新ホンダチーム、実力発揮で2日間共に表彰台を独占!

モンテッサ−ホンダチームが独占した第1戦の表彰台
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昨年のチャンピオン、ドギー・ランプキン(モンテッサ−ホンダ)。ランプキンは今年もやはり足をつかない。テクニック、精神力すべての要素に圧倒的強さを持っている。1日目、彼が1ラップ目におかした大きな失敗は、たったのひとつだった。モンテッサ−ホンダ移籍第1戦を迎え、あらためて我々は彼が偉大なチャンピオンであることを思い知らされたのだった。
開幕戦はコルドバの街から非常に近い丘が会場となった。パドックはメインのセクション群から5キロのところにあり、15あるすべてのセクションは、どれも互いに近いところに設営されていた。観客が競技を観戦するのにも、非常に具合がよい。
さて、晴天で日差しの強いスペイン大会第1日目。1ラップを終えたところで、ランプキンが減点11点でトップに立ち、スティーブ・コリー(ガスガス)がわずか1ポイント差でこれを追っていた。そして続くマーク・コロメ(モンテッサ−ホンダ)もやる気満々である。

移籍第1戦を制したランプキン
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今シーズン最初の競技展開は実に興味深かった。最悪だったのが藤波(モンテッサ−ホンダ)。藤波の1ラップ目の減点は21で、なんと10位の滑り出しだった。
ライダー達は1ラップ目に多くの時間を費やしてしまい、2ラップ目にはとても大急ぎでトライしていくことになった。これが藤波には吉と出た。足をつく間もないほどにセクションを走り抜けた藤波は、この日一番の好調子。なんと2ラップ目をたったの2点で終えたのだった。文句なしに、この日のベストパフォーマンスだった。これは、藤波を10位からいきなり3位まで浮上させた。トップは変わらずゼッケン1のドギー・ランプキンで、2ラップ目のスコアは3点だった。2ラップ目3位はコロメだったが、今回のコロメは自分のミスに対して取り乱しをすることなく、いつもと少しちがったふるまいだった。
3人のホンダ系ライダーに続けたのは、結局グラハム・ジャービス(シェルコ)だけだった。コリーは2ラップ目がとても悪く、1ラップ目の好調を維持できなかったのだ。
2日目も好天の中スタートがきられた。2日目もランプキンは1ラップ目から絶好調である。なんといきなり1ラップ目でオールクリーンを見せつけることになる。続くのは4点のコロメ、そして若手のマーク・フレイチャ(ガスガス)が同じく4点でランプキンを追う。
藤波貴久は1ラップ目に9点とやや出遅れている。

チャンピオンを、ねらう藤波
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2日目も藤波の1ラップ目は悪かったのだ。2ラップ目もクリーンを続けるランプキンだが、第12セクションで5点をとってしまった。しかし強い精神力で動揺せずにその後もすべてクリーンでおさめ、合計5点で競技を終了。コロメは2ラップ目に1点を加算してランプキンと同点の5点でゴール。コロメはクリーン差でランプキンに負けることになった。
藤波の2ラップ目は、1日目同様、またもやベストスコアを出すことになった。第12セクションで1回足つきをしただけの1点。この追い上げで合計10点で3位を獲得した。好調だったフレイチャは藤波と同じく10点だが、クリーン差で藤波が3位の表彰台を確保したのだ。
コリーは5位、そしてジュストリボが6位に。また若干16才のジョセップ・マンザノ(シェルコ)が初出場にして14位を獲得、初ポイントを獲得した。
2日間に渡り、新しいホンダチームが表彰台を独占するというパフォーマンスが発揮される素晴らしい開幕戦であった。
D.ランプキン(1位/1位)
ホンダに移籍して初めてのアウトドアでの国際大会。ここで二日間共に優勝できてとてもうれしい。このマシンで、こんなに乾いたところを走るのは、まだあまり経験のないことなんだ。セクションは素晴らしかった。クリーンもできると思ったら、5点をとるのも簡単という構成だったね。
M.コロメ(2位/2位)
セクションはとても簡単だった。主催者はジュニアカップのことを考えすぎたんじゃないかな。私はこういう精神戦よりも、もっと厳しいセクションが好きだ。でも、シーズンのはじめに悪くないスタートが切れてとてもハッピーだよ。
藤波 貴久(3位/3位)
二日間ともに1ラップ目はミスが多すぎた。セクションに入る前、渋滞でずいぶん待ち時間があったのが自分のリズムに合わなかったのだと思う。待っているうちに集中力が乱れたんだろう。2ラップ目はたいした渋滞もなくさっさと走ることができて、自分の走りを発揮でき、結果もよかった。
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