成田・高濱・熱田ワンツースリーフィニッシュ
勝谷が完全優勝でランキング首位浮上

高濱はランキング首位の熱田に急迫した
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昨年来、設備の充実が著しいスポーツランドSUGOだが、今大会のためにコースレイアウトにも手直しが施された。この改修により、1970年代の名物だった「大坂落とし」が20年ぶりに復活。最終コーナーに向かって急勾配を一気に下るこのセクションは、接戦を演出する名物として、新旧のモトクロスファンに歓迎された。
好天に恵まれたコースは、硬い路面の随所にパウダー状の土が積もっていたため、レースのインターバルの度にスプリンクラーや散水車をフル稼働したメインテナンスが行われていた。
●250ヒート1
高濱がホールショットを取り、序盤からトップを快走した。2番手には小池田(Y)、その後ろにはAMAナショナルを3戦こなして帰国した成田がつける。ポイントリーダーの熱田孝高は、1周目の混乱で13番手と出遅れた。
2〜3秒のリードを保って前半を消化した高濱は、後半になると小池田を突き放し、独走態勢を固める。3番手、成田の背後には、出遅れを挽回してきた熱田が迫り、上位に向かってプレッシャーを押し上げる形になった。
30分を迎える頃、成田が小池田をかわして2位に浮上し、トップの高濱に急接近。5秒ほどあったリードは、1秒強まで削り取られたが、ラスト2周でスパートした高濱が逃げきった。2位成田に続き、3位には最終ラップで小池田をかわした熱田が入賞し、表彰台は今季初のホンダによるワンツースリーとなった。

AMAのスピードを発揮した成田
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●250ヒート2
1周目の2コーナーでトップに立った熱田を、高濱、大河原(Y)、成田が追いかけた。成田は大河原、高濱、熱田を立て続けにかわし、5周目にはトップに躍り出る。
成田が熱田と高濱を従えたトップスリーは、やがて大河原以下を引き離し、ヒート1と同じメンバーが表彰台を独占しそうな気配が濃厚になる。成田は中盤で2秒強のリードを築いたが、依然として直後に熱田と高濱が控え、予断を許さない状況が続く。
終盤を迎えると、熱田と高濱が成田に迫り、三つ巴のまま最終ラップに突入。まず熱田が成田の前に出たが、周遅れが現われてベストラインを取れず、その隙を突いた成田がトップを奪い返す。さらに高濱が、大坂落としの手前で熱田をかわして2位浮上。最終ラップのバトルにより、成田、高濱、熱田と再構築された順でチェッカーを受けた。
1〜2位の差が0.39秒、2〜3位の差が0.46秒という熱戦は、この日2度目のワンツースリーフィニッシュ。この結果、ポイントリーダー熱田と、ランキング2位高濱の差は、17ポイントから10ポイントと詰まった。
●125ヒート1
勝谷がホールショットを奪い、01モデルCRを駆る細野、益留(K)を従えてトップを走る。ポイントリーダーの高須(S)は、15番手から追撃を開始したが、3周目の転倒で負傷リタイアとなる。
序盤は細野の追走を許していた勝谷だが、中盤になると10秒強のリードを蓄え、独走態勢に持ち込んだ。最終ラップ、安泰の勝谷、細野に次ぐ3番手争いが、益留と高見の間で激化したが、大坂落としの先のコーナーで2台が接触転倒。代わって3位には、スタート13番手から這い上がってきた佐合が入った。
このヒートの優勝で、勝谷はランキング首位に浮上した。
●125ヒート2
オープニングからトップに立ったのは細野だったが、2周目からは加賀(S)がレースをリードした。勝谷はスタートで出遅れてしまい、8番手から追撃を開始した。
加賀は最大5秒のリードを持ったが、中盤になるとペースダウン。背後には細野に代わって、高見と勝谷が迫る。14周目には高見がトップに立つが、16周目には勝谷が前に出てそのまま逃げきり。第3戦ヒート2以来の5連勝で、勝谷はタイトル防衛への足場を固めた。

250表彰台、成田(中央)高濱(左)熱田(右)
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250cc
成田 亮(2/1位)
うれしいです。ヒート1はスタート3番手だったけど、ペースなかなか上がらなくて……。みんな速かったです。でも、途中から孝高さんが追い上げてきたので、「抜かれたくない」と思ったらペースが上がりました。ヒート2もホンダのワンツースリーでしたが、プライベートでも頑張ればワークスに勝てることを見せられたのがうれしいです。孝高さんとはあちこちで何度も当て合ったので、できればもっとすんなりと勝ちたかったです。アメリカでは毎週レースがあったので、なんかレース慣れっていうかリズムがいい感じです。来週はまたAMAナショナルに出るんで、アメリカに戻ります。
高濱龍一郎(1/2位)
ヒート1は理想的に勝てたのに、ヒート2も含めて振り返ると、うーん……イマイチでしたね。総合は成田に取られてしまったし……。でもランキング的に見ると、ヨッシー(熱田孝高)との差を7ポイントも縮めることができたし、それはすごいうれしいですよ。あと10点でしょ。今年の目標のチャンピオンに、着々と近づいているんですから。ヒート1の展開はベストでした。スタートで飛び出して、ある程度したら追い付いてきたのがわかったからペースアップして、同じタイムを出して間隔を保ってゴールですから。ヒート2は前の2人を見てたっていうか、見すぎましたね。これは次への教訓です。けど、エキサイトして楽しいレースでした。
熱田 孝高(3/3位)
3位は悔しいですけど、楽しかったし勉強にもなりました。でも、ホンダのワンツースリーっていうのが、うれしいじゃないですか。やっぱりホンダのバイクが一番ですよ。ヒート1はスタート自体は悪くなかったんですよ。6位ぐらいで回って、でも次でオレの前で人がコケて、また行ったらまたコケて、気付いたら10何番手でした。そこからの追い上げは疲れましたけど、ハマー(高濱)とかも結構見えていたから頑張れました。ヒート2のバトルは楽しかったです。当てられたし当てたし、という激しいバトルでしたが、まあそれほど無理な当てじゃなかったし、よかったんじゃないですか。最終ラップにトップに立ったんですが、周遅れで詰まってアキラ(成田)に抜かれ、ハマーにも抜かれてしまいました。次はもっと早めに前に出て絡みたい。ピンピン(1/1)取りますよ。

勝谷は5戦目でランキング首位浮上
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125cc
勝谷 武史(1/1位)
朝のプラクティスでクラッシュしたときに腹を打ったから、レース序盤はちょっと気持ち悪かったんです。でも途中から調子上がってきましたよね。展開的にはイメージ通りにスタートがうまく決まって、よかったと思います。菅生は地元のコース(オーストラリア)に似ているので、特に滑りやすいところなんか得意意識を持っていました。でもヒート2は、スタートよくなかったですね。最初の4周は緊張しちゃって、走りがダサかったでしょ。でも前のライダーがペースダウンすることはわかっていたので、最初は無理せずに様子を見てました。中盤からペースを上げればいいやって。
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