史上初めて日本人が全クラスを制覇、500cc岡田忠之が今季初表彰台
250cc加藤大治郎、宇川徹がワン・トゥー
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500cc3位、岡田の走り
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ワン・トゥーフィニッシュを飾った加藤(右)宇川(左)
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日本人選手による全クラス制覇の期待が寄せられた日本GPは、鈴鹿サーキットに集まったファンの期待に見事応える結果となった。
500ccクラスは、K.ロバーツの好スタートで始まり、阿部典史、M.ビアッジ、岡田忠之、C.チェカ、青木宣篤、J.マックウイリアムスがトップ集団を形勢した。
しかし、この日は、路面コンディションが良くないために、スローペースの戦い。首位が目まぐるしく入れ替わる激しい戦いとなった。終盤になると、その中から、ロバーツが逃げ出し、それをクリビーレが激しく追うという展開。
さらに、阿部、岡田が加わり、優勝争いはこの4人に絞られることになった。しかし、クリビーレがスプーンカーブでコースアウトし順位を落とし、阿部、ロバーツ、岡田の3人がトップ集団を形勢することになった。最後は、ロバーツをかわした阿部が、ラスト4周を抑えきって4年ぶりに日本GP優勝。
2位にロバーツ、岡田が今季初表彰台の3位に入った。セカンドグループを走行していたS.ジベルノーはラストラップに転倒リタイヤ。V.ロッシは11位に終わった。
250ccクラスは、PPスタートの加藤大治郎と宇川徹、中野真矢、O.ジャックの4人の優勝争いとなったが、中盤になってジャックが後退。日本人3人の戦いとなった。
その中で、終始、トップにつけた加藤が抑えきって今季初優勝。開幕戦南アフリカの2位、マレーシアGPの3位に続いて、3戦連続表彰台に立った。宇川は後半になってペースを上げ、最終ラップは激しく加藤を追ったが、わずかに届かず2位。開幕から2連勝の中野が3位という結果。日本人選手が表彰台を独占した。
125ccクラスは、PPスタートの宇井陽一とR.ロカテリの戦いとなったが、ロカテリが終盤になって転倒。宇井がグランプリ初優勝。2位に上田昇。3位に東雅雄と、日本人勢が上位を独占した。

500cc3位表彰台の岡田
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岡田 忠之(500cc/3位)
今週末は、皆で膨大な量の作業をこなしてマシンを改良しました。その大変な作業をこなしてくれたことに感謝しています。でも、まだ完全ではないので、鈴鹿でのテストをこなし、もっと、マシンのセッティングを詰めて、ヨーロッパラウンドに向かいたいと思います。今回の成績は、満足できるものではありませんが、過去2戦と比べれば、表彰台に立てたのだから、良かったと思います。オフに、僕とアレックスが、体調を崩したことから、遅れてしまった課題をクリアにして、これから巻き返したいと思っています。
A.クリビーレ(500cc/6位)
レース前にミックに励まされてコースに出た。トップ争いをしている最中に、アベとぶつかりそうになって、コースアウトしてしまい、6位になってしまったが、1番重要なことは、トップ争いが出来たということ。ここへ来た時は、マシンのことがとても不安だったのだが、チームが本当に頑張ってくれた。これでこれからが楽しみになってきた。
S.ジベルノー(500cc/リタイヤ)
今回は、クラッチトラブルで、うまく、マシンを操ることが出来なかった。そのことが気になって、結局転倒してしまった。次は、自国のスペインなので頑張りたい。
M.ドゥーハン HRCレーシングマネージャー
アレックスは、コースアウトしたけど、自信を取り戻したようで良かった。今日のレースでもわかるように、チャンピオンシップは混沌としたものになるだろう。

日の丸を手にビクトリーランの加藤
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加藤大治郎(250cc/1位)
最初の2戦で、勝つことが出来なかったので、ここでは勝ちたかった。皆、ここでは3勝目だと言われてましたので、期待に答えたいと思って頑張りました。これまでの2戦、中野選手に逃げられているので、逃げられないように、ついて行こうと思っていました。嬉しさでは、初めて勝った時の方が上ですけど、今回は絶対に勝とうと思って勝てたので良かったです。
宇川 徹(250cc/2位)
今回はタイヤに厳しいレースになると思っていたので、終盤戦に勝負をしようと思っていた。戦いは作戦どおりだったのだが、最後のシケインで加藤にインを塞がれて抜けなかった。予選2日目に転倒して、セッティングは完璧ではなかったが、チームが全力でマシンを直してくれた。勝てなかったのは残念だが、これからの戦いを考えると、今日の2位には満足している。
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