ロッシ3位で表彰台に立ち、ルーキーながらランキング2位
250ccチャンピオン争い加藤は3位でランキング3位

ランキング2位でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得のロッシ
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今年で12回目を迎えるオーストラリアGPは、メルボルン郊外のフィリップアイランドで開催された。東西15キロ、南北5キロの小さな島。海から吹き付ける風と天候の変わりやすさが、このサーキットの特徴だが、今年は雨と強風という悪コンディションの中で予選が開始された。
500ccクラスは、A.バロスが好調で、強風と時折り小雨がぱらつく難しいコンディションを制して暫定PPを獲得。以下、K.ロバーツ(S)、V.ロッシと続いた。2日目は、やや天候が回復。青空がのぞいたが、相変わらず小雨がぱらつくという不安定な天候だった。そんな中で、J.マックウィリアムズ(A)が、今季初PPを獲得。バロス、R.ラコーニ(Y)、K.ロバーツ(S)と続いた。初日3番手のV.ロッシは、セッティングを詰めきれず8位。A.クリビーレ9位。岡田忠之10位だが、マックウィリアムズから岡田までが約1秒差以内という接戦となった。

2位のカピロッシ(左)
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迎えた決勝は、朝方までの雨が上がり、辛うじてドライコンディション。予選5番手のL.カピロッシが好スタートでトップに踊り出て、その後方に10台前後が連なる大集団の戦いとなった。その中から、カピロッシとバロス、ロッシのホンダ勢と、M.ビアッジ(Y)がじりじりと抜け出す。終盤には、ビアッジを先頭にカピロッシとロッシが激しく追撃するという展開となったが、ビアッジ(Y)が優勝。2位にカピロッシ、3位にロッシという結果に終わった。
優勝こそ逃したが、第9戦イギリスGPから、優勝争いを演じて転倒に終わった第13戦バレンシアGPを挟んで、シーズン中盤から終盤に掛けて7回の表彰台(通算10回)に立ったロッシが、ランキング2位を獲得。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。来季の活躍の期待が膨らんだ。2位のカピロッシは、ランキング7位に浮上した。
予選9位のA.クリビーレは、大集団となったトップグループの後方につけていたが、4周目に転倒リタイヤ。その集団の中で中盤まで好走を見せていた岡田は、終盤にペースを上げられず9位。予選14位のS.ジベルノーは、リタイヤに終わった。

加藤も今季4勝でルーキー・オブ・ザ・イヤー
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タイトル争いが最終戦にもつれこんだ250ccクラスは、予選から激しい戦い。中野真矢(Y)がPPを獲得。以下、O.ジャック(Y)、加藤大治郎とタイトル獲得の可能性を残す3人が上位につけた。もうひとり、タイトルの可能性を残す宇川徹は、予選で転倒。その影響で6番手に終わった。
決勝は、予選上位3人が好スタートを切る。中野(Y)がホールショットを奪い、加藤大治郎、ジャック(Y)と続いた。そして3周目にジャックが2番手に浮上。中野(Y)とジャック(Y)の一騎打ちとなり、最終ラップに中野を交わしたジャックが優勝。タイトルを獲得した。最終戦で逆転チャンピオンに闘志を燃やしていた加藤は、その二人からはじりじりと後退したが、M.メランドリ(A)とR.ワルドマン(A)との激しい3位争いを制して今季9回目の表彰台を獲得。チャンピオン獲得は果たせなかったが、今季4勝という素晴らしい成績で、このクラスのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。ランキング3位を守った。予選6番手からスタートの宇川徹は、序盤にコースアウトして大きくタイムロスして6位と残念な結果に終わった。地元オーストラリアGPに闘志を燃やしていたA.ウエストは、予選の転倒が影響してペースを上げられず7位に終わった。
125ccクラスは、序盤から激しい戦い。レース中には小雨がぱらつく難しいコンディションとなり、転倒者が続出のサバイバルゲーム。その中で、予選5番手スタートの東雅雄が、終始、レースの主導権を握り、今季初優勝を果たした。2位に宇井陽一(D)、3位に上田昇と、日本人勢が表彰台を独占。東の優勝で、このクラスのマニファクチャラーズタイトルを獲得した。
L.カピロッシ(500cc/2位)
良いレースが出来たと思うが、最終ラップのミスが残念。ビアッジを抜く自信はあった。実際にレース中には何回も抜くことが出来たのに、最終ラップのストレートエンドの1コーナーのブレーキングで、思わずバイクを滑らせてしまった。それでそのまま2位に終わってしまったんだ。でも、今日の結果には満足している。最近はアンラッキーな結果が続いていたし、シーズンの最後を良い結果で締めくくれたのは嬉しい。チームとは来年の契約を済ませた。今シーズンは本当にチームに感謝している。

