今季初のフルウエットとなったカタルニアGPは大荒れの展開
500ccロッシが3回目の表彰台、250cc宇川が2位、加藤が4位
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コーナーを立ち上がるロッシとカピロッシ
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ウエットな路面を攻める宇川
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第7戦カタルニアGPの行われるカタルニアサーキットは、チャンピオン、A.クリビーレとS.ジベルノーの地元グランプリ。毎年、多くの観客を集めるが、今年も8万5千人の大観衆を集める大会となった。しかし、決勝日は今季初のフルウエットとなり大荒れ。3クラスともにサバイバルレースとなった。
500ccクラスは、予選3番手のロバーツ(S)がホールショットを奪い、チェカ(Y)、阿部典史(Y)、カピロッシ、バロス、ロッシ、ジベルノーと続く展開。しかし、序盤にチェカとジベルノーが転倒で戦列を去り、地元ファンのため息を誘った。その後、レースは、2戦連続ポールポジションのバロスが快調なペースで追い上げて首位に立つ。そのバロスもトラブルでスローダウンと、目の離せない展開。地元の期待を一身に集めたクリビーレも、スタートに失敗、後方から激しく追い上げたが、中盤に転倒リタイヤと、地元ファンを失望させた。
その後、レースはロバーツが逃げ切り、セカンドグループで生き残った阿部が2位。その後方で青木(S)と激しい3位争いを演じたロッシが、今季3回目の表彰台。レースを追うごとに力をつけていることを見事に証明。ファンの大きな歓声と拍手を浴びていた。予選6番手の岡田忠之は、タイヤチョイスに失敗、序盤から大きく出遅れて15位に終った。
250ccクラスは、中野(Y)、ジャック(Y)、宇川の3人が、序盤から終盤に掛けてトップグループを形成。緊張感あふれる接近戦を繰り広げながら後続を突き放した。終盤になって、3番手につけていた宇川がスパート。カタルニアでもっとも長いストレートで、ジャックと中野を交わし、一瞬首位に立つが、すかさずジャックが逆転。その後、4周に渡ってジャックを追撃したが、タイヤの消耗が激しく宇川はじりじりと後退。惜しくも2位に終った。しかし、これで今季5回目の表彰台でチャンピオン争いに浮上した。今回も初サーキットとなった加藤大治郎は、予選7番手からセカンドグループで健闘。最終ラップには、追いすがるメランドリ(A)を振り切り、逃げるバッタイーニ(A)を交わす好走で4位に浮上。ランキング2位を守り切った。
125ccクラスは、予選でランキングトップのM.ジャンサンティが右手首骨折で欠場、決勝でもE.アルサモラ、上田昇などランキング上位が次々にリタイヤという大荒れのレース。出走27台中完走14台というサバイバルレースとなったが、前戦イタリアで3位と調子を上げている東雅雄が2位に入り、2戦連続表彰台。ランキングでもトップのジャンサンティと16ポイント差の4位に浮上した。

ロッシは今季3回目の表彰台
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V.ロッシ(500cc/3位)
雨で寒い1日だったけど、僕にとっては、素晴らしい一日になった。何故なら、雨はあまり得意ではないし、予選も3番目だった。青木とのバトルはハードだったけれど、ラッキーなことに彼はミスをしてくれた。それで、前に出ることが出来たんだ。僕のマシンは、予選の段階からとても、いい仕上がりだった。予選のポジションが悪かったのは、クリアラップを取れなかったりといった、他の要因が大きかった。僕のスタッフは、毎レース、すごく、いい仕事をしてくれる。まだ、ランキングトップのケニーとのポイント差は大きいが、追いつけるように頑張りたい。
岡田 忠之(500cc/15位)
予選では調子を取り戻しつつあったし、今回はドライでレースがしたかった。しかし、決勝は、雨が降ったり止んだりの難しいコンディション。500の前に行われた250は、レース後半、路面が乾き始めていた。500のレースも、雨が上がる可能性に賭け、インターミディエィトをチョイス。それが、完全に裏目に出ることになった。何度も、ピットインしようと考えたが、最後まで、走りきろうと気持ちを切り替えた。最終的に、ポイントが取れたのは収穫。次は、自分の走りが出来るように頑張りたい。
A.クリビーレ(500cc/リタイヤ)
地元のレースということで、是非、勝ちたいレースだったが、スタートでリヤがスライドして大きく出遅れてしまった。そこから追い上げるという苦しい出だしとなった。それでも、ポジションを上げていくことはできたのだが……。でも、こてで、シーズンが終わるわけではない、し、最後まで、チャンピオンを諦めずに走りたい。
S.ジベルノー(500cc/リタイヤ)
いいスタートが切れて、上位を狙って、序盤から攻めていた。だが、大きくリヤがスライドして転倒してしまった。予選からハードに攻め続けてきたのに、こんな結果になって残念だ。でも、次のアッセンでは、いい走りをしたい。

2位で20ポイント獲得の宇川
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宇川 徹(250cc/2位)
雨でも、晴れでもどちらでもいいと思っていたが、今日のレースは、ウエットから乾きはじめるという難しいコンディションだった。中野選手をパスしてから、ジャックを追いかけようとしたが、ジャックがペースアップしたのに対して、ペースを上げることが出来ずに残念。でも、今回のレースでポイントを挽回できたので、残り9戦、全力を尽くしたい。
加藤大治郎(250cc/4位)
雨のセッションを十分にこなしていなかったので、決勝朝のフリー走行で、雨を初めて走ったような感じだった。カタルニアは初めてのコースなので、不安もあったが、後半は、コースになれたこともあって、ペースを掴むことが出来た。最終ラップは、競り合っていたバッタイーニの前に絶対に出てやろうと思った。スタートに失敗したのが、最後まで響いた。ペースはトップグループと変わらなかっただけに、残念。
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