ロッシ今季2勝目!地元の声援を一身に集めたバロスが2位
250ccクラスも加藤大治郎、宇川徹が1、2フィニッシュ!

第9戦イギリスGP以来、5戦ぶりの優勝のロッシ
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第14戦リオGPは、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロのネルソン・ピケ・サーキットで開催された。今大会は、第15戦パシフィックGP(ツインリンクもてぎ)との2週連続のハード日程となり、土曜日が決勝日に繰り上がる変則日程となった。
シリーズも残り3戦。各クラスともにタイトル争いもいよいよ大詰めを迎え、500ccクラスはK.ロバーツ(S)がタイトルに王手、それをV.ロッシが追う展開。250ccクラスと125ccクラスもタイトル決着に向けて重要な一戦となった。
500ccクラスは、地元優勝に闘志を燃やすA.バロスが初日から熱のこもった走りを見せて暫定PPを獲得。以下、M.ビアッジ(Y)、V.ロッシ、K.ロバーツ(S)と続いた。2日目にはビアッジが逆転PPを獲得。バロス2番手、ロッシ4番手とホンダの二人がフロントローを獲得。岡田忠之も調子を上げて8番手。トップから岡田までが1秒以内という大接戦となった。
迎えた決勝は、2列目グリットの岡田が好スタートでホールショットを奪い、バロスが続くというホンダ勢のリードで始まった。ロッシは序盤7番手、予選11位のS.ジベルノーは14位、予選12番手のA.クリビーレは15番手と出遅れた。

地元の声援を集めたバロスは2位
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レースは地元の声援を一身に集めるバロスが2周目にトップに浮上して早くも観客を沸かせる。その声援を追い風に、7周目までトップを快走したが、8周目にG.マッコイ(Y)が首位に浮上。バロス2番手。3番手には、一周目7番手のロッシが猛烈な追い上げを見せ、4位の阿部典史(Y)までがトップ集団を形成することになった。
しかし、その集団の中で、一人だけ余力のある走りを見せていたロッシが、レース折り返しの13周目にマッコイを交わしてトップに立つ。そこから一気にペースを上げて後続を引き離す快走。バロスも16周目にマッコイを交わしてロッシを激しく追撃することになった。
レースは23周。後半は、逃げるロッシ。それを追うバロスという手に汗を握る展開となった。ファステストラップを刻んで、その差を詰めようとするバロス。しかし、ロッシもまたファステストラップを更新するという白熱する戦いにスタンドの興奮は最高潮に達する。最後は、ロッシがバロスを約1秒突き放して、第9戦イギリスGP以来、5戦ぶりの優勝。優勝こそ逃したが、2位のバロスにも盛大な拍手が贈られた。好スタートを切った岡田は、思うようにペースを上げられず9位に後退。序盤出遅れたジベルノーは7位まで順位を挽回、A.クリビーレは11位に終わった。
ランキング2位につけるロッシ。今季2勝目を挙げる熱走を見せたが、ロバーツが6位になったことで、今季のタイトルが決定。しかしロッシも3位のマッコイとの差を23点として、ルーキーながらランキング2位に王手を掛けた。また、今回の優勝で、初優勝を達成したイギリスGPに続き、リオGPで3クラス制覇を果たした。

250ccクラスは壮絶な戦い、加藤(右)宇川(左)
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250ccクラスは、予選2番手のO.ジャック(Y)がホールショットを奪ったが、3周目に転倒して大きく後退。PPスタートのM.メランドリ(A)、予選3番手の加藤大治郎、予選6位の宇川徹の3人による激しい戦いとなった。序盤は加藤と宇川が激しくポジションを入れ替え、中盤から後半に掛けてメランドリが加わる三つ巴の戦い。ラスト3周ではメランドリがトップに立ったが、ラストラップの1コーナーで加藤がトップに立ち、宇川も2番手に浮上。ラストラップは、この二人の壮絶な戦いとなり、宇川が一度は加藤を交わすも、加藤が逆転して今季3勝目を飾った。
ポイントリーダーで、序盤、転倒でポジションを下げたジャックは、最下位から13位までポジションを上げたが2度目の転倒でリタイヤ。ランキング2位につける中野真矢(Y)も序盤に大きくポジションを落としたことが影響して4位。チャンピオンシップで同ポイントで並んだ3位の加藤大治郎と4位の宇川徹が、チャンピオンシップで中野とジャックを猛追。タイトル争いはラスト2戦に持ち越されることになった。
125ccクラスは、S.サンナ(A)が東雅雄、M.ジャンサンティとのし烈な戦いを制して優勝。東雅雄は2戦連続の2位でランキング4位に浮上。ジャンサンティはラストラップの最終コーナーで転倒して惜しくもリタイヤとなった。ポイントリーダーのR.ロカテリ(A)はトラブルでリタイヤ。ランキング2位の宇井陽一(D)が3位になったことで、250ccクラス同様、タイトル争いは次戦へと持ち越すことになった。

