高濱が今季初のパーフェクト(1/1)
125では佐合がランキング首位に

高熱を押して出走した高濱が完全優勝達成
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名阪スポーツランドのパドックでは、翌週に控えたモトクロス・デナシオン(国対抗団体戦/9月10日/フランス)に派遣される、日本代表チームの結団式が行われた。高濱龍一郎(オープンクラス)、熱田孝高(250)、成田亮(125)の3人は、ファンの前で「ベストを尽くしてきます」と決意を表明。成田がAMAナショナル参戦を中途で打ち切り、全日本に合流するなど、デナシオン壮行ムードに満ちた大会となった。
●250ヒート1
小池田(Y)がホールショットを取った。2番手には成田が付け、6番手に高濱。肩の脱臼から復調途上の熱田孝高は、スタートで出遅れながらも、オープニングラップで10番手まで挽回してきた。3周目に小池田が深く湿ったサンドにはまる隙に、成田がトップに躍り出て、レース前半のリーダーとなる。
熱田は5周目の転倒で16番手までポジションを失ったが、一方では高濱の早めの追撃が始まる。高濱は前々日から、急性甲状腺炎による高熱にうなされていたが、点滴と解熱を施しての出走となった。前走者を片っ端からかわす高濱は、8周目には小池田をパスして、リーダーの成田の背後に迫った。
11周目に高濱が成田をかわす。その後も食い下がろうとした成田は、AMAナショナルで捻挫した右足首を再度痛め、ペースダウン。終盤は高濱の独走でレースが決まった。

肩の脱臼からほぼ復調した熱田孝高
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●250ヒート2
ホールショットの小池田を大河原(Y)がかわして、2周目からリーダーとなる。2台の直後には、成田、高濱と続き、熱田も7番手に付けた。序盤は上位4台によるデッドヒートがしばらく続いたが、成田の脱落と高濱のチャージによって、やがて均衡が崩れることになる。
8周目、高濱が一気にリーダーの座を奪ったが、大河原も必死に食い下がり、高濱の独走を許さない。13周目には熱田が3番手に浮上。体調の優れない成田は、徐々に後方集団に飲み込まれていった。
25分頃までは、予断を許さない高濱と大河原の距離だったが、大詰めを迎えて高濱がリードを広げる。苦手のサンドで好スタートを揃えた高濱が両ヒートを制し、今季初の完全優勝を飾ったレースだった。
●125ヒート1
北海道大会で左手の人差指を骨折し、前大会を欠場したポイントリーダーの勝谷が復帰。ホールショットこそ佐藤(Y)に奪われたが、勝谷は1周目からトップに立った。だが、勝谷は3周目に藤本(S)に抜かれ、9周目には転倒もあって、5番手まで落ちてしまった。
前半リーダーを務めた藤本に代わり、10周目からは高見がトップ。高見は最大9秒のリードを築き、独走で今季2勝目を挙げた。
●125ヒート2
佐合がホールショットを取る。開始早々は戸田が前に出るシーンもあったが、バトルはやがて小康状態を迎え、佐合と戸田の間隔は少しずつ開いていった。
後半になると、佐合のリードは決定的となり、戸田を挟んだ3位には、スタートでクラッシュしながらも、ほぼ最後尾から追い上げてきた高見が浮上。佐合は終盤、余裕のペースダウンをしながら逃げ切り、今季3勝目をマーク。9位と振るわなかった勝谷に代わり、ここでランキング首位に躍り出た。

自分でシャンパンを浴びる高濱(中)
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250cc
高濱龍一郎(1/1位)
イェーイ! やった! ピンピン(1/1)や! 今年は誰もやってなかったから、めっちゃうれしいですよ。表彰台でも普通、シャンパンファイトってするじゃないですか。でも、今回は自分で自分にシャンパンかけて喜んでしまいましたね。なんか、自分を誉めてあげられるレースが、ようやくできたんです。これでも、一昨日、昨日と39度の熱があって大変だったんです、急性ナントカ炎で。薬で熱下げてなんとか走れましたけど、朝のうちはまだボーっとしてました。ポイントリーダーになってずいぶん経ちますけど、レースへの心構えは変わっていません。チャンピオンは意識しないで、ひとつひとつ思い切り走るだけです。あぁ、でもなんか、これで気持ちよくデナシオンに行けますね。
熱田 孝高(7/3位)
悔しい面もありますけど、久しぶりに表彰台に上がれたのは、正直言ってうれしかったです。昨日の予選でもコケてラストチャンスまで行くし、ちょっとリズムが狂ってはいましたね。でもグリッドが悪かったせいで、燃えましたよ。グリッドなんか関係ないですよ。だってヒート1なんて、スタート5番手ぐらいですよ。でも、1コーナーで幅寄せされたんで、アウトに逃げて崖を昇って、降りたら15番ぐらいでした。ハハハ。その後もフープスで前転しちゃって散々でしたけどね。でもヒート2の最後の方は、自分なりに結構いい走りができたと思います。それにしても、ハマー(高濱)のピンピンがついに出ましたね。デナシオンのエースは、オレじゃなくてハマーでしょう。でも、ヤツが元気になったのは、オレが復活したからですよ。これは言えます。次の菅生では、オレがピンピン決める番ですけどね。

世界に挑む高濱、成田、熱田
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成田 亮(3/7位)
デナシオン用の125をテストするために、ナショナルの最後の2戦をキャンセルして帰って来ました。だからこのところは、125ばっかり乗り込んでたんです。デナシオン仕様は走りますよー。バッチリ仕上がって、もうフランスに送ってあります。そんなわけで今日はいいとこ見せたかったんですけど、成績がイマイチで不甲斐ないです。体調がよくなかったのと、ナショナルで足首を捻挫したとこをまた痛めちゃいまして。でも、デナシオンでは心配ないです。
125cc
佐合 潔(3/1位)
総合もなんて初ですね。もう、とってもうれしいです。前回の名阪でも1ヒート勝ってるし、もともとここはサンドで得意でした。あと、両ヒートともスタートがよかったのが勝因でしょうか。スタート自体はあまり得意じゃなくて、スポンサーのDV8さんからも「ホールショット賞を出すようにしようか」みたいな冗談を言われてたんですけど、本当にホールショット取れちゃいましたね。でも、ランキング首位はヤバイっすよ、自分はサラリーマンだし。このままチャンピオン取れるなんて甘くは考えていないんで、気合を入れて残り3戦を頑張ります。
高見 俊次(1/3位)
ケガで休んでる人が多い中での優勝なんで、めっちゃってほどじゃないですけど、やっぱり地元で勝てたのがうれしいですね。ここから山ひとつ越えた名張市の出身なんです。だから友達がいっぱい来てて、前回の名阪のときなんか勝てなくて悔しかったんですけど。今回から'01マシンに変わって、めちゃくちゃ走ってくれたんで助けられました。ヒート2はスタートで、後輪とフェンダーの中に誰かが入ってきてコケちゃいました。ドベニ(最後尾から2番目)辺りから3位まで上がれましたけど、そんな速かったですか? マシンのおかげですよ。
勝谷 武史(5/9位)
北海道で骨折してから、6週間入院してました。オーストラリアにも帰らないで、ずっと日本の病院にいたんです。左手の人差指なんですけど、手術したし、あとはリハビリもやってましたから。久々のレースだったせいか、2ヒート目なんか、手がしびれちゃってクラッチが使えなかった。ポイント的には抜かれちゃったけど、次は得意の菅生だしオッケーですよ。次でひっくり返します。
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