500ccL.カピロッシが今季初優勝、ホンダはクラス通算140勝を達成
MVアグスタを抜き優勝回数で歴代1位に!250cc加藤大治郎が3位

MVアグスタを抜く、記念すべき140勝目を勝ち取ったカピロッシ
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第6戦イタリアGPは、フィレンツェ郊外のムジェロに7万1000人の観客を集めて行われ、地元イタリアでの優勝に燃える、L.カピロッシ、V.ロッシ、M.ビアッジ(Y)の3人の激しい戦いとなった。
レースは、序盤から中盤に掛けてカピロッシがリード、それをロッシとビアッジが追うという展開となり、決着は終盤に持ち越されることになった。その中で、終盤になってカピロッシに激しいプレッシャーを掛け、度々トップに立っていたロッシが、ラスト2周になってカピロッシを交わしスパートを掛けるが、惜しくも転倒。ラストラップには、今度はカピロッシの背後に迫ったビアッジが転倒という劇的な幕切れ。熱狂の渦の中で、カピロッシが今季初優勝を達成した。優勝争いに加わりながら転倒したロッシは12位。

激しいバトルを繰り広げるカピロッシ(右)とロッシ(左)
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前戦フランスGPで今季初優勝を遂げたA.クリビーレは、予選で2度の転倒を喫した影響でペースが上がらず、予選12位から決勝でも9番手前後を走行中の9周目に転倒リタイヤ。予選7番手の岡田忠之もペースを上げられず8位。予選15位のS.ジベルノーも、最後までセッティングを詰めきれず、10位と奮わなかった。しかし、カピロッシの優勝で、ホンダ500ccクラスは通算140勝を達成、MVアグスタの持つ歴代1位の139勝の記録を塗り替え、さらに、M.ドゥーハン、クリビーレが更新してきたムジェロのイタリアGPの連勝記録を「7」と伸ばした。
250ccクラスは、中野真矢(Y)、O.ジャック(Y)、M.ルッキ(A)がトップグループを形成。宇川徹、加藤大治郎、M.メランドリ(A)が激しく追うという展開。中盤にルッキが転倒して優勝戦線から脱落して中野が優勝、ジャック2位という結果。後方のし烈な3位争いは、最終ラップの最終コーナーで、先行する宇川が転倒、その後方で3位メランドリを交わした加藤が、今季5度目の表彰台を獲得。再スタートを切った宇川は6位。A.ウェスト7位という結果。
125ccクラスは、R.ロカテリ(A)が優勝。M.ジャンサンティが今季5回目の表彰台でランキングトップに浮上。予選12位に沈んでいた東雅雄が、日本GP以来、3戦ぶりの表彰台。上田昇は6位だった。

ポディアム中央にカピロッシ
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L.カピロッシ(500cc/優勝)
これまでのレースの中で最高の勝利だった。スタートは良かったし、序盤は後続にアドバンテージを築くことが出来た。しかし、リアタイヤの消耗が激しく、ペースを落とすことにした。そのためにロッシとビアッジとの激しい戦いとなったが、ロッシに抜かれた後も彼を抜き返せると思っていた。その前にロッシは転倒してしまった。その後、ビアッジが激しくプッシュしてくるのは分かっていたし、彼が自分のバイクに当たったのも分かった。去年のレースは自分にとって辛いレースだったし、それだけに嬉しい勝利だった。
岡田 忠之(500cc/8位)
前回のル・マンと同様、タイヤがグリップしなくて辛いレースだった。ル・マンのレースの後にテストをして、改善の方向は見えたと思ったのだが、思ったような走りが出来なかった。しかし、今のトライが無駄だとは思わないし、次のカタルニアでは、結果につなげたい。
S.ジベルノー(500cc/10位)
シーズン当初から抱えている、グリップ不足という同じ問題を、今回も解決することは出来なかった。予選では、それでもいい状態を見つけたと思っていたのだが、今日の路面は滑りやすかった。次のカタルニアは、自分にとってはホームグランプリなので、優勝争いが出来ることを信じている。
V.ロッシ(500cc/12位)
ホンダ140勝という記念すべき優勝を果たしたかったが、転んでしまった。本当に残念。しかし、最後の競り合いで、カピロッシの前にはいたが、決して余裕のある走りではなかった。結果にはがっかりしているが、いいレースが出来たと思う。
A.クリビーレ(500cc/リタイヤ)
予選の2回のクラッシュで、バイクを完全に仕上げることが出来なかった。しかし、いいスタートが切れたし、ポジションも上げていけると信じていたが、1コーナーで転倒してしまった。ノーポイントに終わり、がっかりしている。しかし、次のカタルニアでは、再び、いいレースが出来ると信じている。

加藤のシャンパンファイト
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加藤大治郎(250cc/3位)
予選から抱えている問題が最後まで解決出来なかった。決勝でも、今日は5〜6番手でゴール出来ればと思っていたが、最後は3位でゴールすることが出来た。予選までの仕上がりを考えれば、納得のレース。ポイントで2位に落ちたが、それ以上に収穫の多いレースだった。
宇川 徹(250cc/6位)
今日は、加藤とメランドリのバイクが速くて、最終コーナーからフィニッシュラインまでのストレートでは分が悪かった。最終ラップは、それを気にし過ぎて、ちょっとコーナーの進入スピードが速かった。アクセルの開けるポイントは同じだったのだが、速い分、バイクが寝ていた。予選から抱えていた問題は、加藤同様、結局、解決出来なかった。しかし、再スタートが切れたし、6位でゴール出来て良かった。
立川章次HRC監督
今回は、MVアグスタの偉大な記録を破ることが出来て、非常に喜ばしいレースだった。優勝したカピロッシにはおめでとうと言いたい。また、優勝はできなかったが、ロッシの成長ぶりにも驚かされたし、収穫の多いレースだった。転倒したクリビーレ、下位に低迷した岡田、ジベルノーは、残念な結果だったが、次の大会につながるデータを蓄積出来たと思う。次はクリビーレとジベルノーの地元。岡田も去年は素晴らしいレースをしているし、次戦を楽しみにしている。
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