熱田が練習中の転倒で肩を脱臼
欠場の間にポイントリーダーは高濱に代わる

高濱は熱田に代わりランキング首位に立つ
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全11戦の折り返し点にあたる今大会を、シリーズの流れを大きく変えるアクシデントが襲った。250の熱田孝高、125の勝谷、両クラスのポイントリーダーが、負傷に見舞われてしまったのだ。
熱田はレース前日のフリー走行中に転倒した際、左肩を脱臼してしまった。幸い軽症だったため、応急処置を施して出走への望みも残していたが、大事を取ってレースを断念。一方の勝谷は決勝ヒート1の開始直後の転倒で、左手の人差し指を骨折。再スタート後、完走を果たしたが、ヒート2は欠場を余儀なくされた。
●250ヒート1
大河原(Y)がホールショットを取り、小池田(Y)、芹沢、成田と続いた。ところがオープニングラップ途中にして、成田がスローダウン。電気系トラブルにより、成田は早々とリタイアを喫した。
高濱はスタートで出遅れて、15番手から追撃を開始した。3周目からトップは小池田に代わり、大河原以下を引き離しにかかる。小池田の独走態勢は、10分経過時点で確定的となった。
9周目、2番手にはスタート6番手から浮上してきた田中(K)が上がるが、12周目にパンクでリタイアした。
終盤、2位大河原の背後では、納屋(S)、田島(Y)、そしてここまではい上がってきた高濱による、三つ巴のバトルが展開される。高濱はこの競り合いに勝ち、小池田、大河原に次ぐ3位入賞。この時点で高濱は、欠場の熱田に代わってランキング首位に立った。

負傷後もファンサービスに努める熱田
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●250ヒート2
田中(K)が好スタートを切り、大河原、成田、田島、高木(K)らを従えて序盤をリードする。一方、高濱は再度スタートに失敗し、16番手からの追撃を開始した。
アメリカからの移動中に風邪をひき、体調のすぐれない成田は、徐々にペースダウンし、入れ替わるように高木がポジションアップする。しかし高木は、2番手に浮上した直後に転倒で脱落。中盤は田中、大河原、田島がトップスリーを占めた。
14周目に田島が大河原をかわして2位浮上。18周目には小池田が大河原をかわして3位浮上。ベテランの猛追を受けながらも、田中は常に6〜7秒のリードをキープし、スタートトゥフィニッシュで初優勝を飾る。
一方、後半の追い上げに定評のある高濱は、大河原の背後まで迫ったものの、5位でチェッカーを甘受した。
●125ヒート1
レース開始直後から、小島(S)が飛び出して快走する。このレースは序盤からアクシデントが続発。まずスタート4番手だった高見が、サイレンサー脱落によって黒旗。そして3位走行中の勝谷が、3周目の転倒で左手の人差し指をクラッチレバーに挟んで骨折。再スタート後は痛みをこらえながら、完走を目指すライディングとなった。
6周目、2番手益留(K)の後ろに、スタート6番手からポジションアップしてきた佐合が迫る。佐合は8周目には益留をかわし、照準をリーダーの小島に定めた。
8秒前後のマージンを少しずつ削り取る佐合の追撃に、小島は終盤の18周目に転倒。これでトップに立った佐合が、今季2勝目を挙げる。
勝谷は本来のスピードを出し切れないまま、13位で完走を果たした。

125表彰台、今季初優勝を遂げた高見(中)
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●125ヒート2
ホールショットを取ったのは加賀(S)。だがスタート5番手の高見が、6周目にはトップに躍り出た。一度リーダーとなると、高見はヒート1で被ったマシントラブルの無念を晴らすかのようにリードを広げ、中盤にして独走態勢を築いた。
終盤は、1周目13番手から追い上げた戸田が、小島を相手に激しい2位争いを演じたが転倒で自滅。今季初優勝の高見、小島、加賀に続き、戸田は4位でチェッカーを受けた。
ヒート2を欠場した結果、佐合が35ポイント差に迫ってきたが、勝谷のポイントリーダーの座は依然安泰だ。
250cc
高濱龍一郎(3/5位)
両ヒートともスタートで出遅れてしまって残念です。ストレートでちょっと引いてしまったんですが、無理しないことを心がけていたので仕方ないと思います。ポイントリーダーになれたことは、そりゃうれしいですけど、できればヨッシー(熱田孝高)に勝って追い抜きたかった。やっぱりチームメイトをケガで失うのはショックでした。これまで張り合ってきたし、頑張って少しずつ追い付いてここまで来たんだし……。でも、去年の今頃は自分もケガで欠場していたし、これもレースで仕方ないことです。これからも何が起こるかわからないので、楽観はしてません。ランキング2位のヨッシーとの差を気にするんじゃなくて、前だけを見てチャンピオンに近づいて行きたいと思います。
熱田 孝高(DNS)
なんかフリー走行でリラックスしすぎてたのか、アキラ(成田)とバトッてた時にボテっとコケたらやっちゃったんです。こんなことってあるんですね。脱臼した後、すぐにトレーナーに入れてもらいました。でも痛くて……。今日も公式練習走ろうと思ってたんですが、再来週は藤沢(第7戦東北大会)があるし、大事を取って止めました。ケガで欠場するなんて、初めての経験なんですよ。ポイントリーダーはハマー(高濱)にやっちゃったけれど、決まったわけじゃないし……。これでシリーズが面白くなったでしょ?

佐合は堅実な走りで2勝目
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125cc
佐合 潔(1/5位)
淡々といいペースで走ってたら、みんなコケてくれたもんで勝てたって感じですね。タクマ(小島)がコケたのを見たとき「ニコ!」ってしちゃいました。和寒のコースは硬いので、はっきり言って苦手なんですけどね。自分はサンド系が得意ですから。今までは、’00のフレームに’01エンジンを積んでたんですが、今回からは完全な’01マシンです。去年も加賀クンが、ここで’00デビューウインを飾ってるし、CRの成果を見せられてうれしいです。
高見 俊次(29/1位)
ゴールした瞬間は「よかった〜」って感じでした。だって、このまま1勝も勝てへんのかなって不安でしたから。でも、勝ったのはうれしいけど、勝谷に勝ちたかったです。勝谷がいる時に勝たなきゃ意味ないですよ。ヒート1があれだったから、ヒート2は勝ってやるって気合い入ってました。マシントラブルはあるけれど、自分がコケてだめなときもあるから、お互いさまですよ。次は勝谷に勝ちますからね。
勝谷 武史(13位/DNS)
転倒して起き上がった時「折れてるかな」とも思ったけど、でも走ってみたら「走れてるんだから平気なのかな」と思ってました。ヒート2は休みましたけど、次の藤沢(第7戦東北大会)は休んでいられないから、手術して出るつもりです。
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