設営されていた。
セクションは、今年一番のハードなものだった。そしてこんなハードコンディションの中、ランプキンは自分が世界一であることを、あらためて見せつけたのだった。
この日の世界選手権は、去年よくあったようなスタイルとなっていた。今年になって、少しやさしく設営されたセクションは、世界選手権としてのトライアルを少しスポイルした形になったのは否めない。今回の“オールドファッション”トライアルは、久々にトライアルらしいトライアルを見たような気がしたものだ。
さて、コロメは、スタートから非常によくなかった。しかも第一セクションで、コロメのマシンを支えようとしたマインダーがこれに失敗、負傷してしまった。
マシンとともに墜落して頭に裂傷を負ったものの、応急処置を受けた後、戦列に復帰することができたのは不幸中の幸いだった。そんなわけもあって、ランプキンに肉薄できたのは、第1ラップでは藤波とフレイシャ(ガスガス)だけといってよかった。ランプキンが15点、フレイシャが18点で、藤波は20点だった。コロメは、34点を積みあげて1ラップ目を11位で終えている。

アンラッキーが続いた今回のコロメ
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2ラップ目に入って、どのライダーも時間不足に悩まされた。というのも、みんな1ラップ目に慎重な下見を繰り返したからだ。フレイシャはセクション14に到着したとき、13を見落としてきたことに気がついた。彼は即座に戻って13セクションにトライしたのだが、その結果彼には13分のタイムオーバーという結果が残った。優勝戦線から脱落だ。
ランプキンは好調を続けている。彼の周囲にだけ、なんのトラブルもなく、スコアはさらに伸びて減点13で優勝が決まっている。藤波は2位、そして表彰台を見てみれば、黒山健一(ベータ)が3位にあがっていた。
第2日目
2日目、雨は上がった。1日目と比べるとグリップがよくなってきている。そんな中、ランプキンは1ラップ目をわずか減点5点で回り、予想どおりトップに立つ。ひと桁減点はランプキンひとり。これに続くのは、14点を叩きだしたアダム・ラガ(ガスガス)だ。前日に5位に入ったばかりのラガは、若干19歳のスペインの有望株だ。
ラガに続くのは15点の藤波貴久だが、第14セクションで、足でセクションテープを切断したと判断された5点が痛手になっている。前日に3位にはいった黒山は32点と不調である。
2ラップ目もランプキンはラップ最少減点数(8点)で消化した。合計13点でゴール。期待されたラガは、2ラップ目のイージーな第1セクションで5点をとってしまい、初の表彰台を逃がしてしまう。そこに2ラップ目を9点で消化したフレイシャが合計27点で逆転、2位になった。1ラップ目19点とやや出遅れていたコロメが同じく8点で追い上げて3位に。残念ながら1日目に表彰台に立った日本の藤波貴久は5位、黒山健一は10位に終わった。
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ランプキンが見守るなか、藤波が トライ
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ランプキンの強さには、磨きがかかった
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第1日目
D.ランプキン(1位)
とても素晴らしいコンペティションだった。セクションは完璧。ラインをちょっとでもミスしたなら、たちまち3点や5点になってしまう設定だったね。
藤波 貴久(2位)
こういうコンペティションは好きだな。5点は各ラップでひとつずつだったけど、これはもう少しで3点という5点だった。ともあれ、2位に入れてハッピーです。
M.コロメ(9位)
いい試合だった。ただし、個人的にはとてもよくなかった。マインダーがアクシデントで、その処置から帰ってくるのを待っていたので、そのタイムロスも痛かった。
第2日目
D.ランプキン(1位)
昨日に比べて今日のグリップはとても良く、精神戦だった。今回も勝てて嬉しい。
藤波 貴久(5位)
1ラップ目の14セクションの5点の判定には納得が行かなかった。オブザーバーはバイクでテープを切ったというのだが、そうではなかったのだ。それで集中力をなくしてしまった。とても悔しい結果です。
M.コロメ(3位)
今日は私の得意なスタイルのトライアルではなかった。もっとテクニカルなセクションの方が戦いやすいのだ。
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