ラ・ロッコが地元インディで迎えた誕生日を自ら祝う2位入賞!

「追い上げのラ・ロッコ」の異名を地で行く
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今回のレースは、現在ランキング3位につけているラ・ロッコにとって、特別なビッグイベントだった。モータースポーツの町、インディアナポリスは、インディアナ州出身のラ・ロッコの地元ラウンドであり、RCAドームで行われるスーパークロスでは、例年好成績を残してきた実績がある。加えて今日、2月12日はラ・ロッコの29歳の誕生日という、またとない巡り合わせだ。
いきおい、61,000席が設けられたアメリカンフットボール用のRCAドームには、ラ・ロッコの今季初優勝を願うファンが押し寄せ、有料入場者数は52,102人を数えた。ドームの外は凍りつくような寒さだったが、密閉されたエアドームの中は熱気に満ち、ポイントリーダーのマクグラスだけでなく、地元のラ・ロッコも持ち上げる心憎い演出によって、大観衆の興奮はスタート前からボルテージが上がっていた。

ラ・ロッコの地元RCAドーム
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ポイントリーダーのマクグラス(Y)は、風邪で練習不足だったため、この日は無理しないことを公言していたが、決勝の蓋を開けてみれば、ホールショットはいつものようにマクグラスのものだった。2番手以下にはビーラマン(Y)、ウインダム、ラ・ロッコ、アルバーティン(S)、カーマイケル(K)、ハフマン(S)と続く。トーテリはスタートに失敗し後方集団の中だった。
しばらくしてスタート直後の混乱が収まると、マクグラスが少しリードを広げる。だが、ウインダムがビーラマンを抜いて2番手に浮上すると、トップ2台のバトルが始まった。マクグラスとウインダムのハイペースは、3番手以下のグループを3〜4秒離し、一騎打ちの構図が出来上がる。
スタートを苦手としているラ・ロッコも、4番手のポジションから上位進出を伺うが、背後に接近してきたカーマイケルに、しばし防戦を強いられた。

表彰台に復帰したラ・ロッコ(右)
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折り返し点を表わす10周目のサインがマーシャルから出される頃から、ウインダムのペースが落ち、マクグラスの独走を許してしまう。ウインダムはビーラマン、ラ・ロッコ、カーマイケルらに次々と抜かれ、表彰台も絶望的となった。
終盤になると、追い上げのラ・ロッコが本領を発揮しだす。序盤も争った相手、3番手を走行するビーラマンを今度こそ捉え、コーナーごと、セクションごとにチャージを仕掛けた。トップのマクグラスは10秒強のリードでクルージングに入っていたため、観衆の目はこの熱い2番手争いに集中する。コーナーでビーラマンのインにラ・ロッコが飛び込むと、ドームの中には声とも音ともつかない異様な空気の波が轟く。ラ・ロッコがビーラマンをかわして2位を確保した瞬間、この日のリザルトが確定した。
独走で4勝目をマークしたマクグラス。その差を9秒にまで切り詰めたラ・ロッコは、地元で迎えた誕生日を優勝で飾ることはできなかったものの、肩の負傷からカムバックを告げる堂々の2位をゲットした。
M.ラ・ロッコ(2位)
序盤のうちに逃げられてしまったね。もし、前半10周の間にマクグラスを視界に留めておければ、後半10周で彼と勝負ができることはわかっている。自分はスロースターターなんだけど、調子が出てきた頃にはもう、マクグラスはものすごいリードを作ってしまっていた。今日は2位でもオーケー。来週は前半10周をなんとかできるように頑張るよ
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