通算10回目のポディアムにロッシ
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V.ロッシ(500cc/3位)
朝のウォームアップを終えた時点で、今回は表彰台に立てるとは思ってもいなかった。それほどマシンは不安定な状態だった。それがレースになってあれだけ走れたのだから、スタッフの人たちには本当に感謝している。それでもレース中は、今シーズンずっと抱えているブレーキングの問題に相変わらず苦しむことにはなったし、トップスピードでも劣っていた。それでも、あれが最終ラップだということが判っていたら、もう少し何か仕掛けが出来たと思う。ビアッジとカピロッシの両方に勝つのは容易なことではないけど、サインボードがちゃんと見えていれば、もうすこし、何か出来たと思う。シーズンを振り返ってみれば、コンスタントにポイントを稼げなかったが、良くここまで来れたと思う。125ccから250ccに上がった最初の年もそうだったけど、500ccでいきなりランキング2位で終われたのは嬉しい。自分の目標はすべて達成出来たと思う。
岡田 忠之(500cc/9位)
レースの前半はまずまずの状態だった。右コーナーで若干チャターが出るという問題はあったが、今年のシーズンの中では、最高の手応えだった。でも、終盤は完全にグリップを失ってペースを上げることは出来なかった。今日の結果には満足していないが、気持ち良く走れたと思う。
A.クリビーレ(500cc/リタイヤ)
下りのコーナーでフロントから転んでしまった。本当に残念。こんな形でシーズンを締めくくることになったのも最悪だった。今週は良い感じで走れていたし、良い結果を残せると思っていたので、なおさらだった。レース開始時点では本当にいける感じだったし、集中も出来ていた。でも、ここで気持ちを切り替えてシーズンオフのテストに意識を集中させたい。来シーズンは万全な状態で臨んで、タイトルを奪回したい。
S.ジベルノー(500cc/リタイヤ)
スタートに失敗して、先頭集団に離されてしまった。若干は挽回できたが、今度はマシンが滑り始めた。乗っていて、他のライダーより滑り方がひどいのが判った。おまけに、レースが進んでいくうちに今度はチャターがひどくなってきて、2回くらい転びそうになった。それで、ピットに戻るしかないと判断した。良い結果を残せた筈なのに残念だった。

3位の加藤大治郎
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加藤大治郎(250cc/3位)
トップの2台について行くつもりだったが、メランドリとワルドマンと競り合っているうちに、トップの二人に離されてしまった。それからはもう追いつくことが出来なかった。タイトル争いは、シーズンの途中で大きくポイント差が開いて一度は諦めたし、今回はあまり意識はしていなかった。それよりも、どうしても勝ちたいと思っていたが、テストで出せたタイムが今回は出せなかった。納得のいく走りが出来なかったのが残念だった。
宇川 徹(250cc/6位)
今日は、何も言うことはないです。レース中にコースアウトして遅れたというのもあるけど、それがなくても、トップにはついていけなかったと思う。本当に情けないレース。すべて自分の責任。言い訳はありません。
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