ロッシ2位!今季9回目の表彰台で、ランキング2位が確定
250cc加藤がリオGPからの連勝!タイトルは最終戦に持ち越し

2位のロッシ、ルーキーとしては驚異のランキング2位
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ツインリンクもてぎで開催されることになった今季2回目のホームグランプリ。第15戦パシフィックGPは、各クラスともにホンダ勢の活躍が、サーキットに集まった6万6千人の観客を沸かせることになった。
500ccクラスは、前戦リオGPでK.ロバーツ(S)がタイトルを決めたが、これまで以上の熱い戦いが繰り広げられた。予選ではM.ビアッジ(Y)がPPを獲得。以下、ロバーツ、L.カピロッシ、A.バロスと続き、シーズン中盤から好調のルーキー、V.ロッシが予選用タイヤを使わずに5番手と好位置につける。初日13番手に沈んでいた岡田忠之が2日目は9番手に浮上。対照的に初日8番手のA.クリビーレは2日目、思うようにタイムを伸ばせず12番手に沈んだ。S.ジベルノーは14番手から11番手にアップして決勝に挑むことになった。

6位のクリビーレ
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迎えた決勝は、予選2番手のロバーツの好スタートで始まった。ロバーツは、昨年の大会でも雨のもてぎを制し、ツインリンクもてぎは得意のコース。ドライコンディションとなった今年の大会も、序盤から1分50秒台というハイペースをマークして後続を一気に突き放すことになった。その後方では、予選5番手から一周目7番手にポジションを落としていたロッシが、豪快な走りでポジションアップ。ツインリンクもてぎの観客を沸かせた。ロッシは、2周目に6番手に浮上、5周目に4番手、6周目に2番手とぐいぐいとペースを上げると、数珠繋ぎになったセカンドグループを抜け出す。そのロッシをピタリとマークしたビアッジと、し烈な2位争いを演じることになった。
戦いは中盤戦に突入。依然として1分50秒台のハイペースで逃げるロバーツ。その後方では、ロッシとビアッジのし烈な2位争いが続いていた。中盤はロッシが主導権を握る。終盤はビアッジという展開で、一進一退。そして最終ラップには、ロッシが抜き、再びビアッジが抜き返すという激しい競り合いに発展したが、再度の逆転を果たしたロッシが2位。前戦リオGPからの連勝こそ果たせなかったが、これまで表彰台に立てなかった日本のサーキットで初の表彰台を獲得。今季9回目の表彰台で、ルーキーとしては驚異のランキング2位を決めた。
予選12番手からのスタートになったクリビーレは、好スタートを切って序盤3番手につける。予選8番手の岡田忠之も2番手にジャンプアップと快走を見せたが、ともに、思うようにタイムを上げられず、苦しい走り。クリビーレは辛うじて6番手に踏みとどまるが、岡田は10番手に後退。ジベルノーも12番手と、レプソル・ホンダ勢は不完全燃焼に終わった。

250ccクラス、リオGPからの連勝の加藤
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250ccクラスは、PPスタートの加藤大治郎と、予選3番手の中野真矢(Y)の一騎打ちとなった。ホールショットを奪ったのは中野。しかし、すかさず加藤が交わしてトップに浮上する。だが、スタートからゴールまでの25周に渡って、壮絶な戦いを演じることになった。
序盤は、予選のベストタイムよりわずかに遅いペース。しかし、それでも3位以下を圧倒するハイペースで、3周目には早くも、加藤と中野のマッチレースへと発展した。そして中盤から後半に掛けては、予選タイムを更新するスーパーラップの応酬。必死に食い下がる中野(Y)。その中野を完璧なまでの走りで抑え切った加藤のバトルは、今季のベストレースのひとつに加えられるほど白熱した戦いだった。その差、0.707秒。追いついては、つき離される。突き放しても執拗に追いついてくるという手に汗を握る戦い。最後は加藤に軍配が上がった。
3位には予選2番手のM.メランドリ(A)。ポイントリーダーのO.ジャック(Y)が4位に終わったことで、優勝した加藤とジャックとの差は、23から11点差へ。加藤は、前戦リオGPで自力タイトル獲得の可能性は消え、今回の連勝でも依然として自力総合優勝の道は閉ざされたままだが、再び、チャンピオン争いに浮上。逆転チャンピオンの可能性が膨らんだ。予選4番手スタートの宇川徹は、序盤3番手につけたが、メランドリとジャックに先行を許し、悔しい5番手。A.ウエストが6位と健闘した。
125ccクラスは、R.ロカテッリ(A)がポール・トゥ・ウィンで今季5勝目を飾り、初タイトルを獲得した。チャンピオン争いを演じていた宇井陽一(D)は2位を走行していたが転倒リタイヤ。レース中盤から終盤に掛けて快走を見せた、E.アルサモラが2位と健闘した。