ポディアムのロッシ(右)とバロス(左)
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V.ロッシ(500cc/優勝)
今日は僕が勝って、ロバーツがチャンピオンを決めるという夢を見たが、その通りの結果になった。まあ、ロバーツを除けば、そんなことはだれも望んではいなかっただろうけどね。それにしても、雨のイギリスで勝ってから、早く2勝目を挙げたいと思っていた。あれから5レース、ドライコンディションで5レース戦って来たけど、勝つことの難しさを改めて感じている。今日、勝てたのは、チームがいいバイクに仕上げてくれたこと、ショーワのサスペンション、ミシュランタイヤに感謝している。
A.バロス(500cc/2位)
今日は予想以上に早くタイヤが消耗して、ペースをセーブしようと思った。しかし、マッコイとロッシがそれを許してくれなかったし、自然とハイペースになってしまった。苦しい走りだったが、それでも100パーセントの走りをした。勝てなかったのは残念だが、ブラジルで初めて表彰台に立つことが出来たし、今日はとても嬉しい。本当にハードなレースだった。
S.ジベルノー(500cc/7位)
スタートは悪くなかったのだが、一周目にクリビーレと接触、ビアッジともあたりそうになって、大きくタイムをロスしてしまった。それからはいいペースで走れたし、かなりポジションを上げることも出来た。ラップタイムではトップグループとそれほど変わらなかったし、走りはまずまずだったと思う。すべては一周目のハプニングが結果に響いてしまった。
岡田 忠之(500cc/9位)
今年になって、かなりいい状態にバイクが仕上がったと感じていた。予選は8番手だったが、決勝に向けてのセッションに重点を置いていたし、自信はあった。スタートは良かったが、あまりにもタイミングが合いすぎて、最初はフライングを取られたかも知れないと思った。幸いにもフライングは取られなかったが、それからは、あまりペースを上げることは出来なかった。このサーキットはギャップがひどくて、決勝ではフロントのグリップに苦しんでしまった。
A.クリビーレ(500cc/11位)
スタートでジベルノーとぶつかってしまった。それでポジションを落とし、何人かはすぐに抜けたが、集団の中からなかなか抜け出せなかった。それで自分のペースを失ってしまったし、トップグループから大きく離されてしまった。それだけではなくて、今回は、バイクのセッティングを上手く決められなかったのが、大きな原因だった。

250ccワン、ツーの加藤(右)と宇川(左)
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加藤大治郎(250cc/優勝)
今日は2日間の予選とコンディションが変わって、タイヤに厳しいレースになった。しかも、宇川さんとメランドリとの激しい戦いとなって、予選とほとんど同じ54秒台のハイペースでの戦いとなった。何回もミスをしてポジションを落としたが、最終ラップの1コーナーで上手く抜くことが出来た。ラストラップの勝負どころはあそこだけだったし、勝てて嬉しい。ジャックが転んだのは知らなかったが、これでポイントが詰まった。チャンピオンになれるかどうかは分からないが、ラスト2戦、全力で走りたい。
宇川 徹(250cc/2位)
全力で走った。今回は予選からバイクの状態は良かったし、予選は6番手だが、決勝に向けて自信はあった。しかし、今回は、加藤のバイクが速かった。コーナーでは詰まるのだが、ストレートでは交わせなかった。ラストラップに勝負したが、ほんのわずか、届かなかった。でも、言い訳はしたくないし、今日は加藤に完敗だった。
A.ウエスト(250cc/5位)
予選のポジション(13位)を考えれば、今日の結果には満足している。しかし、今回はスタートも良かったし、一周目にオーバーランをしてポジションを落とさなければ、もっといい結果を残せたかも知れない。最終ラップにワルドマンを抜いたのは気分が良かった。
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