高濱(2/1)熱田(1/2)ワンツーフィニッシュ
勝谷パーフェクトウィン(1/1)

高濱は今季2勝目をマークした
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ホンダ熊本製作所の敷地内にあるHSR九州は、テストコースを整備し、九州におけるモータースポーツ活動拠点として発展してきた会場だ。今年は本部棟、外周路、洗車場、撒水態勢などのリニューアルに加え、コースにも新しい土を運び込んでのメンテナンスが施されていた。元来の阿蘇のソフトな黒土と、ハードな赤土が混在するコースである。
予選の行われた土曜は、時折雨もぱらつく曇り空だったが、決勝日の日曜は好天に恵まれ、コースコンディションも近年の九州大会の中ではベストだった。
依然として小田切を膝の負傷で欠く、TEAM HRCではあったが、熱田孝高が予選A組、高濱が予選B組を各々トップで通過しており、決勝における二人の活躍が前日から期待されていた。
なお、前戦で初優勝をマークし、シリーズランキング2位につけていた成田は、日程がAMAナショナル開幕戦と重なるために、今大会は欠場。成田は今年、AMAに全戦エントリーする計画なので、この後も第7戦と第8戦を欠場する予定だ。
●250ヒート1
高木(K)がホールショットを取り、元木(S)、田島(Y)、田中(K)、釘村(Y)らが上位グループを形成。その集団の後ろ、6番手に熱田孝高がつける。一方、高濱はスタートに失敗し、1周目20番手と出遅れた。
序盤からアグレッシブな走りを見せる熱田は、前方の混戦に割って入り、4周目には高木をかわしてリーダーとなる。トップに立った熱田は、他を1〜2秒上回るハイペースで、リードをぐんぐん広げた。
レース後半に差しかかる頃には、熱田は完全に独走態勢を築いていた。2番手の高木に対するリードは最大で14秒。だが、その高木を先頭としたセカンドグループの背後には、スタートの出遅れから這い上がってきた高濱が迫りつつあった。
13周目に6番手まで浮上した高濱は、小池田(Y)、田中、大河原(Y)と立て続けに抜き去り、17周目には高木をかわして2位を確保。その後、トップとの差を9秒まで縮めたが、逆転までには至らず。結局、大量リードを生かした熱田が逃げきり、高濱は2位でチェッカーを受けた。

熱田はランキング首位をキープ
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●250ヒート2
ヒート1の失敗とは打って変わり、高濱が見事なホールショットを決めた。2番手以降には大河原、熱田孝高、田島、小池田らが控える。上位集団の間隔は徐々に広がりながらも、ポジションには変動のないまま、息詰まる時間が15分ほど続いた。
最初の異変が起きたのは10周目のこと。熱田が転倒を喫し、3番手を田島に譲った。挽回を図る熱田は、前を行く田島と大河原を追い回し、バトルはやがて三つ巴となる。16周目、熱田は先行していた2台の4ストマシンを立て続けにかわし、2位に躍り出た。この後、大河原が転倒リタイア、田島が転倒で後退。代わって3位には田中が上がる。
熱田が2位に浮上したとき、高濱にはすでに11秒強のリードがあった。残る周回4周では逆転はならず、今度は高濱、熱田の順でワンツーフィニッシュとなった。
総合優勝をものにした高濱は、欠場した成田に代わってランキング2位に浮上したが、この日の獲得ポイントが高濱=17/20、熱田=20/17と同点だったため、首位熱田との差は、依然17ポイントのままだ。
●125ヒート1
溝口(K)がホールショットを取ったが、2周目からは勝谷がリーダーとなり、早々と独走態勢を築いた。勝谷を追うライダーは、須田(K)、川田(Y)と入れ替わったが、スタート12番手だった戸田が5周目に2番手に浮上する。
8周目には、さらに後方から追い上げて来た高須(S)が、戸田をかわして2位へ。これで勝谷、高須、戸田の上位3台が確定する。勝谷を時折上回るペースで追走した高須だったが、9秒ほどの差を詰めきることはできず、勝谷が逃げきりでチェッカーとなった。
●125ヒート2
佐合がホールショットを取り、序盤をリードした。2番手には溝口、その後ろには勝谷が控えていた。勝谷は5周目に溝口をかわすと佐合に詰め寄り、8周目にはリーダーとなる。
ペースの衰えた佐合の背後には、後方から追い上げて来た戸田が迫り、15周目には2位の座が入れ替わる。そして17周目には、スタート22番手から這い上がって来た高須が、佐合をかわして3位。
結局、勝谷が戸田の追撃を3秒差で振り切り、両ヒートを制覇。前戦以来3ヒート連続の勝利を重ねた勝谷は、ランキング首位の高須に1ポイント差と迫っている。

250ヒート2の表彰台、熱田(左)高濱(中央)
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250cc
高濱龍一郎(2/1位)
ファンのみなさんの声援と、マシンやタイヤやスポンサーのおかげで勝てました。めちゃうれしいです。ヒート1はちょっと集中力が切れたみたいで、スタートに失敗しちゃいましたけど、いっぱい乗り込みをやってたので、2位まで追い上げることができました。疲れましたけど……。予選のときからスタートがうまく決まらなくて、ずっと悩んでたんですけど、ヒート2ではようやく決まりましたね。ホールショットを取れたんで、あとは楽な展開でした。ヨッシー(熱田孝高)とのポイント差は詰まらなかったけれど、しようがないです。
熱田 孝高(1/2位)
ヒート1は最初っから前に出られるように、気合い入れてました。あとはバイクに助けられたって感じで、楽に勝てました。ピンピン(1/1)狙ってたんですけど、ヒート2ではミスでスリップダウンもしたし、序盤でペースが上がらなくって、ハマー(高濱)まで届かなかったですね。まだまだ自分は甘いって思いました。総合はハマーに取られましたけど、ポイントは同点だし、チームメイト同士でワンツー決まったし、まあいいかな。

完全優勝を果たした勝谷は3連勝中
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125cc
勝谷 武史(1/1位)
連勝ですけど、ようやくスタートが決まるようになったのが、好調の理由でしょうね。あと、オーストラリアではマイケル・バーンやアンドリュー・マクファーレンと一緒に練習してるので、スピードもついてきた感じ。速いライダーと練習しないと、速くなれませんよね。ヒート1では高須クンに追い付かれてたのはわかってたんですが、自分も終盤は何度かミスしてペースが落ちてたので……。ランキングはまだ高須クンが上ですけど、次の菅生で逆転します。このあとはオーストラリアには帰らないで、アメリカに行きます。AMAナショナル走ってきます。まず予備予選通過ですよね。落ちたら? 速攻、帰ってきます。
戸田 蔵人(3/2位)
表彰台はA級になって初めてなんで、すごくうれしいです。ここまでずいぶんかかったんで「やっと」って感じです。相手を気にしないで、練習のつもりで自分の走りを心がけたので、100%が出たのかなと思います。コースとの戦いでした。
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