予選6位から追い上げ、伊藤は4位
山口は予選11位から8位まで浮上

追い上げ4位の伊藤真一
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全日本ロードレース選手権第8戦が茨城県筑波サーキットで開催された。残り4戦、必勝を願うチームキャビンホンダは、筑波での勝利を目指し、レース前にSUGOでテストを行うが、ここでも天気に翻弄され、雨と霧で思うように作業が進まなかった。だが、マシンの方向性の確認をし、手ごたえを得て、筑波に乗り込んだ。だが、ここでも、台風の影響から金曜日のフリー走行からぐずついた天気となり、各選手共、セットアップを詰める作業が思うように進まない。土曜日の予選も午後に行われた2回目は、雨となり、1回目のタイムでグリッドが決まった。伊藤は6番手の2列目スタート。山口は11番手で3列目からのスタートとなった。
伊藤、山口共、手ごたえを感じているだけに、なんとか晴れでの走行をと願ったが、決勝日も朝から雨と雷となる。スーパーバイクのスタートには、雨が上がった。だが、雨雲の動きは気まぐれで、タイヤ選択が鍵となる。多くがスリックを履くが、伊藤はフロントに薄くカットを入れたものを選ぶ。山口は前後スリックを装着してグリッドに着く。
シグナルグリーンと同時に飛び出したのは、5戦連続ポールポジション(PP)獲得の梁(S)、それを芹沢(K)、井筒(K)が追う。山口は8位、伊藤は9位でファーストラップを通過する。レースがスタートすると、天気は回復に向かい太陽が顔を出す。ラインが乾き始め、タイムが上がり始めた。伊藤はトップと変わらぬペースで追い上げ、山口、吉川(Y)を交わすと5位にポジションアップ。そこから、梁、井筒、芹沢、辻村(Y)へと迫る。芹沢をパスし、辻村を攻略しようと、激しい追撃を見せるが、なかなか追いつかない。トップは今季5勝目となる井筒が逃げ切り、2位に梁を突き放して優勝。3位は辻村となり、伊藤は悔しい4位でチェッカー。山口も懸命に走るが、8位でレースを終えた。(レース後、梁の黄旗無視で、2.5秒のペナルティーが加算され、2位に辻村、3位梁が正式リザルトとなった)
250は、スタート時には、雨が上がるが、完全なウエットコンディションとなった。今季初のPPとなった中冨と前回の筑波で初優勝を決めた関口(Y)の一騎打ちとなる。激しくポジションを入れ替えながら、最終ラップまで目の離せない戦いが続いた。ラスト2ラップ、接触せんばかりのバトルを見せ、中冨が関口を抑え、トップに立つと、そのまま嬉しい今季4勝目のチェッカーを受け、ポールトゥウィンを決めた。ポイントでも、ランキング2位の青山に53ポイント差とし、次戦でチャンピオンを決める可能性を大きくした。
125は、雨のため、赤旗中断、2ヒート制となった。ウエットとなった2ヒートで独走を決めた17歳の小山(Y)が、優勝した。2位にはベテランの菊池。3位には、16歳の現役高校生、高橋が入り、初表彰台を獲得した。
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チームキャビンホンダ、ピット前
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250cc優勝、中冨(中)のシャンパンファイト
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伊藤 真一(スーパーバイク/4位)
ケガの方も、大きくライディングに影響するほどでもなく、筑波は起死回生のつもりでした。ですがまだ、うまくかみ合わないままにレースは終わってしまいました。でも、自分のテンションは上がっているし、レースへの意欲も、これまで以上に高くなっているので、残りのレースは、いい走りが出来るはずです。見ていて下さい。
山口 辰也(スーパーバイク/8位)
金曜日から雨という天気で、うまくセットアップを詰めることが出来ませんでした。自分は乗り込んで、乗り込んで、前に進むタイプなので、時間が欲しいというのが本音です。でも、自分の中での問題点は、はっきりしているし、スタッフも理解してくれています。すこしずつだけど、前に進んでいるので、残り3戦、結果を残したいと思っています。
小野監督
伊藤は、タイム的にはトップと変わらないタイムを記録しています。前半戦の出遅れがなければ、今回は確実にいいレースだったことがわかるので、結果には満足していませんが、落ち込んではいません。山口に関しても、わたしたちのサポートが間違っていないことを感じることが出来ています。だから、次が非常に楽しみでもあります。更にマシンを完璧なものとして、次戦に挑みたい。
青木拓磨助監督
今回は、SUGOのテストから、天気に翻弄されっぱなし。それが、レースにも響いてしまい、せっかくいい手ごたえを感じているのに、それを結果に残せないという残念な結果に終わってしまいました。次戦は、そんなことのないように、しっかりチーム一丸となって頑張りたいと思っています。
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