ポディアムのロッシ
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V.ロッシ(500cc/2位)
優勝できなくて残念だったが、日本で表彰台に初めて立つことが出来たし、今日の結果には満足している。ビアッジとのバトルはとてもエキサイティングだった。まるで優勝争いを演じているような気分だったし、それくらい激しいものだった。今日はスタートに失敗したのがすべて。集団を抜け出すのに時間が掛かったし、その間にロバーツに逃げられてしまった。でも、今日のロバーツは速かったし、スタートが良くても優勝争いに加われたかどうかはわからない。今日の2位でランキング2位が決まって嬉しい。初めてのシーズンで2位はまずまず。最終戦は勿論、優勝を狙う。ヤマハを2ポイント差で追うホンダのマニファクチャラー選手権タイトルのために頑張りたい。
A.クリビーレ(500cc/6位)
今日は自分のベストを尽くしたが、とてもトップグループについていくのは無理だった。問題はアクセレーションが良くなかったこと。毎回、加速で他のライダーに追いつこうとしたが、結果的に離されてしまった。
岡田 忠之(500cc/10位)
今回もスタートは良くて、序盤の何周かはいい感じで走れていたのだが、それからはまるでタイヤがグリップしなくてタイムを上げることが出来なかった。それはタイヤの問題ではなかったと思う。とにかく、コーナーの入り口でバイクを倒したときからまったくグリップしなくて、まるでレインタイヤで走っているようだった。予選ではいい感触を掴んでいただけに残念だった。
S.ジベルノー(500cc/12位)
スタートは良かったが、トップグループについていくのは無理だということは、その時点で感じていた。今回はバイクの状態を完全に仕上げられなかった。それでも自分のベストは尽くした。勿論、結果には満足していないが、今日はあれが精いっぱいだった。次のオーストラリアGPでは全力を尽くしたい。

加藤は2戦連続ポディアムの頂点へ
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加藤大治郎(250cc/優勝)
今日は優勝することが出来て嬉しかったが、中野選手がすごい走りをしたので最後まで苦しいレースだった。もうあれ以上、ペースを上げることは出来なかったし100%の走りだった。それにミスも出来なかったし、精神的にも厳しかった。でも、予選より速いペースのレースで勝てたし、結果にも内容にも満足している。これでジャックと中野選手との差は詰まったが、チャンピオンのことは何にも考えていない。次のオーストラリアは最終戦だし、とにかく、勝つことだけ考えて走る。転んでもいいという気持ちで全力で挑みたい。
宇川 徹(250cc/5位)
スタートは良かったが、リアの滑りが激しくて、ペースを上げることが出来なかった。もっとハードに攻めたら転んでいたかも知れない。とにかく、今日はフィニッシュすることが重要だった。
A.ウエスト(250cc/6位)
序盤にペースが上がらなかったのが残念だった。というのも終盤はすごくいい感じで走れたし、序盤のもたつきがなければ、もっとポジションも良かったと思う。
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