ホンダが両クラス4ヒート制覇!
熱田孝高はランキング首位キープ!

ヒート1で2勝目を挙げた熱田
|
好天に恵まれた名阪スポーツランドは、アップダウンに富んだ山砂のコース。昨年のリニューアルにより、全く新しいレイアウトに生まれ変わったコースには、今回からフープスなどのテクニカルセクションも追加され、激しいバトルが繰り広げられた。
ホンダはこの日、国際A級125・250の4ヒートすべてにおいて完勝。熱田、成田、佐合、勝谷と、レースごとに異なるウィナーが、CRの優秀性をアピールする形となった。
なお、前大会で膝を痛めてリタイアした小田切は、今回は欠場となっている。
●250ヒート1
好スタートを切った大河原(Y)を、高木(K)、成田、小池田(Y)、中山らが追う。チームHRCの熱田孝高は1周目10番手、高濱は21番手と出遅れ、この位置から追撃を開始した。
4周目、成田が一瞬トップに立ったが、すぐに大河原が返り咲き、再び上位グループをリードする。9周目にはスタートで出遅れていた熱田が2番手に浮上して、前を行く大河原を追う位置につけた。
ここからスパートした熱田は、1周あたり1〜2秒詰めるハイペースで大河原に迫る。熱田は13周目のフープスで大河原に並び、一気にトップへ。大河原に次ぐ3番手には、中山が浮上した。
リーダーとなった熱田は、残る周回で大河原を少しずつ離し、3秒弱のリードでチェッカー。熱田は今季2勝目をマークをした。3位の中山は、最終ラップで成田のチャージをうけながらも、難なくしのいで初の表彰台をゲット。出遅れていた高濱は、5位小池田を挟んだ6位までポジションを挽回した。

昨年改修された山砂のコース
|
●250ヒート2
小池田がスタートから飛び出し、大河原、成田、熱田孝高、田島(Y)と続く。高濱は15番手と出遅れた。リーダーは2周目に大河原、5周目に成田と目まぐるしく変わったが、8周目には熱田がトップに出て、序盤の混戦に小康状態が訪れた。しかし熱田は10周目にマシントラブルでリタイア。これでリーダーの座は、小池田に明け渡された。
12周目、成田が小池田をかわして再びトップに立ったが、フープスでバランスを崩した際に小池田と田島の先行を許す。しかし成田は、終盤のスパートで16周目には2番手、ラスト2周でトップに返り咲き、今季初優勝を獲得。2位小池田、3位田島に続き、4位にはラスト2周で大河原をかわした高濱が入った。
●125ヒート1
佐藤(Y)、長田(S)に続いて、3番手スタートを切った佐合が、3周目からレースをリードした。ディフェンディングチャンピオンの勝谷は、スタート4番手につけたが、序盤トップ争いに絡んだ際に転倒。11番手からの出直しとなった。勝谷は他車と接触してチャンバーを凹ませてしまい、パワーダウンを強いられての追い上げとなった。
中盤にして独走態勢を築いた佐合は、2番手の小島(S)、3番手の益留を後方に従えて、余裕のレースを運ぶ。トップスリーには最終ラップまで変動はなかったが、4番手まで追い上げてきた勝谷が、フィニッシュ目前で益留に仕掛けて両者転倒。この間に高須(S)が3位をゲットする。
佐合にとってこの優勝は8年ぶりの快挙。近年は本格的な参戦をしていなかった佐合だが、見事なカムバックを果たした。
●125ヒート2
井上(K)が好スタートを切った後、トップは細野、高見と入れ替わった。高見は6周の間リーダーを務めたが、背後にはスタート6番手から浮上してきた勝谷が迫り、10周目には勝谷がトップに躍り出た。
その後4秒ほどのリードを築くと、勝谷は今季初優勝に向けて余裕のライディングを披露して行く。14周目には益留に代わって、前戦からの宿敵である高須が2番手に上がったが、勝谷はリードを保ったままチェッカーを受けた。

今季初優勝の成田
|
250cc
成田 亮(4/1位)
トップに立ったとき、これはヤバイと思いました。でも、疲れたんですけど、気合で頑張りました。ヒート1の4位は実力通り、ヒート2の優勝は幸運です。いろいろ上の方で荒れましたが、自分もミスを連発しましたから。去年折った大腿骨は治ったんですが、まだ筋力的には80%ぐらいで、だから持たないんです。それに、先週練習中にでっかい2連で前のマシンに追突して、今もたぶん肋骨にヒビが入っているんですよ。だから脚だけじゃなくて、今回は走ってる間じゅう、胸も痛かったです。
熱田 孝高(1位/リタイヤ)
ヒート1は計画的な走りで勝てたんで、うれしかったです。スタート10番手あたりだったけれど、前にアキラ(成田)がいたんで、きっとかき回してくれるし、みんな落ちてくるのわかってたから、それまで待ってました。昨日の予選でぶっ飛んだときに、ちょっと腕を痛めてたし、ちょっと自分も疲れそうな兆候があったから。我ながら素晴らしいクレバーなレース運びだったと思います。ヒート2は止まっちゃって残念でしたけど、レース展開自体には満足してるし、自分には問題なかったので、ちょっと予定外だけどまあしようがないんじゃないすか。

250ヒート1の表彰台、中山(左)熱田(中)
|
高濱龍一郎(6/4位)
両ヒートともスタートに失敗して、追い上げの展開だったので、まあボチボチでしたか。波に乗れないままレースが終わってしまったという感じです。サンドは嫌いですね。でも、タイムはヨッシー(熱田孝高)よりも良かったし、走りも悪くなかったと思います。追い上げのエンジンかかるのが遅すぎましたね。次は去年ピンピン(1/1)の熊本だから、見てて下さい。
中山 裕(3/6位)
3位だなんて、夢かと思いました!250の表彰台、初めてですから。だいたい上の方なのはわかってたんですが、ゴールするまで知らなかったんです。兄貴(メカニック・中山透・国際A級)がサインで教えてくれなかったんですよ。僕の性格をよく知ってるから、3位だなんてサイン出したら僕が硬くなると思ったんでしょうね。この名阪は125時代に初優勝したところなので、いい感じで走れました。
125cc
勝谷 武史(7/1位)
ヒート1は2周目に他車とぶつかった時にチャンバーが凹んでしまって、パワーが出ないまま走ってたんです。2連も飛べないくらいで。最後は無理して益留クンに仕掛けたんですが、二人で転んじゃいました。これもレース、しかたないですね。ヒート2は考えて冷静に走りました。去年は初優勝が4戦目。それに比べて2戦目で勝てたので、うれしかったです。やっぱりディフェンディングチャンピオンですから、早く1勝挙げたかったんですよね。ホンダに移籍して1年目ですが、マシンは乗りやすいし、エンジンもサスも最高なんで、感謝しています。
佐合 潔(1/10位)
うれしいですね。125の優勝は91年以来、250では92年に1勝してますが、8年ぶりでしょう。自分は今、ホンダの浜松製作所に勤める社員で、プロとして走ってるライダーとは違うので『いいのかな、他のみんなに悪いな』とか『明日仕事あるし、ケガはまずいな』なんて思いながらトップ走ってました。これでも今年は結構乗れてきてたんです。またちょっと真面目にレースやろうかと思って、土日の休みに毎週練習してたんで……。これから全開で帰って、チーム(浜松エスカルゴ=ホンダ社員チーム)のみんなと騒ぐ予定です!
|