地元GPに燃えたクリビーレ、熱走のロッシ、ともにリタイヤ
250ccは宇川徹が4位、加藤大治郎5位
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スペインの大観衆を熱狂させたロッシ
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250cc、宇川徹は4位
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グランプリ2年目の開催となったバレンシアGP。今年も大観衆が詰めかけ、3日間トータルで、去年の19万人を2万人上回る、21万人の観客がサーキットに詰めかけた。連日、30度を越す暑さ。今年最後のヨーロッパラウンドとなった戦いは、3レースともに快晴の中で熱戦が繰り広げられた。
500ccクラスは、予選2番手のM.ビアッジ(Y)がホールショットを奪い、G.マッコイ(Y)、K.ロバーツ(S)、予選3番手のカピロッシ、予選5位のロッシ、C.チェカ(Y)、予選11番手のクリビーレと続いた。一周、4.005km。14のコーナーを持つテクニカルコースだけに、序盤の走りが勝敗の鍵を握る。そのために、スタート直後から手に汗を握る大混戦となった。
その中で一周目8番手につけたチャンピオン、クリビーレは、周回を重ねるごとにポジションを上げ、3周目には5番手に浮上。今季、2度のスペイン大会で優勝のないクリビーレの走りに、決勝レースに詰めかけた11万人の地元ファンは沸いたが、6周目に転倒を喫して無念のリタイヤとなった。チャンピオンに王手を掛けていた昨年も転倒と、クリビーレはバレンシアで2年連続のリタイヤとなった。セカンドグループにつけたカピロッシも、11周目に転倒リタイヤとなった。

激しい追い上げを見せたロッシ(左)
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しかし、クリビーレが脱落後、今度はルーキー、ロッシが素晴らしい走りを見せることになった。中盤になって5台で形成されたセカンドグループの中で、ビアッジ、ロバーツを交し、2番手に浮上。トップのマッコイを追撃する体制を整えたが、4周を残して痛恨の転倒、クリビーレ、カピロッシに続いてのリタイヤとなった。しかし、元気溢れるロッシの走りは、スペインの観客を熱狂させた。
予選14位から決勝での反撃を狙っていた岡田忠之は、一周目15位と出遅れる。必死に追い上げたが9位。S.ジベルノーは予選9位から8位でレースを終えた。
250ccクラスは、中野真矢(Y)とO.ジャック(Y)が好スタートを切り、レースの主導権を握る。予選4位から今季3勝目を狙った宇川徹。予選13位に沈んだ加藤大治郎は、ウォームアップで大幅にタイムアップして決勝に挑んだ。この二人にM.メランドリを加えた3人が序盤からセカンドグループを形成したが、終盤になって宇川を交したメランドリが3位、宇川4位、加藤5位という結果だった。予選14位のA.ウエストは、7位でフィニッシュ。ヨーロッパラウンドの戦いを終え、シーズンはいよいよ、ブラジル、日本、オーストラリアの3戦を残すだけとなった。宇川と加藤は日本、ウエストはオーストラリアでの地元大会を残すだけに、終盤での巻き返しに闘志をかき立てていた。
125ccクラスは、PPスタートのR.ロカテリ(A)が優勝。そのロカテリと激しい首位争いを演じ、中盤にトップに立った東雅雄が、今季4回目の表彰台に立った。チャンピオン争いを繰り広げるE.アルサモラは、前戦ポルトガルからの連勝を狙ったが、惜しくも5位。地元大会での優勝は果たせなかった。しかし、ランキング3位を堅持。チャンピオン争いに辛うじて踏み止まった。
S.ジベルノー(500cc/8位)
バイクは完全に仕上がらなかったが、レースでは全力で走った。ほんとに転んだと思ったときも何度かあった。クリビーレの転倒を見たときに、前回のエストリルの自分の転倒を思いだして、ペースを抑えようと思った。今回は地元のレースでいい走りを見せようと思っていたし、それが出来なくて残念だった。

岡田は予選14位から追い上げ9位
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岡田 忠之(500cc/9位)
予選では、フロントとリヤのグリップとトラクション不足に悩んだが、セッティングを追うごとに良くなっていた。決勝ではかなりいい状態になったし、スタートも上手くいったのだが、1コーナーの混雑で何台かにぶつけられてラインを外してしまって、ポジションを落としてしまった。それから追い上げたが、9位まで上がるのがやっと。もう何周かあれば、ジベルノーとチェカは交せたと思う。
V.ロッシ(500cc/リタイヤ)
レース中盤にスローコーナーでフロントから転びそうになった。それでポジションを落としてしまって、そのロスタイムを取り戻すのにすごい時間がかかった。ビアッジを抜いてロバーツを抜いて2番手に上がった後ラスト4周の転倒は、4速200キロのスピードだったし、再スタートは無理だと思った。ラスト4戦は、とにかくロバーツの前でゴールしようと思っていた。それが果たせないばかりではなく、タイトル争いも、これで事実上、決着がついたような気分だ。でも、250の時も、最初のシーズンは2位だったしね。ラスト3戦、とにかく勝つことだけ考えて走るよ。
A.クリビーレ(500cc/リタイヤ)
決勝前のウォームアップで予選のベストタイムよりいいタイムが出せたし、決勝に向けて、すごく自信があった。スタートも良くて、何人もの選手を抜いた。ストレートではマッコイの背中も見えていたし、トップグループに付いていけると思っていた。それが最終コーナーでフロントから転んでしまった。本当にいい状態だったし、残念としかいいようがない。
宇川 徹(250cc/4位)
今日の中野とジャックにはとてもついていけなかった。自分のバイクは、けっして悪くはなかったが、今日の状態ではあれが精いっぱいだった。メランドリに抜かれたのはシフトミス。今日のアプリリアは速かったし、前に出られたら抜くことは出来なかった。
加藤大治郎(250cc/5位)
ウォームアップでいい状態になったが、今日は、あれが限界の走り。コントロールすることが出来なくて、何度も転びそうになった。メランドリと宇川さんの後にいたときも、ただ、自分の走りをするのが精いっぱいだった。
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