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 モナコGPのみどころ  5月30日(火) レポート:柴田久仁夫


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 今年もモナコ・グランプリの季節がやってきました。各GP、それぞれに特色があって楽しいのですが、その中でもモナコGPはやはり特別です。10数年前に初めてここを訪れ、コース際を歩いた時、「こんな曲がりくねった道をF1マシンが駆け抜けていくのか」と呆然としたものです。その時の衝撃は、その後何度来ても衰えることは全くありません。これほど時代錯誤なグランプリが今だに開かれているということに、妙な感動さえ覚えてしまいます。

 モナコGPはよく、「ドライバーズ・グランプリ」とも称されます。非力なマシンであっても、腕と度胸であっと驚くような走りを見せることができる。そんなグランプリだからです。
84年、プロストを追いまわして、優勝寸前まで行ったトールマン時代のセナ。90年、デビューしたてだったジャン・アレジの二位表彰台。そして92年、追いすがるマンセルを振り切って勝ったセナなど、ここで繰り広げられた幾多のドラマは、まさにモナコならではのものでした。

 モナコといえば、なんと言ってもアイルトン・セナです。上記の数々の名勝負。そして87年の初優勝以来、93年までに6度もの優勝を飾っています。まさにモナコ・マイスターと呼ぶべき存在。その彼に迫る現役唯一の存在が、ミハエル・シューマッハです。現在アラン・プロストと同じ、優勝4回。もし今年勝てばグラハム・ヒルに並び、セナにあと一つのところまで到達します。そしてそんな記録もさることながら、ここで勝てばハッキネンとのタイトル争いでいっそう有利な立場に立つのは言うまでもありません。

 BARホンダとしては、なによりまずメカトラブルによる連続リタイヤの連鎖を、断ち切りたいところです。特に前戦ヨーロッパGPでは、改良型エンジンのバルブ系にトラブルが出てしまいました。そのため入賞圏内を走っていたジャック・ビルヌーブが、3戦連続してチェッカーを受けられずに終わっています。
 先週チームは、南西フランスのノガロで二日間のテストを行ないました。低速コースのここで、モナコ用にみっちり走りこんだようです。パワーよりもドライバビリティ。直線が短く曲がりくねったレイアウトのモナコでは、立ち上がりの加速やハーフスロットルでのコントロール如何で、タイムに決定的な差が出ます。BARのシャシーは、これまではまさにその点を苦手としていました。
 しかしシャシーに改良が加わったイギリスGP以降、その欠点は克服されつつあります。予選タイムでも、シーズン序盤1.5秒前後あったトップとの差が、1秒近くに縮まってきました。ほとんどオーバーテイクが不可能なモナコGPでは、予選グリッドでひとつでも前に行くことが最重要。その意味で、シャシーの低速セクションでのパフォーマンス改善は、心強いニュースです。

 ビルヌーブはここモナコでは、これまで5位入賞が唯一の完走記録です。そしてゾンタは、今回が初のモナコGPとなります。サンマリノGPに次ぐ入賞が達成できるよう、今週末は期待したいですね。