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マレーシアGPのみどころ 10月18日(水) レポート:柴田久仁夫

いよいよ最終戦マレーシアGPとなりました。前回スズカで、ミハエル・シューマッハが劇的な優勝、そして21年ぶりのフェラーリドライバーとしてのチャンピオンを決め、この最終戦は消化レース、と思っている人たちも多いかもしれません。しかしとんでもない。トップ2チームにしても、まだコンストラクターズ選手権のタイトルがかかっています。フェラーリが13ポイントリードで優勢ですが、マクラーレンにも逆転のチャンスが残っています。F1GPはあくまでドライバーズ選手権が本命とはいえ、コンストラクターズでの順位は、そのまま来年のピット位置にダイレクトに反映します。フェラーリが今年同様トップの位置を死守するか。マクラーレンにしてみれば、フェラーリの完全優勝は絶対に防ぎたいところでしょう。
またBARホンダにとっても、この最終戦は大事な1戦となります。前回まで3連続入賞を果たしたおかげで、チームは選手権単独5位にまで浮上しました。4位のベネトンまではわずか2ポイント。ジャック・ビルヌーブが4位入賞し、ベネトンが0点に終われば、逆転4位です。3位のBMWウィリアムズには残念ながらもはや手が届かないのですが、昨年のBARがノーポイントだったことを思えば、日本GP終了時点で18点を獲得した今年は、大躍進と言えるでしょう。来季のピット位置も、一気に6、7チームを追い越して前に行くことになりそうです。
ただしホンダとしてみれば、たとえ初年度とはいえいろいろ不満の残るシーズンでもありました。最終戦こそはぜひとも表彰台を獲得して、20世紀最後のレースを飾り、来季につなげたいところです。コースによっては、実力で3位以内に入れるところまで来ています。セパンサーキットも低速セクションでタイムロスを防ぎ、ホンダパワーで高速セクションを駆け抜ければ、有終の美が期待できるでしょう。
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