藤波貴久、わずかなミスで優勝を逃す

大岩を駆け上がる藤波
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ツインリンクもてぎで開催された世界選手権日本大会から1ヵ月。その興奮を引きずっての全日本大会開催となった。
白井トライアルパークは、去年まで全日本選手権関東大会が開催されていた真壁トライアルパークに近く、広大なエリアを持つパークだ。今回はこの広大なエリアをフルに使って約8kmのコースに12のセクションが設営された。当日は天気予報も見事にはずれ、ライダーたちは強い日差しに苦しめられることになった。歩いてまわる観客にとっても、8kmものコース長は苦しいものがあった。
第1、第2セクションは、大岩の並べられた登りセクション。今回デビューとなったヤマハエンジンを搭載したヤマハ・スコルパに乗る成田匠(ヤマハ)も快調にクリーンする。見た目は難セクションだが、国際A級クラスのトップライダーにとっては、クリーンして当然、早くも神経戦の様相を呈してきた。
ところが続く第3セクション、木陰の滑る登りセクションで、藤波貴久が痛恨の3点を喫してしまった。最大のライバル、黒山健一(ベータ)はクリーン。彼らにとって簡単なセクションばかりの大会では、この減点はその後の展開に大きな影響を与えてしまう。
1ラップ目、藤波はその後のセクションでクリーンを重ねるが、黒山は唯一第6セクションで1点減点。藤波は苦しい追う立場となった。さらに1ラップ目の最終セクション、藤波はまたしても3点減点。黒山に対して5点のリードを許して最初のラップを終えることになった。
2ラップ目、藤波は本来の走りを発揮、すべてのセクションをクリーンで走破するが、黒山も第5セクションで1点の減点となった以外はすべてクリーン。2ラップ目を終えた時点で藤波と黒山の差は4点。藤波の苦戦は変わらない。成田や小川友幸(ベータ)、田中太一(ベータ)にも計算上チャンスがないこともないが、事実上優勝争いは藤波と黒山に絞られていた。
3ラップ目、黒山が第8セクションで3点を喫した。これで、藤波との差はわずかに1点。1点をめぐる攻防は、黒山にも藤波にも、さらに大きなプレッシャーとなった。
しかし続く第9セクション、藤波は1点の減点を喫してしまう。これで2点差となった両者の差は、結局3ラップ目の最終セクションまで変わらず、藤波の2位が決定した。
今シーズンの全日本選手権は、これで藤波の1勝2敗。ランキングは3点差で黒山がトップとなったが、まだまだ序盤戦である。
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表彰式、惜しくも2位の藤波(右)
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強い日差しが射し、暑い日となった決勝
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藤波 貴久(2位)
神経戦になることが予想されていたこともあるのだが、走りが慎重になり過ぎて、いつものフジガスが発揮できませんでした。それで第3セクションでわずかに勢いが足らずに3点をとってしまい、最終セクションで1回の足つきに停止の判定もとられ、それで動揺したのか結局3点となってしまって、1ラップ目にぼくらしい走りができなかった。それがすべてです。2ラップ目はオールクリーンもしたし、3ラップ目も1点だったので、後半は悪くなかったのですが、1ラップ目のふたつの3点減点が致命的でした。これでランキングも逆転されましたが、またやり返します。
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