トーテリがニューマシンで総合優勝!
125では佐合がチャンピオン獲得!

ヒート2の表彰台、左から2位トーテリ、1位高濱、3位成田
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シリーズの最終戦を飾る日本グランプリ大会には、4メーカーが外人招待選手をエントリーさせ、セバスチャン・トーテリ(ホンダ)、エルネスト・フォンセカ(ヤマハ)、ブライアン・エミッグ(スズキ)、ミカエル・マスキオ(カワサキ)、チャド・リード(カワサキ)という豪華な顔ぶれが揃った。
中でも最も注目されたのは、この日がデビュー戦となったマシンを駆るトーテリ。ホンダのテントには、トーテリとこのマシンを一目見ようと詰めかけたファンで、黒山の人だかりとなっていた。
●250ヒート1
ホールショットを取った熱田孝高を先頭に、成田、高濱、そして注目のトーテリと、上位をレッドホンダが独占した。序盤、日本人3人によるバトルが小康状態を迎えると、トーテリが5周目に2番手に進出し、熱田とのテールトゥノーズがしばらく続く。
一進一退を繰り返す熱田とトーテリの間隔は、一時は2秒半ほど開く場面もあったが、12周目にトーテリが一気に前へ出ると、以後は独走態勢となる。最終的にはトーテリが熱田を18秒離してフィニッシュ。ホンダのニューマシンは、デビュー戦で勝利を収めた。
●250ヒート2
高濱がホールショットを奪ったが、注目のトーテリは2コーナーで前走者のクラッシュに巻き込まれて転倒。最後尾からの追い上げという試練を受けた。だがトーテリは、1周目26番手から毎周ポジションを上げ、7周目には3番手に這い上がる怒濤の追い上げを見せた。
トーテリの前では、2周目からトップに立った成田と高濱が競っていたが、トーテリの接近を知った高濱がここからスパート。11周目には成田をかわした高濱がリーダーとなり、独走に持ち込んだ。
終盤は成田の転倒を機にトーテリが2位に浮上したが、高濱が10秒の貯金を持ったまま逃げ切り、今季最後のヒート優勝で有終の美を飾った。

IA125チャンピオンを獲得した佐合
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●125ヒート1
戸田がスタートから飛び出したが、2周目からはフォンセカがトップに立った。タイトルに王手をかけていた佐合は、9番手スタートだったが、序盤はペースが上がらないまま、一時11番手まで後退してしまった。
中盤は激しいトップ争いに、観衆は騒然となる。一時は2番手に落ち着いたかに見えた戸田がフォンセカに襲いかかり、両者は何度もポジションを入れ替えた。この激しいバトルは、8周目に戸田がコースアウトして決着がつき、フォンセカが優勝した。
終盤、上位までポジションを回復してきた佐合は、勝谷、戸田に次ぐ4位でフィニッシュしたが、タイトル決定はヒート2に持ち越しとなった。
●125ヒート2
ホールショットのフォンセカを戸田がかわして、オープニングラップからトップに立つ。だが3周目からは、またしてもフォンセカがレースをリードし、戸田を引き離して行った。
このレースにチャンピオンがかかった佐合は、8番手から徐々に上位進出を図り、終盤には3位をキープする勝谷の背後まで迫った。
レースは独走のままチェッカーを受けたフォンセカが優勝。戸田、勝谷に続いて、4位でフィニッシュした佐合が、今シーズンのチャンピオンとなった。

ニューマシンを駆るトーテリ
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250cc
S.トーテリ(1/2位)
ヒート2ではスタート直後に転倒してしまい、最後尾から追い上げたけれど、トップの高濱が速くて追い付けなかった。でも、ベストを尽くした結果なので、総合優勝という結果には満足している。初めて乗るマシンだったけれど、パワフルで扱いやすくてとても気に入った。あとは自分自身のテクニックと慣れで、もっと速く走れるようになると思う。来季はこのマシンでAMAシリーズを戦いたいと思う。
高濱龍一郎(6/1位)
まぐれかもわかんないけど、トーテリに勝てたのがうれしい。めちゃくちゃ意識してましたよ。昨日の予選でも後ろびったり付いたつもりが、すぐに目一杯離されたりして、今日の公式練習でもクッソーって付いてったら抜くことができて、「おぉトーテリ抜いたぞ!」なんて思ってたんです。やっぱり前回でチャンピオンを決めておいたんで、今回は思い切りトーテリ勝負に集中できました。シーズン最後のレースを優勝で飾ることができたので、開幕戦のノーポイントなんて帳消しですね。
熱田 孝高(2/5位)
肩の荷が下りましたね。今日はランキング2位でシーズンを終えることを心がけてたので、ものすごいプレッシャーでした。ヒート1はトーテリを追いかけて思い切り走れたんですが、ヒート2ではラインが変わっていてコケちゃったし、その後はコケないようにと、そればっかり考えて慎重に走りました。結果的にランキング2位を取れたので、よかったです。でもね、来シーズンはオレがチャンピオンですよ。ハマー(高濱)はゼッケン1のプレッシャーで硬くなることになってますから、オレの予定では(笑)。オレが普通に走ればチャンピオンですよ。
125cc
佐合 潔(4/4位)
「みんなありがとう」って言いたいです。会社の人、スポンサーの人、ファンの人、それからメカニックの中川クン、みんなのおかげでチャンピオンを取れたんだって痛感してます。10年くらいA級やってきて、節目ができたなって感じです。ポイントリードが25もあったので、本当はヒート1で決めたかったんですけど、最初の3周くらいはやっぱり硬かったですね。ヒート2の最後は勝谷クンが前にいて、抜きたかったんですけど、あれが精一杯でした。会社員としての仕事をしながら、休日だけの練習で取ったチャンピオンなので、来年もキープできるかどうかはわかりません。でも、今年と同様に会社の理解を得て、今年以上の体制を作ることができたらいいなと思ってます。
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