V.ロッシが2位、ランキングでも2位に浮上!
250cc宇川が優勝争いを繰り広げたが、惜しくも2位

3戦連続の表彰台でランキング2位に浮上のロッシ
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夏休み明けのグランプリとなったチェコGPは、3日間ともに30度を超す暑さで、選手にとっても、バイクにとっても厳しい大会となった。

予選12位から6位のジベルノー
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500ccクラスは、ヨーロッパラウンドに入って、今季、もっとも暑い大会となり、選手にとっては予選から厳しい戦いとなった。初日はM.ビアッジ(Y)が暫定PPを獲得。僅差でL.カピロッシ、K.ロバーツ(S)、A.クリビーレ、V.ロッシが続いた。2日目になってもビアッジの勢いは止まらず、さらにタイムを伸ばしてPPを獲得。カピロッシ、ロバーツ、G.マッコイ(Y)がフロントローを獲得、2列目には、ロッシ、クリビーレ、阿部典史(Y)、原田哲也(A)と続いた。鈴鹿8時間耐久レースで左足首を傷めた岡田忠之は、その怪我の影響で13番手。S.ジベルノーは12番手から決勝レースを迎えることになった。
一周5.403kmのブルノは、高低差60メートル。中速コーナーとストレートを組みあわせた独特のレイアウトで、人間とハードの性能が試されるサーキット。過去4年は、クリビーレ、M.ドゥーハン、ビアッジ、岡田忠之と、ホンダが制してきたサーキット。今年も、ホンダ勢の活躍が期待されたが、このコースを得意とするビアッジが、スタートから逃げ切り、250cc時代を含め、6回目の優勝を飾った。しかし、2位争いでは、2列目スタートのロッシが素晴らしい走りを見せて、執拗に食い下がるマッコイ(Y)を抑える快走、3戦連続今季6回目の表彰台でランキング2位に浮上。4位に終わったポイントリーダーのK.ロバーツ(S)との差を42ポイント差として、500ccデビューシーズンでのタイトル獲得という偉業に大きく近づいた。

2位の宇川はランキングトップに肉薄
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今大会を前に、来季の契約を更改したクリビーレは、予選では素晴らしい走りを見せたのだが、思うようにペースを上げられず、セカンド集団で7位でゴール。対照的に予選12位に沈んでいたジベルノーが6位でフィニッシュ。昨年の覇者で2年連続チェコGPの優勝を狙った岡田忠之は、8耐の怪我の影響と、バイクのセッティングを詰め切れず10位に終わった。予選2番手からスタートしたカピロッシは、序盤はトップグループにつける快走を見せたが、予選時の転倒で右手の甲を骨折した影響で次第にペースダウン。最後は5位でゴールするのがやっと。コンストラクターズポイントでは、ホンダは首位を守った。
250ccクラスは、スタート直前の通り雨の影響で、序盤はところどころ濡れた状態でレースが開始された。スタートで飛び出したのは、予選2番手の中野真矢(Y)で、それに予選2番手の宇川徹が続く。そして3周目に宇川がトップに立ち、レースの主導権を握るが、中盤になって中野がペースアップ。宇川も必死に追ったが、わずかに届かず悔しい2位に終わった。しかし、宇川を激しく追ったランキングトップのジャックを抑えたことで、ランキング3位は変わらなかったが、トップとのポイント差は20から16へ。タイトル獲得に向けて成果の大きいレースとなった。その宇川とペアを組んで鈴鹿8時間耐久レースで優勝した加藤大治郎は予選8番手と苦戦。決勝も6位と優勝戦線には加われなかったが、ランキング4位で、辛うじてタイトル争いに踏ん張った。
125ccクラスは、R.ロカテリ(A)と宇井陽一(D)、E.アルサモラ、L.チェッキネロがトップグループを形成。その中からロカテリと宇井が逃げて、ロカテリが優勝。アルサモラは3位で、ランキングでも3位に浮上。予選3番手からスタートした上田昇は、思うようにペースを上げられず5位。好スタートを切った東雅雄は、4周目にトラブルでリタイヤという残念な結果だった。

今季6回目の表彰台のロッシ
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V.ロッシ(500cc/2位)
とにかく、2位でゴール出来たことだけで、今日のレースには満足している。それほど、バイクとタイヤには厳しいコンディションだった。レースが終わって、ランキングで2位に上がって、ロバーツとの差も42となったけどとずいぶんと聞かれたが、これからも、今迄と同じように、勝つことだけを考えて走るつもり。それにしても、今日のビアッジは、本当に速かった。レース序盤に、ビアッジに付いて行こうとちょっと無理をし過ぎて転びそうになったのもいけなかった。あれでちょっと慎重になりすぎてしまってペースが上がらなくなってしまった。
S.ジベルノー(500cc/6位)
朝起きたときに、38度の熱があって、辛いレースになってしまった。原因はウィルスが咽に入ったためで、30度以上の暑さもあって、本当に厳しいレースだった。バイクもアクセレーションに問題があって、上手く乗れなかった。残念としかいいようがない。
A.クリビーレ(500cc/7位)
今日はフロントに問題があって、とても厳しい戦いになってしまった。ブレーキングでフロントが切れ込んで、何度も転びそうになった。それだけじゃなくて、アクセレーションも完全ではなかった。今日は本当に勝ちたかったが、この状態じゃ、とても無理だった。予選やウォームアップよりも2秒も遅いタイムでしか走れなかったのだから、仕方がない。本当に残念だった。
岡田 忠之(500cc/10位)
今日はコーナーで上手く走れなかった。通常はバイクが寝た状態でアクセルを開けていくことが出来るのだが、今日は、バイクが完全に起きるまでアクセルを開けられなかった。予選でも同じような問題が出ていたが、決勝ではそれが顕著な形となって現れてしまった。フロントのセッティングにも問題があったし、あれ以上のペースで走るのは無理だった。前回のドイツからいい感じになっていたし、自分にも期待していただけに、悔しいレースだった。

2戦連続2位の宇川
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宇川 徹(250cc/2位)
スタート前の通り雨で、レース序盤は路面が濡れていてちょっと慎重になった。路面はすぐに乾いて、いつものペースに戻ったのだが、中野に抜かれ、彼が2分4秒台にタイムを上げてからは、じりじりと離されてしまった。でも、今日のバイクの状態では、100パーセントの走りをした。勝てなかったけれど、ジャックを抑えてトップとのポイントを詰めたのは良かった。残り5戦のチャンピオン争いを考えれば、まずまずの結果だった。
加藤大治郎(250cc/6位)
予選からバイクのセッティングが思うように決まらず苦しいレースになってしまった。スタートはけして悪かったとは思わないが、今日はトップグループのペースにはとてもついていけなかった。このサーキットはテストしているし、自分でも期待していた。でも、テストの時は雨だったし、ドライコンディションではかなりフィーリングは違った。今回は6位だったし、ポイントでもトップ3に離されてしまった。残念。
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