伊藤、無念の6位
山口は9位でレースを終える

スーパーバイク6位、ピット内の伊藤真一
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全日本第7戦鈴鹿は、キャビンが冠スポンサーとなり、「秋まつり」として、観戦チケットで、パドックが開放されるなどの特典があり、多くのレースファンが集まり、華やかな賑わいの中で始った。チームキャビンホンダは、鈴鹿サーキットで開催された8時間耐久で、圧倒的勝利を収めたことで、大本命として注目を集めていた。だが、伊藤は、前回のSUGOで、追突され転倒したアクシデントで、右手小指を開放骨折するという痛手を負っており、マシンが振られた場合など、その挙動を抑え切れないというハンデを抱えての参戦となった。そして、不運なことに、8耐でのセットをベースに走行を始めると、うまく走れないことが、伊藤、山口ともに判明。1からセッティングを詰めなければならなかった。順調にタイムを詰めるライバルたちに追いつこうと懸命の努力を重ねるが、伊藤は予選8番手。山口は10番手と沈む。
晴天に恵まれた決勝は、スタートから10台のトップ争いが繰り広げられる大バトルとなった。レコードタイムでポールポジションを獲得した梁(S)が、2連勝を賭け、レースをリードする。その梁を逃がすまいとランキングトップの井筒(K)が追う。調子を上げる吉川(Y)、加賀山(S)、北川(S)が、トップ集団を作り始める。伊藤もその争いに加わろうと、懸命な追い上げを見せるが、玉田に阻まれ、次第に、トップ集団との差が広がってしまい、玉田との争いに終始する。山口は、孤独な10番手を走る。トップの梁が転倒で、出遅れると、トップ争いは4台に絞られ、最終ラップまで、息詰まる接近戦が繰り広げられた。最終的には、井筒が4勝目を挙げ、吉川が2位。3位に今季初表彰台の加賀山。伊藤は玉田に0.006秒届かず、無念の6位。山口は9位でチェッカーを潜り抜けた。
ワークスチーム不在となり、大混戦が続く250は、3台のトップ争いに7台の4位争いが追いつき、11台の首位争いが繰り広げられる激しさとなった。最終的にトップ争いは5台に絞られるが、最終ラップ、その5台が並んでシケインに飛び込む攻防を制したのは、18歳の青山で、今季2勝目を挙げ、満面の笑みを見せた。2位にはランキングトップの中冨。3位には唯一のワークスマシンNSRを駆る嘉陽が入り、ホンダが表彰台を独占した。
125は、12台にも膨れ上がったトップ争いを最後の最後にV2チャンピオンの仲城が制して、今季初優勝を飾った。
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グリッド上の伊藤、晴天の鈴鹿
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山口と青木拓磨助監督
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伊藤 真一(スーパーバイク/6位)
怪我もあり、思うようなライディングが出来ないという状況ではあったのですが、何とか玉田選手をパスして、トップ争いに追いつこうと懸命でした。でも、玉田選手の前に出ることが出来ず、言葉がありません。筑波までには、怪我を治して万全の体調で臨みたいと思っています。
山口 辰也(スーパーバイク/9位)
最初のVTR1000SPWに乗ったときから、立ち上がりで、うまく乗れないというのを感じていたのですが、今回で、その問題点をはっきりとさせることが出来ました。その問題点をクリアできれば、自分の走りが出来ると確信できました。タイムや順位は、満足できるものではないし、納得はしていませんが、セッティングがうまく出ていない状況でも、以前に比べるとコンスタントにタイムを記録することが出来、進歩していることが確認できたので、大きな手ごたえを感じることが出来ました。次は大好きな筑波なので、必ずトップ争いに絡みたいと思っています。
小野監督
マシンの改良点について、ふたりのライダーから、共通のコメントが取れたことで、前進する糸口が見つかりました。次戦までには、その問題点を解決して、伊藤、山口が、伸び伸びとライディングをして、自分の力を発揮してもらえるようにしたいと考えています。
青木拓磨助監督
次の筑波では、スタッフやライダーの努力が、結果として現れるようにしたいと思う。今回のレースで、対策すべきところが見つかったのが大きな収穫です。明るい兆しが見えているので、次のレースを楽しみにしていて下さい。
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