500ccは雨のために2ヒート制となり、V.ロッシが初表彰台の3位
250ccでは加藤が4戦連続表彰台の2位でランキングトップに浮上
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500cc初表彰台に立つV.ロッシ
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250cc激しいバトルの加藤(右)と宇川(左)
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例年、暑さとの戦いになるヘレス。しかし、今年は予選初日から気温が上がらず、バイクのセッティングに選手たちは頭を悩ませることになった。予選初日、トップタイムをマークしたのはM.ビアッジ。わずかの差でK.ロバーツ。3番手には、ヘレスのスペインGP3連勝中のA.クリビーレと続いた。
2日目は、ビアッジがトップタイムを堅持。2番手にV.ロッシが浮上、クリビーレは5番手に落ちたが、コンスタントに好タイムをマーク、依然として優勝候補の一角に陣取る。岡田忠之は8番手2列目を確保。S.ジベルノーはセッティングを詰めきれず16番手からのスタートになった。
だが、決勝は波乱の一日。ウォームアップでビアッジが転倒、コース上にオイルが出たために、1周減算の26周で再スタート。ロバーツが好スタートを切り、C.チェカ、ロッシ、A.バロス、クリビーレが追うという展開となった。しかし、16周を終えて雨が降り、レースは赤旗中断。残り10周で再スタートが切られることになった。
このレースでは、チェカが好スタートを切ったが、クリビーレが追い上げて首位に浮上。トップでゴールするも、合計タイムで惜しくも4位。スペインGP4連勝を逃した。その一方で、ルーキー、ロッシが好レースを披露。第2ヒートでもクリビーレ、チェカに続いて3位でフィニッシュ、合計タイムでも3位。500cc4戦目にして初表彰台を獲得した。
岡田忠之は、第1ヒート7位、第2ヒートもセカンドグループに付けたが最終ラップに転倒、再スタートするも10位。ジベルノーは第2ヒート、転倒リタイヤに終った。

250ccの表彰台、加藤(左)宇川(右)
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250ccクラスは、R.ワルドマンがPPを獲得。加藤大治郎3位、宇川徹が4位でフロントローにつけた。決勝レースは、加藤のホールショットで始まったが、ワルドマンが首位を奪い、加藤と宇川徹が激しく追う展開。
その後、予選から好調だったワルドマンがリードを広げ、加藤と宇川の2位争いとなったが、終始、前を走った加藤が、4戦連続表彰台を獲得してランキングでも首位に立った。3位になった宇川もランキング4位。得意のヨーロッパラウンドでの追い上げに期待があつまった。
125ccクラスは、地元スペインの声援を受けたE.アルサモラが混戦を制して今季初優勝。2位にM.ジャンサンティとホンダ勢が上位につけ、予選11位から追い上げた東雅雄が4位。上田昇5位という結果だった。
V.ロッシ(500cc/3位)
今回の目標は表彰台に立つことだったし、3位になれて本当に嬉しい。しかし、何度もスタートがやり直されたし、まるで耐久レースをしているような気分だった。第1レースはそれほどいい走りが出来たとは思わないが、第2レースはインターミディエイトでスライドが激しかったが、思い切り攻めることが出来た。ほんと、長い一日だった。

スタート前のA.クリビーレ
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A.クリビーレ(500cc/4位)
今日はエキサイティングなレースだった。第1レースでスタートを失敗したのは、クラッチの調子が悪かったため。第2レースは、自分の思い通りに走れたし、いいレースだったと思う。前後ともカットスリックだったが、リアにスリックを入れていれば表彰台に立てたはずだ。しかし、いいレースが出来たことで、次のレースに向けて自信になった。
岡田 忠之(500cc/10位)
今回は凄く調子が良かった。しかし、第1レースはチェカにぶつけられてポジションを落とし、そのまま追い上げることが出来なかった。第2レースはサスペンションのセッティングをドライのままでカットスリックを入れたのが良くなかった。最後の転倒は、もうタイヤがズルズルで堪えることが出来なかった。
S.ジベルノー(500cc/リタイヤ)
レースウィークを通じて抱えていたスライディングの問題が、決勝でも解決出来なかった。しかし、第2レースはスタートもフィーリングも良かったが、白線に乗って転倒してしまった。
加藤大治郎(250cc/2位)
今回は、決勝までついにセッティングをまとめきれなかった。サスペンションにタイヤと、全てに課題を抱えていた。実際にレースではワルドマンに逃げられてしまった。しかし、この状態で2位になれて本当に嬉しい。最後までバイクのセットアップに全力を尽くしてくれたスタッフに感謝したい。
宇川 徹(250cc/3位)
今回も加藤君との競り合いになったが、スタートで遅れたまま、なかなか前に出ることが出来なかった。今回も鈴鹿同様、ラストラップの戦いになると思っていたが、周回遅れが絡んでチャンスを逃した。でも、4戦を終えて、ランキング4位、今回の16点は、これからのことを考えると、まずまずの結果だと思う。次のフランスでは、優勝を目指して頑張りたい。
立川章次HRC監督
ウォームアップのビアッジの転倒後のスタート進行には、納得がいかない。あれで、選手の集中力が切れたことは事実。しかし、今回のレースは、それぞれの選手が、いい状態に戻りつつあることを確認出来たし、収穫は大きい。再びトップレベルで走れる手応えを感じたし、次のレースに期待したい。今日のクリビーレは、第2レースでいい走りをしていただけに残念。その一方で、ロッシが表彰台に立てたことで、これからの走りに期待したい。
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