500ccA.クリビーレ今季初勝利、3位V.ロッシが2戦連続表彰台
250cc宇川が今季初優勝、加藤は6位でポイントリーダーの座を守る

チェッカーをうける今季初優勝を飾ったA.クリビーレ
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第5戦フランスGPは、5年ぶりの開催となったル・マンに、6万5千人の観客を集めて行われ、前戦スペインGPから調子を上げているA.クリビーレが、阿部典史、V.ロッシとのし烈な優勝争いを制して今季初優勝。昨年のイモラGP以来、10戦ぶりに優勝を飾った。3位には、500ccルーキーのV.ロッシが、2戦連続3位に入る好走。250ccクラスは、予選5番手の宇川徹が、中野真矢、O.ジャックを振り切って、今季初優勝。PPスタートの加藤大治郎は、2周目に痛恨のコースアウトで転倒。最下位に落ちたが、6位までポジションアップ。ランキングトップを守った。125ccクラスは宇井陽一が優勝。M.ジャンサンティが2位、E.アルサモラが3位でポイントリーダーの座を守った。
500ccクラスの予選は、前戦スペインGP同様、天候に翻弄されることになった。午前中のフリー走行はウエット、午後の予選はドライという目まぐるしさ。初日はK.ロバーツ、C.チェカ、M.ビアッジと続き、V.ロッシが4番手、A.クリビーレ10位、岡田忠之11位、S.ジベルノー15位と低迷。2日目もクリビーレが5番手までポジションを上げたが、ロッシ10位、岡田11位、ジベルノー16位とタイムは伸びなかった。
しかし、フランスGPの前週に、ポルトガルでテストを行って登り調子のクリビーレは、快晴となった本番で快走。序盤はロバーツ、中盤から終盤にかけて阿部のリードを許したが、最終ラップにペースを上げたクリビーレが阿部を逆転して今季初勝利。2日間の予選とコンディションがまったく違うという難しいレースを制して、チャンピオンの貫禄を見せた。今回の優勝で、ホンダの500ccの優勝記録は139となり、MVアグスタの持つ139勝に並んだ。3位は、クリビーレと中盤まで激しい戦いを演じたロッシで、2戦連続表彰台を獲得。レース毎に、大きな成長を遂げていることをうかがわせ、大きな注目を集めた。予選からタイヤのグリップに悩んでいた岡田は、決勝でもベストセッティングを見出せず10位。ジベルノーも15位と低迷した。

猛烈な追い上げで優勝した宇川(中)
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250ccクラスはPPスタートの加藤大治郎がホールショットを決め、宇川徹が2番手とホンダ勢が上位につけてレースは始まった。しかし2周目に加藤がヘアピンの進入でブレーキングに失敗、グラベルで転倒を喫したが、再スタートを切った。これで宇川がトップに立ったが、宇川もシケインの進入でオーバーラン、6位までポジションを落とす波乱だったが、宇川は猛烈な追い上げで優勝戦線に復活。中野真矢、O.ジャックをかわし今季初優勝を飾った。序盤にコースアウトして最下位に落ちた加藤もトップグループと同じペースで猛追撃。32位から6位に浮上、ポイントリーダーの座を守った。A.ウエストも中盤まではトップ集団の後方につけて2戦連続の5位。
125ccクラスは、序盤にトップを走っていた上田昇が転倒。東雅雄も他者との接触で転倒と激しい戦いとなり、宇井陽一が優勝、M.ジャンサンティが2位、E.アルサモラが3位で、ポイントリーダーの座を守った。

ポディアムのクリビーレ
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A.クリビーレ(500cc/優勝)
今日の優勝は、ホンダにとって、そして自分にとって、とても嬉しい優勝だった。それに今回の優勝は、去年のイモラGP以来だったし、とても長かった。今回のレースは、バイクの状態は決して完璧ではなかったが、以前の状態に近づきつつあるように感じた。それに今日は気温が上がってタイヤの選択も難しかった。最後は、阿部のブレーキングも良かったし、彼をパスするのは大変だった。それだけに嬉しいレースだった。
V.ロッシ(500cc/3位)
前回のスペインGPの表彰台は、自分にとってはとても素晴らしいものだったが、それと同じくらい今回の3位は嬉しい。というのも、前回は雨でなんとも不思議なレースでの3位だったし、今回はスタートから普通のレースだったからね。確かに、土曜日の段階ではバイクのいい状態を見つけることが出来ていなかった。でも、チームが素晴らしい仕事をしてくれた。MVの139勝目は、出来ることなら自分が破りたい。
岡田 忠之(500cc/14位)
予選からタイヤのグリップに苦しんだ。ウエットでもドライでも、思うように走ることは出来なかった。今回は新しいスペックのエンジンを使った。先週のポルトガルではいい結果が出ていただけに残念だった。
S.ジベルノー(500cc/15位)
今回のレースは、どう言っていいのかわからないし、言うべき言葉もない。最大の問題は、タイヤのチャタリングとスライドで、まったくコントロールすることが出来なかった。自分のチームもベストを尽くした。しかし、15位という結果しか残せず、チームにもスポンサーにも申し訳ない気持ちだ。

250cc優勝の宇川
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宇川 徹(250cc/優勝)
予選が終ったときに、バイクもタイヤも完璧だったし、5番手に終ったことが残念だった。しかし、予選5位でも、これまでレースをしてきたし、決勝では頑張ろうと思った。スタートは上手く行った。しかし、今度は第1シケインでオーバーラン。6位までポジションを落としたが、トップに追いつくことが出来た。今日は、いいレースが出来て、本当に嬉しい。
加藤大治郎(250cc/6位)
ペースを上げすぎたとは思わないが、ブレーキングに失敗した、その理由は、フルタンクで止まりきれなかったこと。初めてのコースで雨が降ってばかりで、ドライでちゃんと走りこみが出来なかったせいかも知れない。でも、6位まで追い上げられるとは思わなかったし、嬉しい。
立川章次HRC監督
今日は苦しいレースとなったが、その苦しいレースでアレックスが勝ったということで、やっと先が見えてきたような印象だ。これまで抱えていた問題も、これで改善に向けて大きな一歩を歩むこと出来た。去年の段階で、MVアグスタの記録にあと1と迫っていたが、やっと達成。新記録に向けて、次戦も頑張りたい。
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