宇川/加藤組、VTR1000SPWでホンダ4連勝の新記録を達成!!

ゴールを目指す、215ラップの新記録で優勝の宇川
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ホンダは、今季デビューのVTR1000SPWを伊藤/岡田組、宇川/加藤組、エドワーズ/ロッシ組が駆り、8耐参戦することになった。事前テストから、順調にマシンのセットアップを詰め、3台は文句なしの優勝候補として鈴鹿に乗り込んだ。
ホンダにとっては、4連勝がかかった8耐。過去2度、8耐勝利を経験している岡田、伊藤、宇川にとっては、日本人初の3勝が掛かっていた。ホンダは、予選で2分6秒台、決勝では214周の最多周回記録を塗り替えることを目標としていた。
木曜日のフリー走行で、岡田が転倒、左足首を負傷してしまう。松葉杖を使わなければ歩けないほどのケガで、関係者を心配させたが、岡田選手は、参戦を決意する。スペシャルステージの結果、宇川/加藤組は4番手。伊藤/岡田組は5番手、エドワーズ/ロッシ組は、6番手と上位につけた。ケガをしながらも、好タイムをマークする岡田の健闘に賞賛が集まった。だが、決勝朝のフリー走行で、再び転倒してしまい、第3ライダーの鎌田が出場することになった。

決勝のスタート風景
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決勝は、スタートから果敢なトップ争いが繰り広げられ、エドワーズ/ロッシ組が、主導権を握る。だが、トップを行くロッシが転倒してしまう。
その直後、ペースカーが入り、バラけ始めていたトップ争いの差が詰まる。タイヤ選択のミスで、ペースの上がらなかった宇川/加藤組は、このペースカー導入がプラスに働き、一気にトップ争いの主役に踊り出る。42ラップ目、トップに立つと、追いすがる井筒/柳川組(K)との壮絶なバトルを展開、8万人の大観衆から大声援を浴びる。だが、その争いも長くは続かず、宇川が柳川を突き放し、独走体制に持ち込む。172ラップ目、井筒がS字で転倒、安定したハイペースで周回を重ねる宇川/加藤組に追いつくものはいなくなった。だが、暗闇が迫る200ラップ過ぎ、雨が落ちる。だが、その雨も止む。宇川は、215ラップの新記録を樹立して感動のチェッカーを潜り抜けた。
表彰台へとなだれ込む大観衆の「宇川コール、加藤コール」が鳴り響く。その声援に応え、二人はツナギをプレゼント。盛大なシャンパンファイトを繰り広げた。
前人未到の4連勝は、宇川/加藤組によってもたらされた。VTR1000SPWは、デビューイヤーの8耐で勝利を収め、加藤は、6回目の挑戦で8耐初優勝を飾り、宇川は日本人として初の3勝を挙げた。
伊藤の転倒で順位を下げた伊藤/鎌田組は、最終的に8位まで挽回してチェッカー。エドワーズ/ロッシ組は、再スタートし、8位まで挽回するが121ラップ目にエドワーズも200Rで転倒してしまい、リタイヤとなった。
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記者会見を受ける加藤と宇川
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ピットインする8位の伊藤
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宇川 徹(優勝)
最後の走行中に雨が落ち、暗いので、どれくらいの量かわからず、ドキドキでした。8耐は、最後の最後まで、本当に何が起きるかわからないので、チェッカーを受けるまで、勝利を確信することは出来なかった。加藤選手となら、勝てるだろうと思っていた。その通りになって、本当に嬉しい。ホンダ4連勝、僕自身は、3度目、VTR1000SPWにとっての8耐初優勝と、初めてづくめで、嬉しさ倍増です。

トロフィを掲げる宇川と加藤
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加藤大治郎(優勝)
6回目の8耐で、やっと、勝つことが出来た。表彰台も初めてで、嬉しいです。でも、本当は、まだあんまり実感がない。表彰台では、ツナギを脱ぐのは、恥ずかしいから止めようと思っていたけど、気がついたら脱いで、宇川さんと一緒に観客へと投げていました。
伊藤 真一(8位)
タイムを上げようとしたら、デグナー2つ目で転倒してしまいましたが、大きなケガがなく、また、走り出すことが出来、鎌田選手と、チームと力を合わせて、一つでもポジションを上げるようにと走りました。
鎌田 学(8位)
岡田さんの代わりに急遽、出場することになりましたが、無事に完走できて良かったです。8位は、僕の自己最高位なので、嬉しいです。後半、追い上げてくれた伊藤さんと、サポートしてくれたチームスタッフに感謝しています。
C.エドワーズ(リタイア)
今回は、優勝するつもりでいたので、バレンティーノが転倒したときに、モチベーションがちょっと失われた。けど、それでも、また、順位を挽回出来ていたのに、今度は、僕が200Rで突然、フロントから滑ったんだ。何が起こったのかわからなかった。コースにオイルがあったのかも知れない。リタイヤすることになってしまい、残念だ。
V.ロッシ(リタイア)
トップを走っていたのに、転倒してしまったのは、僕のミスだ。無理をしなくてもいいときに攻め過ぎたんだ。その後は、楽に2分10秒が出せたから、表彰台を狙おうと思っていただけに、リタイアは残念だった。今回は、ホンダや日本のファンのために良い結果を出せなくて申し訳ないと思っている。また、出ることが出来たら、次は、また頑張るよ。
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