開幕勝利目前だった伊藤が、波瀾の展開から転倒再スタート6位
スーパーバイク初レースながら、ルーキー山口が3位表彰台獲得

表彰台後の山口
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全日本ロードレース選手権の開幕戦が、3月26日に三重県鈴鹿サーキットで開催された。92年以来、8年振りに復活した2&4は、2輪、4輪とドラマチックな展開で、ファンを魅了した。
今大会の最大の関心は、ホンダVTR1000SPWだった。事前テストで伊藤が、非公式ながら、従来のレコードを、約2秒も詰める2分7秒台を叩き出したことで、そのポテンシャルの高さが注目度を集めた。だが、フリー走行、予選と不順な天候となり、ポールポジション(PP)を狙う伊藤は、タイムアタックのタイミングが噛み合わずに4番手。今季より、ホンダワークスに抜擢された山口は9番手となる。PPはホンダVTR/RC45を駆る玉田となった。
決勝日も雨が降ったり止んだりの天候となる。トップ争いは、ラストスパートを賭けた伊藤を先頭に玉田、梁(S)、井筒(K)の4人となり、激しい攻防を見せる。
伊藤は最終ラップ、シケインをトップで入り勝利目前まで迫るが、そのインに玉田が飛び込んだ。ゼブラに乗り上げた玉田のマシンは大きく振られる。玉田を避けようとした伊藤は転倒。観客の悲鳴とため息が漏れる中、その隙を付いて3番手に付けていた梁がトップに踊り出た。井筒は伊藤の転倒に巻き込まれ転倒。その横を5番手だった山口が擦り抜ける。梁、玉田、山口の順で、次々とチェッカーを潜り抜けた。山口はSB初レースながら初表彰台をゲット。伊藤は再スタートし、6位でレースを終え、貴重なポイントを得た。
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初レースでポディアムに上がった山口
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VTR1000SPW
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山口 辰也(スーパーバイク/3位)
表彰台は嬉しいのですが、伊藤さんが転倒してしまっての3位なので、複雑な気持ちで、素直には喜べません。VTR1000SPWは、とても、素晴らしいバイクなので、早く自分のセッティングを見つけて、ポテンシャルを引き出したいと思っています。
伊藤 真一(スーパーバイク/6位)
玉田君に、もう一度仕掛けようとしたのですが、行き場を失い転倒してしまいました。開幕勝利を飾れなかったことは、調子が良かっただけに悔しい。VTR1000SPWは、操ることを楽しめるマシンです。次は、必ず、ファンやスタッフの期待に答えたい。
青木助監督
路面コンデションが難しく、ライダーの我慢比べのようなレースで、ライダーの腕に頼る部分が多かったと思います。伊藤さんは、素晴らしいレースを展開していただけに残念ですが、次は、勝てると信じているので、期待していて下さい。
小野監督
雨が降ったり、止んだりで、チームにとっても、ライダーにとっても頭の痛いコンディションでした。何よりもアクシデントが起きないように、細心の注意を払ってタイヤ選択をし、決勝に挑みました。伊藤選手は残念でしたが、大きな怪我もなく、次は、頑張ってくれるでしょう。山口選手も健闘してくれました。チャンピオンの獲得を目指し、チーム一丸となって、次戦も頑張ります。
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