マディコンディションの中でのサバイバル開幕戦
熱田高輝が総合2位(3/4)熱田孝高が4位(7/2)と健闘

ホンダ移籍後初レースで総合2位をゲットした熱田高輝
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サミットで盛り上がる沖縄に誘致されたもう一つのビッグイベント、それが当地で初開催となる全日本選手権の開幕戦だった。本土で行われる大会とは異なり、国際A級250クラスのみの開催となるが、二輪スポーツに対する関心も高い土地柄を反映して、多数のファンが悪天候にもかかわらず会場を訪れた。
本来ならば明けているはずの雨季が長引き、生憎の空模様となった。フリー走行が行われた土曜日は雨、日曜日には雨が上がることもあったが、たっぷりと水を含んだ特設会場の粘土は超マディと化し、波乱含みの開幕となる。コンディションの悪化により予選はキャンセルされ、決勝2ヒートのみのプログラムとなった。
ヒート1、ホールショットを取ったのは、3年間のAMA修行を終え、今季からフル参戦となる小池田(Y)だった。1コーナーに飛び込んだ28台のマシンは、先頭以外は早くも泥だらけになり、ゼッケンの判別すら困難な状況だ。小池田の直後には高濱がつけたが、転倒で後退。これで小池田、田中(K)熱田高輝、榎本(S)、小田切、高木(K)という上位陣がほぼ固まる。

国際A級は今年から赤ゼッケン
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小池田はわずか数周で20秒のリードを築き、後半まで独走を続けていたが、11周目に転倒を喫し、トップは後方から徐々にポジションを上げてきた高木に代わる。終盤2番手には熱田高輝が浮上したが、田中にかわされて3位に後退。高木、田中、熱田高輝、小池田の順にチェッカーを受けた。
ヒート2では、成田、高濱、小池田、熱田高輝、芹沢らが好スタートをきって1コーナーをクリアしたが、高濱が2コーナーで転倒。序盤のオーダーは、成田、芹沢、熱田高輝、小池田、中山、熱田孝高らが上位を占めた。
雨が止んで重くなる泥の中、成田は最大32秒のリードを蓄えたが、12周目に転倒で貯金を使い果たし、背後には芹沢に代わって浮上してきた小池田が迫る。ここで成田はマシンのコントロールを失いコースアウト。残り3周でリーダーとなった小池田がそのままチェッカーを受け、2位には着実にポジションを上げてきた熱田孝高、3位には成田が入賞した。

サイティングラップの熱田孝高
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熱田 高輝(3/4位)
スズキのワークスに行ってて、久々にホンダに帰って来たんですが、マシンは半端じゃなく調子いいです。練習でも乗れていたので、転ばないように走ればいいとこ行けるかなと思ってました。スタートもそこそこよかったし……。ホンダカムバック1戦目ということで、すごく緊張しました。ヒート1で表彰台に上がっちゃったんで、ヒート2なんかもうプレッシャーすごくて……。今回はいくら成績がよくてもマディだったので、晴れのレースでどれくらい走れるのかまだわからないでしょう。だから次の広島が自分にとっての開幕戦だと思ってます。
熱田 孝高(7/2位)
ヒート1は序盤で調子こいて2連で前回りしちゃいましたね。すっげー痛かったっす。で、バイク起こしたら、グリップが泥だらけになっちゃってて、もうそれでだめでしたね。ヒート2はコケないように走ってたら、前の人がどんどんいなくなってくれたんで、助かりました。途中で小池田の後ろまで追い詰めたんだけど、周遅れにラインふさがれたり、泥が重かったりで抜けませんでした。もう、こういうマディ大嫌いなんですけど、そんな中で2位だからオーライですね。
成田 亮(19/3位)
ヒート2ではトップ走れたんですけど、ラスト3周あたりでしたっけ、13秒以上離れてたはずの小池田さんが真後ろまで迫ってきて、焦ってコースアウトしちゃいました。半年ぐらいレースしてなかったから、バトルに慣れてないんですかね。去年折った大腿骨がまだ完治していないので、練習でも5分ぐらいしか本気で走れてなかったんです。レースになれば気合で20分ぐらい乗れますけど。優勝できたら最高だったけれど、この足じゃそんな成績は期待してなかったので、3位でもすごい十分です。
高濱龍一郎(23/10位)
スタートは両ヒートとも良くて2番だったんですが、どっちもコケました。早めに勝負かけて前へ出ようとして、いろんなライン探ってみたんですが、上手く行かなかったですね。悔しいですよ。まだ自分をマシンに合わせきってないとこがあって、ボク的にはそこが悔しい。小池田ですか? 1周目、後ろについて走ったとき、なんだこんなもんかって思うぐらいのペースだったから、勝てる自信はあります。もっと乗り込んで自分をマシンに合わせれば、全然オッケーです。頑張りますよ。
小田切一剛(22/19位)
両ヒートもリタイアでした。クラッチを使い切っちゃいました。転倒はしなかったんですが、去年骨折した足がまだ痛くて、後半はペースが落ちたみたいです。
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